作成日:2010.06.14|改訂日:2014.12.14

LED普及は時代要請?!

 

 「これまで地球温暖化対策の推進等に向けて、省エネルギー対策など、官民をあげた取組を実施してきたところですが、東日本大震災以降は、節電を中心とする省エネルギー対策の推進が一層重要となっています。 特に、エネルギー消費量が引き続き増加傾向にある業務・家庭部門の省エネルギー対策・地球温暖化対策が重要となるところですが、生産性・快適性を維持しつつ、節電に資する省エネを進める観点からは、白熱電球から電球形蛍光ランプやLED照明等への切替えに関する対策が重要となります」(環境省、2012年6月13日)として、環境省及び経済産業省は、家庭等で使用される照明製品に関し、今年度以降なるべく早期に省エネ性能の優れた製品への切替えを実現すべく、広く国民に対して普及啓発を行うとともに、併せて、消費者の一層の理解促進・販売事業者における一定の配慮について、関係各方面に呼びかけを行っています。

 具体的には、省エネ性能についての消費者の理解増進に係る情報提供の実施に加え、消費者の理解が深まることを前提に、家庭で多用されている口金26型白熱電球等について、省エネ性能に優れた電球形蛍光ランプ・LED照明等高効率な照明製品への切替えが進むよう、関係する各主体が、それぞれの立場で実施することができる取組について、一層の積極的な御対応を頂くよう、関係各方面協力を要請です。
 この政府の「明かり未来計画」では、下記のよう理由から要請がなされています。

  • 1)家庭用の照明を変えていくことの必要性

    1. CO削減、節電の面から磁気式蛍光灯を器具ごとHf式やLEDに買い換えることの重要性と利点
    2. 自然採光、部分照明等も重要であること
    3. 家庭で多用されている口金26型白熱電球等について、[1]性能面から代替可能であり、CO2
      減や節電の効果を有し、長期で見れば経済的でもある、というところからLED照明や電球形蛍光
      ランプに買い換えをすべき<こと。

  • 2)業務用の照明を変えていくことの必要性

    1. CO2削減や節電の面から、磁気式蛍光灯を器具ごとHf式やLEDに買い換えることの重要性と経
      済性
    2. 自然採光、部分照明等も重要であること


 以上のことを踏まえ、3.11以降の節電の中心的な対策であった照明の省エネ化。中でもLEDは使用電力の削減に即効性があるだけにオフィスや店舗を中心に急速に導入が進んでいます。大規模な導入ではメーカー在庫が追いつかない状態にまでなっています。 .しかし、LEDがオールマイティーかというと、指向性をもつLEDは、光束や演色性といった改良がどんどん向上しているものの、全方向に対する広がりをもった照明ではありません。ここでは、省エネに適し、照明に対する要求を満たすため、照明方式、配置、設計を含めた照明の導入先進事例から、それぞれの導入効果と活用法を紹介いたします。

    

INDEX

・失敗を防ぐためのQ&A
・蛍光灯とLED、異なる色温度
・蛍光灯の回収方法
・次世代型の高効率・低コスト照明CCFL
・特別企画|LED照明化のポイント−補助金活用の省エネ−


失敗を防ぐためのQ&A

 昨今の省エネ意識の高まりによって、LEDという製品の認知度は高まった。しかし、どんな製品をどう選んだら良いのかという基本的な知識は広まっていない。より良い製品を選ぶための前提となるチェックポイントをまとめてみました。

各社製品に性能差はあるか?

 日本市場のニーズに合ったメーカーを選択多くの企業がLED市場に参入した結果、価格の幅が広がり求めやすい価格の製品も増えているが、だからこそ品質の差も気になるところだろう。
「素子に関しては海外製のものも日本製に勝るとも劣らないレベルだが、1つ言えるのは日本製のLEDは製品としての均整度が高いということ。海外では安値で数を多く売るための製品にはあまりクオリティを求めない傾向があるが、日本では価格に関わらず品質が求められるため、結果的に日本製の方が均整度が高くなる。特に日本の照明専業メーカーの製品はほとんど色のムラは出ない」(岡安泉照明設計事務所の岡安泉)。

均整度のバラつきを避けるには?

