生活環境環境百科事典

【ホ】

放射性セシウム濃度測定
ホルムアルデヒド
ホルマリン
ホログラムシート


ホログラムシート


特開2011-95445 の場合

ホログラフィー(英語: Holography, ギリシア語の(全体の + 記録)は、3次元像を記録した写真(ホログラム)の製造技術のことである。ホログラフィーは情報の記録にも利用することができる。

真正性識別

fig.1/特開2011-95445ホログラムシートの主なる用途としては、ホログラムそのものを装飾用として用いる美術・工芸品分野や商業用分野があるが、それにとどまらず、偽造防止分野に使用されるホログラムシートであって、具体的には、クレジットカード等の偽造されて使用されると、カード保持者やカード会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、証券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関や公衆電話用のプリペイドカード等がある。
これらはいずれも、経済的、もしくは社会的な価値を有する情報を保持した情報記録体であり、偽造による損害を防止する目的で、記録体そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
また、これら情報記録体以外であっても、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等も偽造され得るものである。また、量産品でも有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等、または、それらに吊り下げられるタグも、偽造の対象となりやすい。
さらに、著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体、またはそれらのケース等も、やはり偽造の対象となり得る。また、プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などにも、偽造による損害を防止する目的で、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。

従来、情報記録体や上記した種々の物品(総称して、真正性識別対象物と言う。)の偽造を防止する目的で、その構造の精密さから、製造上の困難性を有すると言われるホログラムを真正性の識別可能なものとして適用することが多く行なわれている。しかしながら、ホログラムの製造方法自体は知られており、その方法により精密な加工を施すことができることから、ホログラムが単に目視による判定だけのものであるときは、真正なホログラムと偽造されたホログラムとの区別は困難である。
これらの真正性識別対象物、特にラベル形態や転写形態にてホログラム画像を施された物品は、ホログラム画像の目視確認という真正性識別のみでなく、新たな真正性識別方法を用いてその対象物の真正性を識別する必要が生じている。

これらの要求に応えるため、ホログラムに積層して、入射した光の内、左回り偏光もしくは、右回り偏光のいずれか一方の光のみを反射する光選択反射層を有するホログラムシートが提案された。この光選択反射層として、コレステリック液晶を使用し、偏光版等を用いて確認する方法で偽造防止性を高めている。しかしながら、ホログラム形成層上の反射性薄膜層の反射率が高いため、コレステリック液晶層で反射されず透過した光(選択的反射光の補色光)が、この反射性薄膜層で反射し、再びコレステリック液晶層へ戻る(以下戻り光とする)ことにより、この戻り光が、コレステリック液晶を観察する際のノイズ成分となって、選択的反射光に付加・混在し、液晶本来の色調とならず、視認・識別することすら難しくなっていた。
また、コレステリック液晶材料そのものが高価であり、その液晶性能を引き出すためには液晶層に接して、配向膜の形成が不可欠であって煩雑であり、さらには、コレステリック液晶の光散乱性により、ホログラム画像を再生する光がその液晶層を通過するときに画像にボケ・歪みを生じる等の問題があった。
このため、コレステリック液晶層の光散乱性を抑えたり、コレステリック液晶層そのものを薄くする等の工夫が考えられたが、コレステリック液晶層の光散乱性を抑えるために屈折率差を小さくしたり、コレステリック液晶層を薄くしたりすると、上記した光選択反射層としての機能が低下してしまい、ホログラム画像の鮮明性と偽造防止性能を確保する最適な条件を得ることが難しいという欠点を有していた。

課題

位相ホログラムのホログラム形成層、すなわちホログラムレリーフに接するように蛍光層を設け、もしくは、ホログラムレリーフに同調して蛍光層を部分形成して、定められた所定の波長を有する光源の照明下でのみ、ホログラムを視認することができ、しかも、その照明光源と再生されるホログラムとが異なる色調を呈する新規なホログラムシートを提供することである。さらに、このようなホログラムシートはこれまでに存在しないため、新規な装飾性及び、これを応用する偽造防止性を提供することである。

第1の態様

透明基材の一方の面に、ホログラム画像に対応した回折格子群を含むホログラムレリーフを有する透明樹脂層、及び、ホログラムレリーフに接するように蛍光層が設けられているホログラムシートを提供することができる。

