自然科学地球 天文地理学太陽光エネルギー




太陽光とはなにか

太陽光(Sunlight)とは、太陽が放つ光である。日光ともいう。我々人類は太陽の恵みとも言われる日の光の恩恵を享受してきた。 太陽光はWHOの下部機関IARCよりヒトに対して発癌性があると(Group1)勧告されている。

太陽のメカニズム

発生

  1. 太陽中心部における水素の核融合により、ガンマ線が発生する。
  2. ガンマ線は、1500万Kという高温のために固定されずに飛び交っている電子陽子により直進を阻害される。
  3. 直進を阻害されたガンマ線は、近くのガスに吸収されてエックス線として放出される。
  4. エックス線は、ガスへの吸収と放出を繰り返し、直進できるほどの外側部に到達した頃には、周波数が下がり可視光線赤外線紫外線となる。
  5. 外側部の可視光線、赤外線、紫外線は、太陽光として放射される。

地球到達

太陽光として太陽から放出された光は、地球軌道付近で約1.37kW/m2(太陽定数)のエネルギーを持つ。これが地球軌道上の人工衛星が受光できるエネルギーとなる。光子の数にして1平方メートル・秒あたり 6×1021個(十垓個)以上になる。

エックス線は殆どが大気で遮断される。また有害な紫外線も成層圏のオゾン層で90%以上がカットされる。可視光線、赤外光も、大気圏中での反射・散乱・吸収などによって平均4割強が減衰し、地上に到達する(気象庁による解説)。大気を通過する距離が変わるため、地上の各地点で受光できるエネルギー密度は緯度や季節、時刻に従って変化する。日本付近では最大約1kW/m2のエネルギーとなる。

・太陽光が太陽から放たれて地上に到達するまでの時間は約8分17〜19秒(天文単位太陽地球の半径、光速から計算できる)。

・地球に到達した太陽光線の1時間あたりの総エネルギー量は20世紀後半の世界の1年間で消費されるエネルギーに匹敵する
そのエネルギーの地上での内訳は、

  1. 地上で熱に変わってしまうエネルギーは約45%
  2. 海中に蓄えられるエネルギーは20数%
  3. 風や波を動かす原動力へ変わるエネルギーは0.2%程度
  4. 光合成に使われるエネルギーは0.02%程度
  5. 宇宙へ反射してしまうエネルギーは30%程度


太陽エネルギー


地球上の太陽光エネルギー資源量の分布(1991-1993年の平均、昼夜の変化や天候の影響含む)。黒点は、変換効率を8%と仮定して世界の主要エネルギー源を太陽光で十分賄うために必要な面積を表す。

太陽から放射されたエネルギーのうち、地球に照射されている光エネルギーは、ワット数にして約174PW(ペタワット)である。大気等による反射や吸収を受けつつ、そのうち約半分が地表に到達する。このエネルギーは大気や地表、海洋を暖め、暫く熱などの形で大気圏内に留まる。最終的には、赤外線などとしてすべて宇宙へ再放射される(地球温暖化は、このエネルギー収支の均衡が崩れる現象である)。
大気圏内に到達した太陽エネルギーは、大気や水の循環を発生させ、植物の光合成などを通じて多くの生命活動の源となる。また、下記のような直接利用のみならず、風力やバイオマスなど多くの再生可能エネルギーの源となる。


太陽エネルギー(Solar Energy)は、太陽から太陽光として地球に到達するエネルギーを指す。ソーラーエネルギー(Solar energy)、ソーラーパワー(Solar power)などとも呼ばれる。地球上の大気や水の流れや温度に影響し、多くの再生可能エネルギーや生物の生命活動の源となっている。また、古くから照明や暖房、農業などで利用されてきた。
狭義には、太陽光から熱や電力を得るエネルギー源を指し、再生可能エネルギーに分類される。太陽光が当たる場所ならばどこでもエネルギーが得られ、得られるエネルギー当たりの温室効果ガスの排出量が少ない。昔から熱として利用されて来たが、近年は地球温暖化の対策の一環として、熱利用と共に発電用途での利用が増えている。


