多様なネットワークに支えられ持続可能な生活空間

  持続可能性(じぞくかのうせい、サステナビリティ、英: sustainability)は、もともと水産資源を如何に減らさずに最大の漁獲量を得続けるかという水産資源における資源評価という分野の専門用語でした。日本政府も、国際機関(FAO)に対し持続可能な開発と水産物貿易に関する日本提案を行っています。この理念は、1980年に国際自然保護連合(IUCN)、国連環境計画(UNEP)などがとりまとめた「世界保全戦略」に初出されました。その後、1992年の国連地球サミットで「環境と開発に関するリオ宣言」や「アジェンダ21」に具体化されるなど、今日の地球環境問題に関する世界的な取り組みに大きな影響を与える理念となり、翌1993年に制定された日本の環境基本法でも、第4条等において、循環型社会の考え方の基礎となり、人間活動、特に文明の利器を用いた活動が、将来にわたって持続できるかどうかを表すようになりました。経済や社会など人間活動全般に用いられますが、特に環境問題やエネルギー問題について使用されています。
  例えば「サンフランシスコの持続可能性都市五カ年計画」では、「大気」「ひとの健康」「生物多様性」「公園・都市空間・街並み」「エネルギー・気候変動・オゾン破壊」「固形廃棄物」「食糧と農業」「交通」「危険毒物」「上下水道」「経済と成長」「公的歳費」「公的情報教育」「環境倫理」「リスクマネージメント」 の15項目に渡り網羅されています。実際には、リーマンショックを端に発した金融危機で当のサンフランシスコ州だけでなく、米国の殆どの州が財政破綻で厳しい現状にありますが、このように、各国の各自治ユニットでの自立した経済の構築や、ゆとりと安心を実感できる暮らしの形成、個性豊かで活力に満ちた持続可能な地域づくりの実現に向け、地域づくりの取組が進められています。

都市と農山漁村の連携空間

  人口減少や高齢化が進む地域の中心的な都市においては、中心市街地の活性化やコンパクトなまちづくりといった取組をすすめ、都市の様々な機能を維持し、地域の生活空間づくりが大切です。
  日常生活に欠かすことのできない医療をはじめ、教育や文化、行政、経済など様々な機能を備えた都市と、我が国の食料や木材などの生産基盤として重要な役割を担う農山漁村との連携・相互補完を強め、持続可能な地域づくりが重要になっています。人口減少や高齢化が進む地域の中心的な都市では、中心市街地の活性化やコンパクトなまちづくりの取組などを進め、都市機能を維持し、地域の活性化を図り、農山漁村の安全・安心な食料の安定供給、森林の整備を通じた国土・環境の保全や景観の形成、水資源の確保など、それぞれの特徴や潜在力を生かした魅力づくりとその発信が大切です。


地域の広域的、多層的な連携

  地域の経済社会の活力を維持し、暮らしの安全・安心を確保し、日常生活に身近な地域コミュニティや市町村から、広域市町村圏や保健医療福祉圏など市町村を越える範囲にわたり、生活ニーズを満たし経済活動を展開し、広域的・多層的な連携で、地域に根ざした政策展開を進め、安心・信頼の地域医療の確保し、医療機関の連携体制の整備が必要です。 地域の課題に、多様な主体が連携・協働して行くことが重要です。



個性豊かで安らぎと活力ある空間


地域の特色を生かした産業の活性化

  地域の特性や豊かな資源を生かして、農林水産業や観光産業、新産業の振興により地域経済の活性化を図り、雇用の安定と担い手の育成・確保に取り組み、個性ある地域ブランド化のほか、地域共通ブランドの確立や地域産業を核にした産業クラスターの形成を促進し、自然環境や気象条件、豊かな農林水産資源など地域資源を生かして、観光客の誘致や農水産物の販路拡大など経済交流を進め、グローバルな産業展開により地域の活性化を図ることも大切です。

協働による地域経済の活性化

福祉サービスの充実や環境保全などの面で、地域の課題解決や資源の活用に向け、住民が主体となり取り組む内発型の地域ビジネスの起業化を促進し、環境と調和した持続可能な地域づくりを進め、人、物、金の地域循環を高める産消協働の取組や、農山漁村がもつ多面的機能の維持・増進、地域の特性を生かしエコツーリズムや資源リサイクル等多様な環境ビジネスの展開促進に期待がかかります。

愛着と誇りをもてる地域づくり

住んでいることに誇りと愛着をもてる地域社会を形成し、地域の歴史や風土に根ざした文化の保存・継承、新しい地域文化の創造、地域ならではの食文化の維持・継承に取り組み、次代の担い手となる子どもたちの豊かな人間性と郷土愛を育む地域の環境や産業、暮らしを大切にし、持続可能な地域づくりを学ぶ教育環境の充実が大切です。 特に人口減少や高齢化が急速に進んでいますが、一方で恵み豊かな自然や美しい景観など多様な地域資源を生かし、農林水産物の高付加価値化や体験・滞在型の観光地づくりなど地域経済の振興を図り、保健、医療、福祉の充実や交通・情報通信基盤整備や安心して暮らすことのできる地域づくりも大切です。

高品位の観光圏の育成

  国内外の人々を魅了する個性豊かでにぎわいのある地域を形成するため、琵琶湖を中心とした自然環境の保全や美しい田園の景観づくりや、地域ごとに特色のある産業を介して人や地域がふれあう体験型観光の促進、地域の魅力を高め、国内外に発信し、気候風土にふさわしい住宅や美しい街並みの形成、滋賀の豊穣な歴史文化を生かしたまちづくりなどに取り組み、人の誘致や交流促進も重要です。

地域社会環境の互助と調和空間

住民と行政の連携・協働

  地域の課題を解決する「自助・共助」の社会の構築に向け、地域の福祉、教育、環境などの分野で、住民と行政が連携・協働していく仕組みづくりが必要です。防災・防犯活動や高齢者世帯への支援など地域の様々な課題の解決に向け、住民、企業、NPO、自治会、行政などが協働し、地域社会の活性化が大切となります。地方分権改革の進展により、高度化、多様化していく住民ニーズにきめ細かな対応が求められ、人口減少や高齢化が進行する中で、行政体制の充実や市町村行政を担う人材の育成、行財政基盤の強化など足腰の強い基礎自治体づくりが重要です。豊かな自然、優れた人材などを有機的に結びつけ、地域経営を大胆に転換していき、市町村合併を進めていく必要があるといいわれています。持続可能な財政構造の確立をめざし、国に対して地方税財源の充実などについて働きかけながら、市町村住民の連携にが期待されています。

気づきと機動性重視の空間

  地方分権促進や道州制構想は、地域住民のニーズ機動的に実現する仕組みとして考え出されたものです。情報通信ネットワークだけでなく、物流、人材交流、資金運用の機動性や実効性のあるネットワークの構築は重要な前提となります。地域住民の生活の向上や活性化を図り、地域が権限や裁量をもって行政の推進状況や効果などの評価を行い、機動性のある問題解決に結びつけ、活力ある地域主権型社会を実現するための住民自らの創意工夫や諸活動が求められています。

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