第2の態様

蛍光層が、ホログラムレリーフを形成する凹凸に追従して均一な厚さで形成されていることを特徴とするものである。蛍光層が、ホログラムレリーフを形成する凹凸に追従して均一な厚さで形成されているホログラムシートを提供することができる。
ホログラム画像を再生する回折格子群が、ホログラムレリーフとして、透明樹脂層面上に略一平面として形成されており、このレリーフに上に若しくは、このレリーフに追従して均一な厚さで蛍光層が設けられている。
すなわち、ホログラムレリーフは、位相ホログラムとしての位相差をレリーフ形状に現しているが、この位相差を有するレリーフ形状に追従して(沿って)蛍光層が設けられることにより、蛍光層が発する蛍光が、上記位相差を有して(含んで)発することになる。
これは、レリーフホログラムを再生する場合に生じるホイヘンスの2次波に対し、本発明のホログラムシートの場合において、この2次波に相当するものが、ホログラムレリーフ面に配された蛍光体(もしくは、蛍光物質とも呼ぶ。蛍光層の中に含まれている。)の蛍光発光であり、この発光がその役目を担い、ホログラム画像に対応した回折格子群を含むホログラムレリーフが有する位相差を含んで発光光を観察者側に発するものである。
この発光光が、ホログラムレリーフ面上の空間において干渉現象を起こし、その結果、所定の方向に所定のホログラム再生像を発現する。
蛍光体は、紫外線、電子線、X線などのエネルギーを吸収して可視光線として放出する物質であり、例えば、母体となるセラミックス結晶にEu やCe などの発光を担う金属イオンが微量添加した材料等がある。この場合、発光に寄与するは金属イオンであり、外から加えられたエネルギー(紫外線、電子線、X線などや、もちろん可視光線、赤外線等のエネルギー。)を吸収して励起され、その後基底状態に戻る時に発光する。ホスト結晶の格子は金属イオンを取り囲むことによりイオンを化学的に安定化させたり、結晶場や配位環境を整えることにより発光色や発光強度を制御する働きをする。
本発明は、これらの蛍光発光の内、ストークスシフト(Stokes shift)によって可視光領域の発光を起こす蛍光体材料を用いる。もちろん、赤外線の励起による可視光領域の発光を起こすものも用いることができる。

本発明は、ホログラムの照明光源の波長とは異なる波長でホログラムを再生するものであり、例えば、紫外線で照明し、緑色のホログラムを視認することもできるため、観察者の目には、あたかも、通常用いられる緑色の照明光源の無いところに、ホログラムだけが光輝き、空中に浮いているように見え、意匠性にも優れるものとなる。 もちろん、ホログラムを再生可能な光源の波長域が非常に狭いことに起因して、その特定の波長域を知りうる者のみがホログラム再生を果たすことができ、真正性判定用に有用なものとなる。また、上記したストークスシフトの値を知りうる者のみがホログラム再生像の色調を予測でき、その再生波長に調整したバンドパスフィルターを通して覗いて、そのバンドパスフィルターを通過できるホログラムのみが、真正であると判定することもできる。
また、このバンドパスフィルターを通過する角度(回折角度)も、そのストークスシフト量に依存し、やはり、その値を知りうる者のみがその所定の角度で判定を行うことができる。
さらに、蛍光体を複数含めることにより、この再生像は複数の角度に異なる色調で現れることになり、意匠性の面でも、真正性判定の面でもより優れたものとなる。
蛍光発光の原理は、図1に示すジャブロンスキー図にあるように、蛍光体(蛍光色素、蛍光顔料、蛍光染料等を含む。)の基底状態(S0:一重項状態)から光吸収によって第一(S1)、第二(S2)、第三励起状態(S3)・・・のどれかの振動状態に励起された発光体が、無放射過程で非常に速やかに緩和してS1の電子励起状態に移るか、あるいは項間交差によって三重項状態(T1、T2)へ移る。S1の最低振動状態になった蛍光体は、無放射過程によるか蛍光を発して基底状態に戻る。三重項状態になった分子は、無放射過程によるか、リン光を発して基底状態に戻る。

一重項同士の遷移は瞬間的に起こるため、蛍光の半減期は10-4sec以下と短いものである。遷移に要する時間は、10-15secで励起が起こり、その後10-9〜10-7secで蛍光発光が起こるとされている。
一方、三重項から一重項への遷移はスピン変化禁止により禁制遷移となり自発的放出が起こりにくいので、リン光の半減期は大きく、秒単位のものもある。基底状態に戻る際に光を発するか否か、光の強度が強いか弱いか、蛍光寿命が長いか短いかは、その蛍光体物質の分子構造や分子の置かれた環境に大きく依存する。
蛍光体材料の放出光の波長分布を蛍光スペクトルといい、蛍光スペクトルは蛍光の波長に対し相対的な蛍光強度をプロットして作成される。(実際の蛍光スペクトル測定では、波長と 強度が一定に維持された励起光を光源として用い、 蛍光体を取り扱う場合は、放出スペクトルのことを蛍光スペクトルと呼ぶ。)蛍光スペクトルに示される波長(エネルギー)は一次励起状態の最低振動エネルギー準位から基底状態の優先的な振動エネルギー準位までのエネルギー差と等しくなる。
蛍光の振幅が励起状態と基底状態の振幅構造と類似しているなら、最も長波長側の励起の振幅と鏡像関係となり、理論上、蛍光色素が吸収した光エネルギーの波長と蛍光として放出する波長は同じになる。しかし実際にはほとんどの蛍光色素の蛍光スペクトルは長波長(低エネルギー)側にシフトする。励起スペクトルと蛍光スペクトルのピーク波長間の差はストークスシフトと呼ばれ、この波長差は、蛍光放出以前の励起状態の際に放出されたエネルギーが熱エネルギーに変換されたために生じる。