太陽から放射されたエネルギーのうち、地球に照射されている光エネルギーは、ワット数にして約174PW(ペタワット)である。大気等による反射や吸収を受けつつ、そのうち約半分が地表に到達する。このエネルギーは大気や地表、海洋を暖め、暫く熱などの形で大気圏内に留まる。最終的には、赤外線などとしてすべて宇宙へ再放射される(地球温暖化は、このエネルギー収支の均衡が崩れる現象である)。
大気圏内に到達した太陽エネルギーは、大気や水の循環を発生させ、植物の光合成などを通じて多くの生命活動の源となる。また、下記のような直接利用のみならず、風力やバイオマスなど多くの再生可能エネルギーの源となる。






地球のエネルギー収支

地球に入ってくる全てのエネルギーと地球から出ていく全てのエネルギーは、地球のエネルギー収支という1つの物理的なシステムと考えることができる。地球が得るエネルギーの合計と放出するエネルギーの合計は等しく、均衡が保たれている。
「エネルギー収支」は分かりやすく広く使われている語であるが、実際はエネルギー(ジュール)ではなく仕事率(ワット)のことを示すため、「地球の仕事率収支」のほうが正確な語である。

エネルギー収支の詳細

ゲインエネルギー

地球の大気に入る(地球の大気に放射される)エネルギーの総量はおよそ174ペタワット(PW、=17京4000兆ワット)である。その詳細は以下のとおりである。


  1. 太陽放射(全体の99.978%、約174ペタワット、放射照度では約340 W/m2
  2. 約340 W/m2という値は、「昼」の部分に偏って当たる太陽放射を大気全体の平均に換算したもので、実際には「昼」の部分全体に平均して約680 W/m2のエネルギーが入ることになる。また、昼の部分であっても緯度や時刻によって太陽放射の角度が異なるため、場所や時刻によってこの値は変わる。この値が最大となるのは太陽が天頂にきたときで、約1,366 W/m2である(太陽定数として知られている)。太陽活動の周期的な変化に伴って太陽定数も変化しているが、変動の幅は1〜3 W/m2前後であり、大きな変化ではない(図参照)。



  3. 地熱エネルギー(0.013%、約23テラワット、約0.045 W/m2
  4. 地球内部の放射性崩壊で発生した熱がもととなったエネルギー。火山地帯などではこのエネルギーが増加する。

  5. 潮汐によるエネルギー(0.002%、約3テラワット、約0.0059 W/m2
  6. 太陽や月などの他の天体と地球がお互いの引力で引き合う潮汐力によって生み出されるエネルギー。

  7. 化石燃料の燃焼によるエネルギー(約0.007%、約13テラワット、約0.025 W/m2
  8. ワットは1秒間に使われるエネルギー(ジュール)を表すので、地球の大気全体が1秒間に得るエネルギーの量が174ペタジュールということになる。これは、クラカタウ火山の噴火で放出されたと推定されるエネルギーの量(150ペタジュール)に並ぶ大きさである。



図 地球のエネルギー収支の詳細図(EOSPSOによる。PD USGov)


ロスエネルギー

地球全体のアルベド(反射率)の平均はおよそ0.3である。つまり、地球に注がれた太陽エネルギーの3割が宇宙に向けて反射されるということで、残りの7割は地球に吸収される。ただ、吸収された7割全てがその後赤外線(長波)として再び放射される。アルベド0.3というのは、季節による変動や地形・大気の状態などによる差を考慮した平均値である。その詳細は以下のとおりである(大気が得る地熱や潮汐によるエネルギーは微小なものなので省略)。また、本文と図の違いを注)で示した。

  1. 地球に注がれたエネルギーの30%は反射される。
  2. 6%は大気によって反射される。
    20%は雲によって反射される。
    4%は地球の表面(地面、水面、氷面など)によって反射される。

  3. 残りの70%は全て吸収される。
  4. 51%は地球の表面に吸収される。
    16%は大気に吸収される。
    3%は雲に吸収される。

  5. 吸収された70%はやがて再放射される。
  6. 大気や雲に吸収された19%はそのまま再放射される。
    15%は地球の表面から大気に放射され、やがて宇宙へ放射される。
    7%は大気の移動に伴って地球の表面から大気に移り、やがて宇宙へ放射される。
    23%は水の蒸発によって潜熱として地球の表面から大気や雲に移り、やがて宇宙へ放射される。
    6%は地球の表面から放射される。




