作成日:201609.17|更新日:

特別企画|改正FIT

 12年7月、固定価格買取制度(FIT)が開始されて以来、日本の太陽光発電市場は急激な成長を遂げてきた。ピークを迎えた14年度の太陽電池モジュールの国内出荷額は9,216MW を記録。制度開始後3年で、太陽光発電の導入量は5倍に達したが、電力会社の系統接続制約問題とそれに伴う出力制御ルールの導入や買取価格の低減などが影響し、15年度の国内出荷量は7、1 36MWと約20%削減少した。加えて17年4月1日から"改正FIT法"が施行されることが決定している。FITは制度開始以来、再生可能エネルギー(再エネ)の導入を加速する役割を担っ てきたが、今後は国民負担を抑制しつつ、再エネをバランス良く、長期安定的に導入させる制度へとシフトする。新たな制度では、買取価格については、年度毎に発電費用に適正利潤を上乗せして決定していた従来の方式から、大規模太陽光発電等では入札方式の導人を、また住宅用では将来のコスト目標に向けてあらかじめ価格逓減スケジュールを決める方式への移行を行うことで発電コストの低減化を促す。
 "改正FIT法"は、各再エネの電源特性を踏まえたバランスの取れた導入、再エネの最大限の導入と国民負担抑制の両立、長期安定的な電力供給などの課題に応えることで、現状を打破し安定的に太陽光発電の普及を促進する基本的なエンジンとなるという。
 特に効果が期待されるのが、太陽光発電の未稼働案件の解消だ。"改正FIT法"では未稼働案件を整理するために従来の《設備認定》から発電事業面から適切かどうかを確認する《事業認定》へ と認定制度を大きくシフトする。
 ちなみに資源エネルギー庁がまとめたFITの導入・買取・認定状況(平成28年4月時点)によると、認定容量は79.45GW、うち導入容量は28.31GWだ。 つまり現状では約50GWの未稼働案件が眠っていることになる。これらの案件の中の事業性の低いものが、コスト効率的で事業性の高い新たなものに変わっていくことが望まれる。

卸売電力市場の電力で需給を調整

 2つ目の成長エンジンぱ電カシステム改革"である。亀田氏は「再エネを多量に導入している再エネ先進国では、ほとんどの国が同時並行的に電カシステム改革を進めている。分散電源、とくに太陽光や風力のように天候や自然条件などに左右され、出力が変動する電源をスムーズに効率よく導入するには、系統のフレキシビリティーが重要になる。
 "電カシステム改革"を通じて柔軟性の高い電力系統を構築し、適切に運用することで再エネを電力システムの中に上手に組み込むことが不可欠になる。中でも注目されるのは20年に導入予定の≪発送電分離≫。"改正FIT法"では導入される≪発送電分離≫に備え、再エネの買取義務を一般電気事業者から送配電事業者に移す。
 この移行により送配電事業者は、再エネを含めた電力需給のバランスをとる役割を集中的に担うことになる。そして送配電事業者は、買取ったFIT電力を卸電力取引市場を通して小売電気事業者に引き渡す。
 このため卸電力取引市場での電力の取引量が増大し、再エネで生まれる電力の需給調整を卸電力取引市場の仕組みを活用して賄う可能性が生じる。系統活用の幅が広がり、太陽光発電などの再エネ電気を抑制することなくフルに活用する余地が生まれる。

"パリ協定"は太陽光発電普及への強力、長期的なサポート

 そして3つ目が、15年12月、気候変動枠組条約締結会議(COP21)で"パリ協定"が合意されたことだ。"パリ協定"で特に重要なのは、今世紀末までに国際社会が≪脱炭素化≫≪ゼロエミ  ション社会≫を実現する長期目標を明確に示したことだ。
 こうした太陽光発電市場に押し寄せる変化の波を勘案し、JPEAでは15年3月に改訂した産業ビジョン「2030年に向けた確かな歩み」の内容の見直しに取り掛かるという。ただし、2030年の累積導入見通しである100GW(日本の電力需要'1兆kWhの10%)はそのまま据え置く。

※1 「新規認定分」とは、本制度開始後に新たに認定を受けた設備
※2 「移行認定分」とは、再エネ特措法(以下「法」という。)施行規則第2条に規定されている、法の施行の日において既に発電を開始していた設備、もしくは、法附則第6条第1項に定める特例太陽光発電設備C太陽光発電の余剰電力買取制度の下で買取対象となっていた設備)であって、本制度開始後に本制度へ移行した設備
※3太陽光(住宅)について、前年度(平成26年3月)までの導入状況の公表においでは、導入時期が法施行日の前か後かで分類しておりましたが、平成26年度(平成26年4月)からは、本制度開始後に新たに認定を受けた設備を明確に分類するため「新規認定」か「移行認定」かの分類
   出典:「FIT制度見直しの詳細制度設計等について」 2016、6資源エネルギー庁より

尚、上記目次表の詳細は右欄の「特集目録」の項番をダブルクリックし、願参照。




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