ストークスシフトは蛍光の感度おいて非常に重要であり、蛍光を検出する際、励起光の影響を受けないためバックグラウンドを低くすることができる。
入射光の波長と強度を一定にした場合(例えば、光源として制御されたレーザー光を使用した場合)、放出される蛍光は蛍光物質の量と正比例する。従って、蛍光の強度を一定とするためには、ホログラムレリーフ面に形成する蛍光層の中の蛍光体の量を一定とする必要がある。もちろん、蛍光体の濃度が高い場合には、サチレーションをおこし直線性が失われて一定の強度となったり、蛍光体間の距離が極めて接近し、表面付近だけが励起され、放出蛍光が吸収されてしまうため、本発明の目的である蛍光光の干渉性を十分得るためには、蛍光層の厚さ方向に蛍光体が分散して多く存在するよりも、ホログラムレリーフ面近傍にのみ均一に存在する方が、より高い干渉現象を生じるため、蛍光体の粒径の1〜10倍、さらには1〜3倍とすることが望ましい。蛍光体が染料であり、蛍光層を形成する樹脂に溶解している場合には、その樹脂層を薄く抑える必要がある。また、蛍光染料によって、染着する場合には、ホログラムレリーフを形成している透明樹脂層そのもののレリーフ面のみを染着することにより、上記した目的を達成することもできる。

