パナソニック NE-R3400-RK

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電子レンジ専科

  『電子レンジ』が誕生して、すでに半世紀。庫内が熱くないのに、またたくまに加熱できる、魔法のような加熱器は、コンビニに常設されるようになり、家庭内にすっかり定着し、「チンする」という言葉が日常会話の中にとびかっています。電子レンジは、簡便化、自動化、複合化の機能を進化させ、たくさんの付帯設備をそなえて家庭に、職場に、レストランにと進出しています。複数のレンジをもつ家庭も増えてきました。しかしながら、レンジ機能を充分に使いこなしているという話はあまり聞いてはいません。ところで、人が一生の間に食事をする回数は約8万回、一生の間に飲食する量は4トン積みトラック20台分にもなるといわれていますが、手抜きするときにも、手づくり料理にをふるってリフレッシュするのに電子レンジはきっとお役に立つでしょう。

A diagram of the electromagnetic spectrum, showing various properties across the range of frequencies and wavelengths

電子レンジの原理

 「10年ひと昔」といわれるほど時代の移り変わりが早くなったのは、「電波」が使われるようになってからでしょう(「個人史としてのデジタル革命」を参考してください)。今や電話やテレビは必需品で、電子レンジも、こういったエレクトロニクス(電子工学)の産物でしょう。電子を動かせば、物質の性質を変えることも、エネルギーを取り出すことも、情報を蓄えることもできます。  金属中を流れる電気を、力や光や熱に変えて利用する技術は19世紀にほぼ完成しましたが、その後「19世紀の物理学は表面だけの学問」といわしめるほどの発達が続きました。20世紀になって、あらたに電波が使われるようになりました。
 19世紀なかぱに、ファラデーやマックスウェルが電波を予言し、電気の中に空中にとび出して仕事をするものがあると主張したのですが、電波の時代が到来したのは真空管が発明されてから、つまり20世紀になってからのことでした。
 真空管が改良されると次第に波長が短く、周波数の高い電波が出せるようになり、短波や極超短波、レーザー光やX線まで、実にさまざまな電波(正しくは電磁波)が手に入るようになりました。
 尚、「電子レンジ」という名前は、「電子」というと高級感を与えた時代につけられたといわれています。英語では、マイクロウェーブ(波)オーブン、エレクトリックレンジといいます。

 電子レンジには、「マグネトロン」と呼ばれる特殊な真空管が取りつけられ、24億5000万ヘルツの電波(マイクロ波)が、食品を目がけて放出されています。 この電波は、テレビ放送のハイチャンネルに使われているUHFと同じ極超短波の電波です。つまり、電子レンジは、「電波加熱器」というわけです。
 「電気」の中に、空気中にとび出して、ほかに電磁的な作用を及ぼすものがあることがわかったのは、そう古いことではありません。 真空管が発明され、改良されるにつれて、さまざまな電波が登場し、社会生活を超スピードで変え始めたのは、ここI世紀ほどの出来事です。
 熱線としてなじみの深い赤外線より、数桁も周波数の低い電波を使った電子レンジ加熱法は、従来の加熱法とまったく違う加熱特性をもつものです。

電子レンジの歴史

 第2次大戦が終結した1945年、マイクロ波に新しい役割が発見されました。加熱に使えることがわかりました。アメリカのレイセオン社でレーダーの研究をしていたパーシー・スペンサー博士が、ポケットのチョコレートが溶けているのに気づいたのが加熱の始まりとされ、まったく偶然の発見だったようです。その後、マイクロ波加熱の研究が重ねられ、まず、レイセオン社から「レーダーレンジ」の登録商品名で市販されました。
 わが国でも1961(昭和36)年に業務用「電子レンジ」1号機が売り出され、ドライブインやレストランで使われ始めました。
 その3年後に開通したばかりの新幹線のビュッフェに装備されて話題となり、広く知られるようになりました。

 「レーザー」はご存知でしょうあk。ディスコで使われている色とりどりのレーザー光線の鋭い指向性と集束性をもったレーザー光線は、人口的な美しい光であると同時に、レーダー探知機など軍事目的にも利用されます。
 レーザービーム、レーザーメス、レーザーディスクとなにかと話題になり、その幅広い用途ゆえにレーザーを、20世紀最大の発明と評価する人もいるほど。
 実はこのレーザー、マイクロ波領域で開発された「メーザー」の技術を光(ライト)の範囲に拡大したもので、レーザーとマイクロ波とは、いわば兄弟のような関 係にあります。
 もっとも、マイクロ波はレーザーよりエネルギーレベルが低いので、手術のために皮膚を切り開いたり、ダイヤモンドに穴を開けることはできません。「情報化時代」 に入って、レーザーやマイクロ波の出番はますます多く日常なじみの深いラジオやテレビジョン放送の電波も、電子レンジに使われているマイクロ波も、赤外線や 光や紫外線も、さらにX線や7線も、すべて電磁波の仲間です。
 電気の中に空気中にとび出すものがあることがわかったのは、そう古いことではありません。電気の歴史はほぼ2世紀、電波の歴史は約1世紀です。真空管が改良されるにつれ、長波・中波・短波と、さまざまな電波が発振できるようになり、ついに1921年イギリスのハルによって極超短波(マイクロ波)がっくり出されました。
 小きざみに水を振動させて、精密機械の内部を洗浄する超音波をご存知でしょう。マイクロ波は、超音波よりさらに周波数(振動数)が高いので、機械的な振動は消えて分子の振動が出てきます。電気エネルギーはいろいろなものに変身可能で、熱に変わるものは少なくありません。
 マイクロ波より周波数が高いのが、赤外線やレーザー光線。これらは高い周波数のメリットを生かした多彩な利用分野をもっています。



