マグネトロン(英: magnetron)

電子レンジ専科

電子レンジの原理

個性豊かな電子レンジ

 「同じ出力の電子レンジを使っても、加熱のされ方があまりに違うのでこまっている」という話を、レンジ食品の開発メーカーから聞くことが、実に多くなりました。ある電子レンジなら500Wで3分半で充分なのに、ほかの機種では4分以上加熱しても冷たい部分があったりします。これでは「加熱時間をどう表示していいのかわからない」というわけです。
 電子レンジの出力は、11のビーカー2個に水を入れて測定しますが、ある程度の許容範囲が認められています(プラス15%、マイナス10%です)。そのうえ、電波をターンテーブルの中心部に集中させる方式を採用したり、できるだけ分散するような方式を採用したり、メーカーによって電波の照射モードが異なるので、実際に食品を加熱した場合の温度の上がり方は異なります
 食品メーカーのなげきにもかかわらず、電子レンジメーカーはいずれも自社の方式を変えるつもりもなし。機種間の差は縮まりそうにありません。

 電子レンジには、「マグネトロン」と呼ばれる特殊な真空管が取りつけられ、24億5000万ヘルツの電波(マイクロ波)が、食品を目がけて放出されています。 この電波は、テレビ放送のハイチャンネルに使われているUHFと同じ極超短波の電波です。つまり、電子レンジは、「電波加熱器」というわけです。
 「電気」の中に、空気中にとび出して、ほかに電磁的な作用を及ぼすものがあることがわかったのは、そう古いことではありません。 真空管が発明され、改良されるにつれて、さまざまな電波が登場し、社会生活を超スピードで変え始めたのは、ここI世紀ほどの出来事です。
 熱線としてなじみの深い赤外線より、数桁も周波数の低い電波を使った電子レンジ加熱法は、従来の加熱法とまったく違う加熱特性をもつものです。

電子レンジの性能試験


 「商品テスト」は、暮らしの手帖社、日本消費者協会、国民生活センター、消費者センターなどで定期的に行われますが、ほかに安全衛生性、危害や事故、品質規格の見直しが問題になった場合に、委員会が組織され、専門家をまじえたテストが行われます。
 電子レンジの国際テスト(IECテスト)の結果の一部を下に紹介しました。学生実験に組み込んで、マルチカップテストやタンクテストのような基本性能試験、カスタードプディング、ミートローフ、スポンジケーキ、ポテトグラタン、ローストチキンなどの加熱焼成試験(オーブンを含む)、冷凍挽き肉の手動解凍や自動解凍試験などを行いましたが、学生達が面白がって協力してくれたおかげで、国際会議の場でほめられるほどの結果を出すことができました。
 しかし、食品の量が多すぎて、どの電子レンジを使っても加熱むらが大きく、食用にならないテスト項目もあり、日本で適用するにはかなり問題がありました。

マグネトロンの寿命

 「空だきをすると電子レンジがこわれますよ」といわれたことはありませんか。何も入れないで作動ボタンを押すと、放射された電波は吸収されないでマグネトロンにまいもどり、それをくり返すとマグネトロンの寿命を縮めることになるというわけです。
 マグネトロンは電子レンジの心臓I マグネトロンの寿命はそのまま電子レンジの寿命です。電子レンジが出始めた頃、I個15万円もしたマグネトロンが、その10分のI以下の値段で手に入る。これが電子レンジの価格を大いに引き下げました。といっても、電子レンジの中でも最も高い部品がマグネトロンであることに変わりはありません。
 電子レンジ使用時の加熱時間が、今までより長くなったら、電子レンジの寿命が限界に近いかもしれません。でも、マグネトロンの総作動時間は2000時間もあり、うまく使えばそれ以上もちます。一般家庭の使用頻度なら、10年もつ計算になります。マグネトロンは正常で、案外タイマーの方が故障してずれていることも多いようです。

原理

マイクロ波をつくるのは、マグネトロンと呼ばれる二極真空管。 まん中の陰極から出た電子は、磁力線のため進路をまげられ、うずをまいて陽極に向かいます。回転する電子が陽極のくぼみにはいると、一定の周波数で振動するようになります。

ページトップへ


電子レンジは省エネの優等生

 「電子レンジで加熱すると、ほんとうに安上がりなのですか」と、疑いの目で聞き返されることがあります。電気代が高いとか、消費電力が大きいといったイメージのためでしょう。確かに電子レンジの消費電力は、1000W以上で少なくありません。また消費電力約1000Wで出力500Wしか出ませんから、そこでエネルギーが2分の1Iに落ちてしまい、電波エネルギーヘの変換効率も、かなり低いとみなければなりません。
 しかし、そのあとが違います。オーブンの庫内を熱くするためのエネルギーも、湯をわかすエネルギーも不要。電波を吸収した食品の内部で効率よく熱が発生し、ガス火加熱の4分のIほどの加熱時間ですむことが少なくないからです。
 消費エネルギーが増え続け、炭酸ガス、フロン、メタンガスが地球環境に深刻な影響を与える中で、省エネルギーセンターは「家庭の省エネ大事典」、「かしこくいた だきます」の中で、電子レンジを省エネライフのために活用しましょうと呼びかけています。
 電気代は、電気機器の使用時間と比例します。たとえば、電力I誹を消費した場合の1時間当たりの電気代を23円、1日に使う電子レンジの作動時間を30分としますと、Iカ月の電気代は345円。電子レンジを1日30分も使うことはありませんから、電気代も安あがりというわけです。


ページトップへ




WEEF

Copyright (C) COSMOTAIL All Rights Reserved.
inserted by FC2 system