原理

次に、ホログラフィの原理について説明する。
物体がコヒーレント光で照明され,物体から回折された光が記録媒体(フォトレジスト等。)を照明しているとした場合、物体から回折されて記録面に到達した波面を物体波は、
F(x,y)=A(x,y)EXP[φ(x,y)]
であらわされる。ここで、
A(x,y) は物体波の振幅分布とし、φ(x,y) は位相分布とする。
このとき、記録媒体には、記録媒体に到達する光波の強度分布が記録される。その強度分布は、
I(x,y)=|F(x,y)|2=A2(x,y) (1)
となり、位相分布は記録されない。
ここで,物体波にこれと干渉性のある光波(参照波という)を重ね合わせると,記録される光波の強度分布は、
I(x,y)=|F(x,y)+R(x,y)|2
=|F(x,y)|2+|R(x,y)|2
+F(x,y)R*(x,y)+F*(x,y)R(x,y) (2)
となる.(*は複素共役項を表す。)
ただし,参照光が記録面に角度θで入射する平面波であるとすれば、
R(x,y)=r(x,y)EXP(2πiαx) (3)
と書け、
α = SIN(θ)/λ (4)
である。(2)の第1項と第2項はそれぞれ、物体波の強度と参照波の強度でいずれも位相情報は欠落している。第3項と第4項は干渉の項でそれぞれ
F(x,y)R*(x,y)=A(x,y)r(x,y)EXP[i [φ(x,y)−2παx] ] (5)
F*(x,y)R(x,y)=A(x,y)r(x,y)EXP[−i [φ(x,y)−2παx]] (6)
とあらわされ、物体の位相項 φ(x,y) が残っている。(5)、(6)は互いに複素共役であり、(4.2)の第3項は物体の複素振幅分布を含んでいる。(5)、(6)を(2)に代入すると、
I(x,y)=|F(x,y)|2+|R(x,y)|2+2A(x,y)r(x,y)COS [2παx−φ(x,y)] (7)
となる.物体波と参照波が干渉して干渉縞を形成していることがわかる。
このように、物体波に参照波を重ね合わせて干渉記録し、 物体の位相情報を欠落させずに記録する方法がホログラフィである。(7)を記録したものが「ホログラム」と呼ばれる。ホログラムの振幅透過率もしくは振幅反射率が、記録した強度分布 I(x,y) 比例し、
T(x,y)=τI(x,y) (8)
とかけるとする。このホログラムに、記録したときに用いた参照波を所定の角度であてると、ホログラムを透過もしくは反射してきた波面は、
T(x,y)R(x,y)=τ(|F(x,y)|2+|R(x,y)|2 )+τF(x,y)|R(x,y)|2 +τF*(x,y)R2(x,y) (9)
とあらわすことが出来る.この第2項は
τF(x,y)|R(x,y)|2=τA(x,y)r2(x,y)EXP[iφ(x,y)]] (10) 第3項は、
τF*(x,y)R2(x,y)=τA(x,y)r2(x,y)EXP[−iφ(x,y)+2πiα] (11)
とかける。
このことから、(9)の第1項は、照明光と同じ方向にホログラムを突き抜ける光束もしくは正反射する光束であり、第2項は、(10)より、物体光に比例した振幅を持つ光波であることがわかり、第3項は、(11)より、物体波と共役な位相分布を持ち、2θの方向に伝播する光波であることがわかる。
このようにして,ホログラフィの技術を使うと複素振幅分布を記録して再生することが出来る。
本発明の場合は、ホログラムの振幅透過率もしくは振幅反射率が、記録した強度分布に比例し、(8)の式で表されてはいるものの、このホログラムに、記録したときに用いた参照波を所定の角度であてるのではなく、(8)の振幅透過率もしくは振幅反射率と同様の空間的な分布を持つ発光波がこのホログラムから発せられることになる。
従って、参照光にホログラムに記録された位相項を付与するという従来のホログラム再生の原理によらず、既にホログラムに記録されている位相項を保持して発光波を放射するものである。従って、理論上は、物体の位相差を含む空間関数を持つ3次元の連続曲面状の発光面を有し、その1曲面から光が放射されることになる。
従来のホログラム再生原理を透過タイプについて、単純化して説明すると、参照光としての平行光をホログラムにあてた際、遮蔽部分では、平行光が遮蔽され、透過部分からのみその平行光を透過し、透過部分と遮蔽部分との境界において回折が起こり、物体の持つ位相項を受け取り、ホログラムを透過した成分全体が重ね合わさり、それがホログラム再生光となって観察者の目に届くものである。
本発明の場合は、上記した参照光としての平行光が存在せず、ホログラムレリーフに接するように設けられた発光面での発光時、その放射光が物体の位相項を保持しており、その放射光同士の干渉現象により、ホログラム再生がなされるものである。 時間的且つ空間的コヒーレンス性を持たない放射光同士の干渉効果は、レーザー光のような十分な干渉を生じないが、低コヒーレント光で ホログラムを照明した際と同様のレベルでホログラム再生が行われる。以上のような原理による再生であるため、ホログラム撮影時の参照光は平行光であることが好ましく(複雑な参照光を再現できないため。)、もしくは、「回折格子により表現されたホログラム」(回折格子は、物体光、参照光とも平行光である。)であることが好ましく、回折格子は計算機ホログラム等、電子線描画により形成したものが精密であり、好適である。
さらに、上記の理由から、ホログラム再生像をより鮮明にするためには、放射光に、時間的若しくは空間的なコヒーレンス性に類する特性を付与することが必要であり、例えば、発光体の発光面の厚さを薄いものとしたり、発光波長の幅を狭くすることが望ましい。さらに、励起光源も小さい形状であることが好ましく、スポット形状等が特に好適である。