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水分子の振動で発熱

  「電子レンジは水分子を動かして、そのまさつ熱で加熱する」と説明されています。電子レンジ中に放出されるマイクロ波は、電界の向きがプラスになったりマイナスになったり。つまり1秒間に24億5千万回も反転します。食品中の荷電分子はそのたびに電界に引っぱられて右往左往。そのありさまは、温度が上がって分子運動が激しくなったときと似た状態であるに違いありません。食品中にはイオン化した分子があって強い電荷をもっていますが、これらの分子はむしろあまり加熱効果が期待できません。イオンが強すぎると導体に近くなって、「誘電加熱」を妨げるので、水分子は、電界の変化に追従して動くのにビックリ。たんぱく質やでんぷんのような巨大分子になると、電界の動きが速すぎて動ききれないまま末端基が振動する程度と考えられています。

 石焼きいもや炭火焼きが美味なのは、赤熱した石や炭火から速赤外線が出ているから」と宣伝され、遠赤外線の多い加熱法が一躍脚光を浴びました。遠赤外線は、食品の内部への浸透距離が深い電磁波としても知られています。
 浸透距離が深ければ、それだけ早く加熱されるのも事実。ただし、遠赤外線の浸透距離はせいぜい2mmほど。「内部昇温が早い」というのはかなり誇大宣伝と いえる。浸透距離の深さでは、マイクロ波加熱法にかなうものはありません。マイクロ波は電波の侵入度が深いので、またたくまに食品の数センチ内部からも発熱します。

電子レンジは食材を選ぶ

 マイクロ波は少々気まぐれ屋で関係者をハラハラさせる場面にも出くわします。たとえば、カチンカチンに凍った部分を素通りして、溶け始めた部分を一所懸命、昇 温するというバカげたことをするので、刺身の縁が煮えてしまうということが起こります。
 また、揚げものは早くから温度が上がっているが、ご飯がまだ冷たい。ご飯が温かくなった頃に、野菜がまだ生ぬるい、全体が熱くなったと思ったらフライの中身がひからびていた、ということも起こります。
 しかし、空気や包材の中を、余分なエネルギーを浪費することなく、脇目もふらず通過してくれるおかげで、省エネやスピード化が可能といった側面がある以上、マイクロ波の「選択加熱特性」をコントロールことで電子レンジ持っている力を最大限引き出すことが大切です。

 電子レンジでは、「電波を吸収しやすいもの」が発熱し、「吸収しにくいもの」は、あまり発熱しません。たとえば、水を含む食品の多くは前者、空気や食器類は後者です。
 電波エネルギーが吸収されて熱に変わる割合を、「誘電損失係数」で示し、発熱量を求めることが行われています。空気の損失係数はゼロ、耐熱ガラス、陶磁器、プラスチック、紙などのうち、電子レンジに好んで用いられる容器素材は、誘電損失係数が小さいので、庫内や容器は熱くなりません。
 しかし、損失係数が大きいほどよいわけでもありません。食塩水や塩味のついた食品は電波の吸収が強すぎて内部まで到達せず、浸透距離が1p以下に低下してします。ご飯のように浸透距離が5p前後なら瞬時に内も外も加熱されるので理想的です。

 電子レンジ普及率は、主力家電メーカーニ社のある奈良県で全国一。滋賀、京都、大阪、兵庫、広島の近畿、中国地方の普及率が高く、首都圏域の普及率を上まわるという、つまり「西高東低型」の普及率を示しました。「電子レンジは、店頭に並べておけば勝手に売れる商品ではないのです」、「不満のほとんどが、使い方がわからないの一語につきることがわかってきたのです」。
 電子レンジは、料理のソフト(料理のつくり方)を含めて売り込む商品であり、ソフトが充実していて使いやすい機種に人気がある点で、コンピューターと似ているといわれます。「ソフトがなければタダの箱!」、それを裏付けるように、メーカーの指導がいきとどく関西を基盤として電子レンジは普及しはじめました。

電波ムラが悩み

 「早く均一に加熱できます」こんなキャッチフレーズで、電子レンジが宣伝されていた時期がありました。しかし、「均一に加熱される」というのは誇大宣伝に当たるとして、その後、自制されています。電子レンジに使われているマイクロ波は波長が12mと長いので、庫内で6pごとに強弱の電波むらができることすらありました。ファンやターンテーブルがとりつけられたのもそのため。「宿命的な電波むら」対策にメーカーは常に頭を痛めてきました。
 オーブンレンジ用に金属のターンテーブルが使われたことがありますが、加熱むらを拡大するとして電波を透過する耐熱ガラスや耐熱陶器製に取り換えられました。  下図は、ターンテーブルにアルミ箔をかけたり、食品を持ち上げるようにして加熱すると、加熱効率が大きく変わることを実験的に裏付けたものです。ターンテーブルにアルミ箔をかけると食品の内部が加熱されにくくなります。そんなときには、皿などを台にして持ち上げて加熱すれば、食品の内部も加熱されるようになることがわかります。


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