 専門家の助言を得るか入念な実証実験を発展途上のLEDだけに、従来照明と違い導入の際に気をつけるべきことも多い。前出の岡安氏は「現時点では均整度のバラつきが否めず、同じメーカーの同じ器具のなかでも色温度や演色性に差が出る場合がある」という。素子の個体差は、札幌市役所の例を見ても、厄介な問題に発展しかねない。 トラブルを避けるための必要経費として、照明の専門化の助言を得るか、横浜市のような入念な実証試験をするのも1つの方法だ。

導入後の不安点は?

 将来的な在庫確保岡安氏は在庫の問題も指摘する。「LEDはランプが別売りされておらず、器具とセットで販売されているのでロットの管理が難しくなった。メーカーは古いロットと新しいロットを同時に売ることはできないので、製品がリニューアルされたら新しい製品以外はセールで在庫処分される。そうすると、何か問題が起きた際に、該当するランプだけでな<全体を入れ替えないと光の色に差が出てしまう可能性もある」。確かにメーカー各社がLEDの長寿命を謳っているが、保障期間は寿命期間をカバーしない。電源部分が理由で故障することもあり得る。そして一斉にランプの寿命が切れるわけでもない。将来、例えばランプが1つだけ切れたときにどう対応するべきかを考えてお<必要があるだろう。

LEDの特長を活かした使い方とは?

 壁と手元を照らして必要な明るさを確保LED導入の際、単純にそれまで使用していた照明の代替を考えている人も多いはずUしかし、LEDの特長を活かした照明を取り入れるという選択肢もある。
 「今後、LEDの導入が広がるほど大事になってくるのは立面=壁面を照らすこと。人間の視野に映り込む面積として水平面は狭<、立面がほとんどを占める。手元やデスクの上が暗<ても、立面=壁面が明るければ人は明るく感じる。指向性の強いLEDは、空間全体に対する照度ではいまだに従来照明に及ばない。必要な部分を最低限のエネルギーで照らすというLEDの特長を活かして壁にダウンライトを入れるなどして立面を明るくし、さらに手元にも照明を置くタスク・アンビエントで効率化することを考えるべき」(前出:岡安氏)この手法を導入しているのは富士フイルムホールディングス(P38、39)だ。同社は従来照明で壁面を照らし、LEDのデスクライトを導入して効率良く省エネを達成している。

綿密なシミュレーションは必要か?

 一般的な建築物では必須ではないシミュレーションが求められるのは、LEDと従来照明との互換性が不十分という前提があるから。しかし、最近のLEDは互換性が高まっており、自社サイトで無料のシミュレーションソフトを配布している遠藤照明(P56、57)の担当者も「空 間内に均等に照明を配置し、一定の照度を確保するような場合は簡易な照度計算ソフトを使用する程度で良い」と認めている。その点は前出の岡安氏も同意見だ。「本当にシミュレーションが必要なのは局面を多用した空間。一般的な建築物において本格的なシミュレーションは、照明の専門家ではないクライアントに安心感を与えるためのツール」。

工場や倉庫、屋外施設等ではどんなLEDを使用すべきか

 最新のLEDなら従来照明の代替可能指向性が強いLEDは空間全体を明るくする能力が従来照明に劣るため、工場や倉庫などの広い空間でかつ高天井の施設に設置するのは不向きと見られていた。しかし最近では、高天井の施設で主に使用されてきた700W、1,000W相当の水銀灯やメタルハライドランプに代替できる製品が登場している。また、屋外用として幅広い温度域や塩害に対応した製品もあり、大型LEDも幅広い用途で使用できる環境が整ってきた。ただし、製品問のバラつきもあるのでランプ直下以外にも十分な明るさを確保でき、十分な放熱能力を持っているのかを事前に検証したい。



注釈及び関連項目

1.横田 省二"照明用LEDデバイス"シャープ技報、第99号、pp.17-19、(2009年8月)
2.





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