また、発光体を励起する励起光と、発光波長との波長差は大きい方が望ましく、さらに、観察時、その励起光をフィルタリングして発光光のみを増幅することも有効である。
励起光源として、紫外線、可視光線、電子線、X線等のエネルギー及び場合に応じて、赤外線エネルギーを放射可能な光源を用いて、蛍光発光等をさせることができるが、ホログラム観察用さらには、ホログラム認証用に用いるためには、蛍光体に応じた光源を用いる必要があり、所定の強度、波長、さらには照明スポットのサイズを有する紫外線光源、可視光光源、場合により赤外光光源を用いる。
これらの光源による照明により、ホログラムレリーフ面に接するように設けられた蛍光層から、さらに言及すれば、その蛍光層に含まれる蛍光体から個々に、照明光源の波長とは異なる波長の蛍光等が発現する。その蛍光発光等が、ホログラムレリーフと同一の空間的位相を含み、且つ、照明光源とは異なる波長(蛍光波長。)を有することから、ホログラムレリーフによる正反射光(0次回折光)方向や、照明光波長(励起光波長)による回折方向とは異なる方向、すなわち、蛍光波長による回折方向へホログラム像の再生が行われる。
但し、この蛍光層の厚さが、ホログラムレリーフとは無関係にそのホログラム面上に分布している場合には、その厚さ分布に起因する蛍光発光強度分布が、場合によっては、ホログラムを再生する光と不要な干渉を生じ、ホログラム再生像を不鮮明にする要因となり得る。
この要因を排除するため、蛍光層を、ホログラムレリーフを形成する凹凸に追従して均一な厚さで形成して、ホログラムレリーフ面のどの位置からも、同一の強度の発光が生じるようにし、ホログラム再生像の鮮明化を図ることができる。
本発明のホログラムシートの照明光(励起光)として、可視光以外の紫外光や赤外光を使用した場合は、その光は観察者には見えず、あたかも照明光のないところからホログラム再生像が浮き上がっているように観察されるが、このホログラム再生像は、例え、照明光が、時間的・空間的なコヒーレント性を有していても、結果として、励起・蛍光というプロセスを経て発光するものであるため、その発光時の空間的なホログラムの位相を含んではいるとはいえ、その発光光同士の時間的及び空間的なコヒーレント性は小さく、ホログラム再生像は通常のレーザー再生レリーフホログラムの再生像より微弱であって且つ不鮮明となっている。
もちろん、ビーム形状の回折光を観察するのみであれば、その色調と回折方向を確認することは容易であり、そのままでも真正性の判定に差し支えないが、このため、この微弱且つ不鮮明なホログラム再生像を観察者が認識しその存在を正確に判定可能とするために、蛍光体の発光性能を向上させ、且つ、回折角度を大きくとって波長―回折角依存性を強め、照明光回折角度と蛍光光回折角度の差を大きくし、さらには、蛍光層を薄くして、蛍光層厚さ方向のばらつきを抑え且つ均一なものとすることが必要となる。(発光面が位相情報を含んでいるため、その空間的な形状を正確に再現するものとする。)
さらには、時間的なコヒーレント性を発現するため、光源として10-15sec以下のパルスレーザーで励起して、パルスとパルスの時間的間隔を蛍光発光時間である10-7sec以上あけて照明することも好適である。これにより、一つの励起パルスによって生じた一つの蛍光発光の発光面が、次の励起パルスによって生じた蛍光発光面とは、互いに撹乱現象を起こさず、一つのパルスによって発現した一つの蛍光発光面によって生じるホログラフィックな干渉現象により、鮮明なホログラム再生像を観察することができるようになる。もちろん、単純に秒単位でON−OFFするストロボ状の光源を使用した場合でも、観察者には、連続して発光しているようにも見えるため、このような簡易な手段であっても目視で確認する場合には、上記した効果を十分得ることができる。
蛍光層は、蛍光体を樹脂に混入させたり、溶剤(若しくは水)に分散させたりした蛍光体インキを、グラビア方式、オフセット方式、シルクスクリーン方式、ノズルコート方式さらにはインクジェット方式等でホログラムレリーフ上に形成することができる。
このとき、蛍光インキ中の蛍光体の含有割合を調整する等により、形成した蛍光層を、ホログラムレリーフを形成する凹凸に追従して均一な厚さで形成することができる。
ホログラムレリーフの凹凸は例えれば、1μmレベルの周期で、深さ0.01μmレベルの凹凸を持つ、ゆるやかな曲線であって略平面と見做せるため、この略平面上に適宜な粘度(0.1〜10パスカル・秒)に調整し、インキの自重によるレベリング効果を発揮させることと、インキ中の固形分を20%以下、さらには10%以下とすることで、例えば、厚さ1μmに対して、そのばらつきを1/10以下に、さらには1/20以下に抑えることができる。
ここで、蛍光層を1μmオーダーとしたが、ホログラム再生像の鮮明度を向上させるためには、蛍光層を薄くすることが好ましく、このためには、蛍光体のサイズを1.0μm程度もしくはそれ以下、例えば0.1μm〜0.5μm、さらには、0.5μm〜0.1μm、より好適には、3〜10nmとし、ホログラムレリーフ面内に均一に点在させ、且つ、蛍光層厚さ方向には、蛍光体1粒子を単位として1〜10粒子、もしくは1〜3粒子以内で並んでいる状態とすることが好ましい。
中でも、ノズルコート方式やインクジェット方式は樹脂を使用せず溶剤等と蛍光体のみで形成可能であり、蛍光層として非常に薄く形成(蛍光体1個分〜3個分等。)することができるため好適である。その上にそれらの蛍光体を固定するために樹脂を形成してもよい。

