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スマートグリッド

 スマートグリッド (smart grid) とは、デジタル機器による通信能力や演算能力を活用して電力需給を自律的に調整する機能を持たせることにより、省エネとコスト削減及び信頼性と透明性の向上を目指した新しい電力網のことです。
 スマートグリッドとは、新しい機能を持った電力網で、最初にアメリカ合衆国の電力事業者が考案されました。「スマート」という語が表すように、発電設備から末端の電力機器までをデジタル・コンピュータ内蔵の高機能な電力制御装置同士をネットワークで結び合わせて、従来型の中央制御式コントロール手法だけでは達成できない自律分散的な制御方式も取り入れながら、電力網内での需給バランスの最適化調整と事故や過負荷などに対する抗堪性を高め、それらに要するコストを最小に抑えることを目的としています。
 つまり、インターネットが自律分散型情報通信網であることと同様に、自律分散型電力網と言えます。また、最近は、エネルギー、交通、流通・リテール、セキュリティ・防災、医療・ヘルスケアの関連5分野で、情報通信技術の利活用によりスマート化(=自律分散化)する社会システムを"スマートソーシャルシステム"という言葉で使われるようになりました。
 さて、元々、米国の脆弱な送配電網を新たに登場したコンピュータ技術によって低コストで安全に運用する手法を模索する過程で生まれた構想であり、電力網における供給者と需要者の間をデジタル通信線によって結ぶというアイデアに、家庭電化製品のネットワーク化推進に失敗していた高機能家電への進出を狙うメーカーやデジタル通信用のデバイス・メーカー、さらにはITネットワークを主導している企業までが、家庭内へデジタル回線を引き込む良い機会と捉えて大きな関心を寄せるようになってきました。また、米国だけに限らず多くの国で、プラグインハイブリッドカーや電気自動車、家庭用太陽電池発電などの普及が見え始めたのも、米国が官民挙げて次世代の送配電網の必要性を論じるきっかけになってきました。

 このように米国が新技術による新たな電力網に"smart grid"という名を与えて産業界での新たな分野を作り始めました、同様の動きは先進各国でも生じていて、まず欧州が米国と同じような構想で域内の電力網の再構築・向上を検討しています。
 スマートグリッドを現実化するには、電力の送電網/配電網とその周辺の将来技術の予想や電力需要の量的・質的予想、技術開発と規格統一といった多くの課題がありますが、電力網全体に新技術を盛り込んだデジタル式の通信および電力制御を行う装置を配置するだけでも、巨額投資が見込めるため、電力機器メーカーや設備工事業者だけでなく、自動車メーカーやデジタル通信装置に関わる多くの関連業界が新市場と捉え、特にこうした分野に技術的優位性を持つ日本や米国などでは官民一体で推進し、周辺産業界とも協力してまずは国際的な標準化の確立を目指してきています。
 これに対し、事業所や工場など、限られた範囲でエネルギー供給源から末端消費部分を通信網で管理する場合も定義に含まれ、サブカテゴリーとして「マイクログリッド」と呼称されています。特に、太陽光発電や風力などの自然エネルギー(=グリーンエネルギー)の構成に重点を置いたシステムが提案されています(下図参照)。




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