エネルギー収支と地球の気候

前述の「失うエネルギー」とは、地球の大気が得たエネルギーが長い時間をかけて必ず宇宙へ放射されることを前提としており、「失うエネルギー」から除いた地熱や潮汐によるエネルギーもやがて宇宙へ放射されるため、結局は収支は0となる。

大気が「得るエネルギー」が「失うエネルギー」を上回れば、エネルギーのうち熱に変わる量も相対的に増えて、地表付近の気温や海面温度の上昇という形で現れることとなる。逆に、「得るエネルギー」が「失うエネルギー」を下回れば、同様にエネルギーのうち熱に変わる量が相対的に減り、温度が低下すると考えられる。このような収支バランスの崩れは「放射強制力」という言葉で定義される。得るエネルギーが失うエネルギーを上回れば正(+)、逆の場合は負(-)の放射強制力が働いていると表現される

長い地球の歴史でみれば、「得るエネルギー」の変化をもたらす原因としては、太陽活動の変化が最も大きい。過去には太陽活動の大規模な変化があり気候の変化をもたらしたことがあると考えられている。「失うエネルギー」の変化をもたらすのは、アルベドの変化が大きい。氷はアルベドが大きいため、氷床の面積が広くなるとその分反射するエネルギーが増えることになる。ただし、近年の地球温暖化の原因は人為的な要因によって放射強制力が変化し、地球のエネルギー収支の均衡が崩れたのが大きな原因とされる。11年周期での太陽活動の変化は微小なものであり、その影響は人為的要因に比して数%程度しか無いとされる(AR4)。

温室効果は、温室効果ガスが熱に変わりやすい赤外線などの電磁波を吸収して大気や地球表面が得たエネルギーをより長く環境中に留めるように働き、平衡状態における大気や地球表面の平均温度が上昇することを指す。温室効果ガスが増加すると、一時的に放射の量が減少し、大気や地球表面の温度が上昇し、放射が再び増えることで安定する(放射強制力の項を参照)。

石油や石炭、木材などの化石燃料の燃焼や、陸地の土地利用・海面の状態の変化(砂漠化や海氷面積の減少など)などの人為的原因も、エネルギー収支の総量に影響する。IPCCの調査(リンク)によれば、2000年のエネルギー収支の総量は、1750年に比べて約2.4 W m-2(太陽放射により地球の大気が得るエネルギーの1%弱に当たる)増加したとされる。人為的な影響の中では特に二酸化炭素やメタンなどの影響が大きいとされている(地球温暖化の原因参照)。


人類による利用形態と技術

人類が地上でエネルギー源として実際に利用可能な量は約1PWといわれる。これは現在の人類のエネルギー消費量の約50倍である。またゴビ砂漠の半分に現在市販されている太陽電池を敷き詰めれば、全人類のエネルギー需要量に匹敵する発電量が得られる。設置場所における年間の日射量は緯度や気候によって異なる。日本では約1200kWh/m2である。欧州では中部で約1000kWh/m2、南部で約1700kWh/m2である。また赤道付近の国々では最大約2600kWh/m2に達する。 その利用形態は下記のように様々である。





利用形態の概要


太陽光発電

太陽光発電太陽熱発電に分けられる。それぞれ、設置地域の気候や需要に応じて使い分けられる。

太陽光発電」を参照

太陽光発電は、太陽電池を用いて発電する方式である。メンテナンスがほぼ不要であり、使う形態や規模を選ばないなどの長所を持つ。その一方、太陽光がなければ発電しないため、夜間の電力を賄う場合は蓄電装置を必要とする。開発初期は非常に高価であり、主に人工衛星や灯台などで用いられていたが、普及するに従って価格が低減し、民生の電力用途にも普及が進められている。

将来の可能性としては、衛星軌道上からマイクロ波レーザー光の形で地上にエネルギーを送って発電する、宇宙太陽光発電も研究されている。ほぼ24時間の発電が可能となるが、技術的課題も多く、まだ実用化には至っていない。