第3の態様

前記蛍光層が、前記ホログラムレリーフを形成する凹凸の凹部にのみ形成されていることを特徴とするものである。
上記第3の態様のホログラムシートによれば、前記蛍光層が、前記ホログラムレリーフを形成する凹凸の凹部にのみ形成されている請求項1記載のホログラムシートが提供される。
ホログラムレリーフは、周期1μm程度で、深さは、0.01μm、最大でも0.5μmの凹凸形状をしており、この凹部にのみ蛍光層を設けることで、ホログラムレリーフの周期に同調するかたちで、蛍光層の有無、すなわち、蛍光発光の有無を設けることができる。
ホログラムレリーフの凹部とは、ホログラムレリーフ上に蛍光層を形成する際の凹部であって、通常の観察の仕方、すなわち、ホログラム形成層側から観察する場合には、凸部側となる。蛍光層の有無を利用して発光強度分布を形成するためには、凹凸どちらかに部分的に形成すればよく、さらには、凹部全体を蛍光層で埋めてもよく、もしくは、凹部の最低部のほんの一部のみに形成してもよい。但し、その位相分布と形成する分布が同調する必要があるため、一部に形成する場合は、常に同一の位置に同一の蛍光体量を持って形成しなければならない。
凹部に選択的に蛍光層を形成する方法としては、溶剤等に分散した粒径の非常に小さい蛍光体(粒径が10nm等。樹脂を含まない。)インキを使用して、ホログラムレリーフの上に蛍光インキ層を形成し、溶剤が揮発する間に、蛍光体粒子が自重で凸部から凹部へと移動するようにしても良い。
また、規則的な回折格子を設け、その上に均一に設けた蛍光層をフォトリソグラフィーを用いて、その規則的な回折格子に同調させて露光現像、エッチングすることにより、凹凸と蛍光層を同調して設けることもできる。この方法によると、各凹部に点在する蛍光層の厚さや大きさを制御可能であり、レリーフ面全体に、いわば"均一に"形成することができる。
以上の手法により形成したものは、上記のホログラムの原理において説明した、蛍光発光(放射光)にホログラムレリーフの位相情報を含ませること、に加え、その位相情報に同調した振幅情報をさらに含ませるものである。
従って、発光放射光に位相ホログラムと振幅ホログラムの両方のホログラム情報を含ませることができ、より鮮明なホログラムを得ることが可能となる。これにより、その意匠性及び真正性判定性を向上することができる。

第4の態様

前記蛍光層の厚さが、0.01μm以上0.5μm以下であることを特徴とするものである。
上記第4の態様のホログラムシートによれば、前記蛍光層の厚さが、0.01μm以上0.5μm以下である請求項2または3記載のホログラムシートが提供される。
上記したホログラムの原理より、ホログラム再生像の線明度を高めるためには、蛍光層の厚さは薄いことが望ましいが、薄くすればするほど、ホログラム再生時の蛍光発光強度が弱くなるため、蛍光層厚さは、0.003μm以上1.0μm以下である必要があり、さらには、0.01μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
0.003μm未満(最小粒径の蛍光体1個分)では、蛍光発光強度が弱すぎて、光電子倍増管を用いて増幅したとしても、迷光等のノイズとの区別がつきにくく、1.0μmを超えると、発光強度は本発明の目的には十分な強度を得ることが可能であるが、厚さ方向に複数存在する蛍光体の発光により、ホログラムレリーフの位相情報を担う曲面の位置がその厚み方向に複数存在することになり、結果としてホログラム再生像が不鮮明となる。
これに対して、0.01μm以上(最小粒径の蛍光体3個分)として蛍光発光強度を確保し、0.5μm以下として、位相情報を担う曲面の位置を明確にして、ホログラム再生像を鮮明なものとする。
前記蛍光層の厚さが、0.01μm以上0.5μm以下であることを特徴とするものである。
上記第4の態様のホログラムシートによれば、前記蛍光層の厚さが、0.01μm以上0.5μm以下である請求項2または3記載のホログラムシートが提供される。
上記したホログラムの原理より、ホログラム再生像の線明度を高めるためには、蛍光層の厚さは薄いことが望ましいが、薄くすればするほど、ホログラム再生時の蛍光発光強度が弱くなるため、蛍光層厚さは、0.003μm以上1.0μm以下である必要があり、さらには、0.01μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
0.003μm未満(最小粒径の蛍光体1個分)では、蛍光発光強度が弱すぎて、光電子倍増管を用いて増幅したとしても、迷光等のノイズとの区別がつきにくく、1.0μmを超えると、発光強度は本発明の目的には十分な強度を得ることが可能であるが、厚さ方向に複数存在する蛍光体の発光により、ホログラムレリーフの位相情報を担う曲面の位置がその厚み方向に複数存在することになり、結果としてホログラム再生像が不鮮明となる。
これに対して、0.01μm以上(最小粒径の蛍光体3個分)として蛍光発光強度を確保し、0.5μm以下として、位相情報を担う曲面の位置を明確にして、ホログラム再生像を鮮明なものとする。

fig.2fig.3

【符号の説明】
A、A´ ホログラムシート 1 透明基材 2 ホログラムレリーフを有する透明樹脂層(ホログラム形成層) 3 蛍光層(連続的な形成若しくは部分形成) 4 観察状態の例示:可視光線(照明光) 5 同上 :再生像なし 6 同上 :紫外線(照明光) 7 同上 :緑色の再生像





