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・有効エネルギー
有機ハイドライド

有効エネルギー





 

有機ハイドライド

有機ハイドライドとは、適切な触媒反応を介して水素を可逆的に放出する有機化合物、特にシクロヘキサンやデカリンなどの飽和縮合環炭化水素を指す。水素を液体状態で貯蔵する技術に利用される。
シクロヘキサンやデカリンは加熱した白金触媒により脱水素反応を起こしてベンゼンやナフタレンに化学変化する。また、逆の反応(水素化)も可能である。これらの可逆的な反応は、水素と有機分子との共有結合が解離/結合することで、水素分子が放出/貯蔵されたものと見なせる。そしてこの反応を応用した水素貯蔵システムを北海道大学触媒化学研究センターの市川勝らが開発した。水素を蓄えた有機ハイドライドは化学物質として安定な液体であり、貯蔵や輸送に適している。また、簡易な装置により、非常に大量の水素ガスを吸着し、高速でこれを放出できることから、有機ハイドライドを利用した燃料電池の検討などが行われている。なお、触媒反応にはある程度の熱源が必要となるが、産業技術総合研究所コンパクト化学システム研究センターの白井誠之らにより超臨界二酸化炭素を利用する低温での反応も研究されている。
カルバゾールおよび誘導体にも同様の性質が知られ、検討の対象となっている。

■有機ハイドライドのメリット
現在、燃料電池で自動車を500キロメートル走行させるためには5キログラムの水素が必要である。これを水素ガスで換算すると56000リットルとなる。一方、有機ハイドライドでは約70リットルで必要な水素を供給することができる。
また有機ハイドライドは、通常の温度と気圧で液体であり物性が石油に似ているので、ガソリンスタンドなどの既存インフラを活用することができる。
さらに有機ハイドライドは、水素を放出した有機化合物に再び水素を結合させることができる。つまり水素の吸蔵も放出も容易に制御することができるのだ。

■有機ハイドライドのデメリット
有機ハイドライドは、水素の吸蔵も放出も白金触媒を使って熱力学的な可逆性において促進される。つまり高価で希少な白金が触媒として必須であり、さらに水素を放出させるには250-300℃程度に加熱する必要があるのだ。
また、有機ハイドライトには様々な種類があるが、それぞれが実験段階にとどまっており、実用段階にはまだ至っていない。





脚注及び関連項目






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