太陽熱発電

太陽熱発電は、集熱器を用いて太陽光を熱に変換し、熱せられた空気や蒸気を用いてタービンを回して発電する。太陽熱利用…集熱器を用いて太陽光を熱に変換し、加熱した空気や水を暖房や給湯に利用する。高温そのものを炉や調理に利用する場合もある。


複合的利用

太陽光励起レーザーにより、熱や化学エネルギーを得る手法が研究されている。レーザーによる高熱でマグネシウムを還元して汎用エネルギー源として用いるほか、余剰熱で温水を製造するなどの利用が考えられている。



出典


  1. ENV100Y (Environment) course notes, University of Toronto
  2. "Earth's Energy Budget", Oklahoma Climatological Survey
  3. "Earth's Energy Budget" graphic, NASA
  4. http://www.dlr.de/tt/Portaldata/41/Resources/dokumente/institut/system/projects/Ecobalance_of_a_
    Solar_Electricity_Transmission.pdf
  5. a b山田興一・小宮山宏「太陽光発電工学」ISBN 4-8222-8148-5a
  6. ^ 太陽光発電って何だろう(NEDO)
  7. ^ a b 金山公夫・馬場弘、ソーラーエネルギー利用技術、森北出版、2004年、ISBN4-627-94661-9
  8. ^ a b 日本太陽エネルギー学会編、太陽エネルギー利用技術、オーム社、2006年、ISBN4-274-20278-X
  9. ^ a b ソーラーウォールって何?(ロゴスシステムズ)
  10. ^ 矢部孝、太陽光レーザー,水,マグネシウムによる革新的エネルギーサイクル
  11. ^ "Construction of a Composite Total Solar Irradiance (TSI) Time Series from 1978 to present". 2005年10月5日閲覧。
  12. ^ "太陽 って どんな星?". 2007年4月9日閲覧。
  13. Solar radiation basics University of Oregon Solar Radiation Monitoring Laboratory, Last revised: March 16, 2002


外部リンク


  1. 環境省 地球温暖化防止京都会議(COP3)のページ 地球温暖化解説
  2. 「Solar radiation」 - Encyclopedia of Earthにある「太陽放射」についての項目(英語)。
  3. Total solar irradiance data archive 1978-2007 国立地球物理学データセンターのウェブサイト (英語)
  4. A Comparison of Methods for Providing Solar Radiation Data to Crop Models and Decision Support Systems, Rivington et al. (英語)
  5. Evaluation of three model estimations of solar radiation at 24 UK stations, Rivington et al. (英語)
  6. High resolution spectrum of solar radiation パリ天文台のウェブサイト (英語)
  7. Solar Position Calculator 太陽の位置などを計算 (英語)
  8. Measuring Solar Radiation National Science Digital Libraryのレッスン内容 (英語) Websurf astronomical information 太陽、月の位置や高度などを計算 (英語)
  9. Daylength 日照時間を計算 (英語)
  10. An Excel workbook 太陽の位置と太陽放射量を計算。 (英語) Greg Pelletierによる。
  11. DOE information 太陽スペクトルの観測や測定について
  12. ASTM Standard アメリカ合衆国各地の太陽スペクトル
  13. SOHO による現在の太陽のスナップショット
  14. NASA Eclipse homepage
  15. Nasa SOHO (Solar & Heliospheric Observatory) satellite (FAQ)
  16. NASA/Marshall Solar Physics website


関連項目


  1. 光子 - 可視光線 - 紫外線 - 赤外線 - 電磁波放射線
  2. フラウンホーファー線
  3. 太陽 - 太陽系 - 太陽風
  4. オゾンホール - 地球温暖化
  5. 日光浴 - ひなたぼっこ - 天日干し - 日焼け
  6. アルベド
  7. 月 - 月の光 - 星
  8. キセノンランプは太陽光に近い。
  9. 太陽帆
  10. 気候
  11. 収支
  12. 仕事率の比較
  13. 太陽-太陽光-太陽放射
  14. 再生可能エネルギー
  15. 温室効果-地球温暖化
  16. 新エネルギー




WEEF

Copyright (C) WINDOFWEEF All Rights Reserved.
inserted by FC2 system