ホログラムシート製造方法/ホログラムシート

特開2008-32829 の場合

本発明は、ホログラムシートの製造方法およびホログラムシートに関する。さらに詳しくは、押出成形機から押し出された溶融状態の押出コーテイング樹脂層を設けた基材シートのその押出コーテイング樹脂層表面に、エンボスホログラムスタンパを装着したロールを押圧してホログラムをエンボスして得られる押出成形加工により、然も、光反射層を必要とせず、したがってその光反射層を形成する金属蒸着を施す工程を必要としない、製造効率および装飾効果に優れる、安価な、ホログラムシートの製造方法およびその製造方法によって得られるホログラムシートに関するものである。

fig.1
fig.3fig.4

【符号の説明】
1、4、20、24押出機本体 2、2′・基材シート 5、21、25T−ダイ 6、6′、26押し出された溶融状態のフィルム状押出コーティング樹脂層 6a押出コーティングホログラム層 6b押出コーティングホログラム下地層 7、27冷却ロール 8、28エンボススタンパ 9、29ニップロール 10,10′、30,30′引き取りロール 11、31ホログラムシート 12、32巻き取りロール 22押し出された溶融状態の基材シート 40、50ホログラムシート 41ホログラム層 41a微細な凹凸形状 42ホログラム下地層 42a反射を伴う高光沢性顔料 43基材シート 53基材シート層

課題

従来から、ホログラムを外観の装飾効果を狙って、雑誌、単行本などの本の表紙、パンフレット、カレンダー、レコードジャケット、紙製・プラスチック製のパッケージ、衣類などに設けることが試みられている。
多くの場合、ホログラムとしてはプラスチック基材にアルミニウム蒸着などの金属薄膜層を光反射層を設けた後、その表面にエンボス法により微細な凹凸形状を設けるか、または、プラスチック基材に加熱加圧プレス法などによるエンボスにより微細な凹凸形状を設けた後、アルミニウム蒸着などの金属薄膜層を光反射層として設けたものが使用されている。このようなホログラムでは、ホログラム全体の色彩は金属薄膜層によって決まってしまい、通常はアルミニウムを用いることから銀灰色に限られてしまうために、特に、装飾効果が要求される場合はその色彩がそぐわない問題があった。
また、光反射層として設けるアルミニウム蒸着工程を伴うために、製造効率、コスト面での問題やアルミニウム蒸着膜の変動(厚薄)によりホログラムの品質上の不具合いが生ずる問題などがあった。さらに、ホログラムとして、加熱加圧プレス法などによるエンボスにより微細な凹凸形状を形成してホログラムシートを製造する方法は、極めて製造効率が悪いという問題があった。
一方、エンボスホログラムスタンパを押出成形機の冷却ロールに装着し、押し出された溶融状態の樹脂に押圧してホログラムシートを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2など)。この方法によれば、極めて高速度で能率良くホログラムをエンボスすることが可能である。
しかしながら、エンボス後、その表面に光反射層として金属蒸着膜を設ける工程を必要とすることから、ホログラムシートの製造方法としては製造効率に問題がある。そして、エンボス表面に光反射層として金属蒸着膜を設ける場合、樹脂と金属との接着が弱かったり、また、この接着を向上させるためのプライマーコーティング、化学薬品処理等の湿式処理は、ホログラムの微細な凹凸を消失させるために行うことができず、さらに、樹脂表面にコロナ放電処理、グロー放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の乾式の表面処理を行う方法では接着性の経時劣化などの問題があった。

最良の形態

図1は、本発明のホログラムシートの製造方法の一例を説明する概略工程図である。図2は、本発明のホログラムシートの製造方法の他の例を説明する概略工程図である。図3は、本発明のホログラムシートの製造方法によって製造されるホログラムシートの構成の一例を示すホログラムシートの模式断面図である。図4は、本発明のホログラムシートの製造方法によって製造されるホログラムシートの構成の他の例を示すホログラムシートの模式断面図である。
本発明のホログラムシートの製造方法の一例を図1で説明する。図1において、基材シート巻き出しロール(1)から巻き出される基材シート(2)上に、押出成形機(4)から押し出された溶融状態の樹脂層として、ホログラムシートの表面ホログラム層となる透明樹脂層(6a)とホログラム下地層となる反射を伴う高光沢性の顔料が添加されている樹脂層(6b)とからなる2層構成の押出コーティング樹脂層(6)を、冷却ロール(7)とニップロール(9)間で押出コーティングするとともに、冷却ロール(7)にエンボスホログラム形成用スタンパ版(8)を装着したロールにて前記透明樹脂層を押圧して、前記スタンパ表面の微細なホログラム凹凸形状を賦形し、エンボスホログラムを形成したホログラムシート(11)を、一対の引き取りロール(10,10′)で引き取られて巻き取りロール(12)で巻き取られるホログラムシートの製造方法である。
上記で製造されたホログラムシートの概略断面図を図3で示すように、基材シート(43)[上記製造方法で説明した基材シート(2)に相当]上に、反射を伴う高光沢性の顔料(42a)が添加されている樹脂からなるホログラム下地層(42)[上記製造方法で説明したホログラム下地層(6b)に相当]と表面に微細なホログラム凹凸形状(41a)が形成されたホログラム層(41)[上記製造方法で説明したホログラム層(6a)に相当]がこの順に積層されたホログラムシート(40)が得られる。 【0021】 そして、このホログラムシート(40)は、見る角度により色相が変化する反射を伴う高光沢性の顔料を含む樹脂層をホログラム下地層として設けることで、下地層からの反射光がホログラム層での屈折を介して、任意の干渉色が発現できる極めてホログラムの装飾効果が高いホログラムシートである。 【0022】 また、本発明のホログラムシートの製造方法の他の例として、図2で示すように、第1の押出成形機(20)から一対の金属ロール(23,23′)を介して押し出される溶融状態の基材シート(22)上に、第2の押出成形機(24)から溶融状態の樹脂層として、ホログラムシートの表面ホログラム層となる透明樹脂層(26a)とホログラム下地層となる反射を伴う高光沢性の顔料が添加されている樹脂層(26b)とからなる2層構成のを押出コーティング樹脂層(26)を押出コーティングするとともに、冷却ロール(27)とニップロール(29)間で、シート成形すると同時に、冷却ロール(27)にエンボスホログラム形成用スタンパ(28)を装着したロールにて前記透明樹脂層を押圧して、前記スタンパ表面の微細なホログラム凹凸形状を賦形し、エンボスホログラムを形成したホログラムシート(34)を、一対の引き取りロール(30,30′)で引き取られて巻き取りロール(31)で巻き取られるホログラムシートの製造方法である。 【0023】 上記で製造されたホログラムシートは、図3で示すホログラムシートと同様の構成のものものが得られる。 【0024】 さらに、本発明のホログラムシートの製造方法の別の例を図1で説明すると、図1で示す基材シートとして、金属蒸着フィルムまたは偏光フィルムを用い、この基材シート(2′)上に、押出成形機(4)から押し出された溶融状態の樹脂層として、ホログラムシートの表面ホログラム層となる透明樹脂を押出コーティングするとともに、冷却ロール(7)にエンボスホログラム形成用スタンパ(8)を装着したロールにて前記ホログラム層となる透明樹脂層(6a)1層の押出コーティング樹脂層(6′)を押圧して、前記スタンパ表面の微細なホログラム凹凸形状を賦形し、エンボスホログラムを形成したホログラムシート(11′)を、一対の引き取りロール(10,10′)で引き取られて巻き取りロール(12)で巻き取られるホログラムシートの製造方法である。 【0025】 上記で製造されたホログラムシートの概略断面図を図4で示すように、基材シート(53)[上記製造方法で説明した基材シート(2′)に相当]上に、透明樹脂層表面に微細なホログラム凹凸形状(51a)が形成されたホログラム層(51)[上記製造方法で説明したホログラム層(6a)に相当]が積層されたホログラムシート(50)が得られる。 【0026】 そして、このホログラムシート(50)は、基材シートの金属蒸着フィルムまたは偏光フィルムがホログラム下地層としての機能を兼ね備え、基材シートからの反射光がホログラム層での屈折を介して、任意の干渉色が発現できる極めてホログラムの装飾効果が高いホログラムシートである。
上記の本発明のホログラムシートの製造方法において、ホログラム層(6a,26a)の厚さは5〜20μmの範囲、ホログラム下地層(6b,26b)の厚さは10〜30μmの範囲が望ましい。また、反射を伴う高光沢性の顔料の平均粒径は、粒子の長辺方向で1μm以下が望ましい。

上記の本発明のホログラムシートの製造方法において使用する基材シートを押し出す押出成形機(20)および押出コーティングする押出成形機(4,24)、T−ダイ(5,25)は特に制限がなく、通常の樹脂シート成形用押出成形機を使用することができる。
また、本発明で使用するエンボスホログラム形成用スタンパ(8,28)としては、薄い金属製のものであり、その製造工程の一例を以下に説明する。
まず、レーザー光による二光束干渉など既知の方法により、感光性樹脂上に干渉縞を凹凸形状で記録する。次いで、前記凹凸表面にAu、Ag、Ni等を蒸着し、これを電極としてNiメッキを行なって、厚さ数百μm程度のNiメッキ層を形成した後、剥離することにより原版を得る。次いで、前記原版の表面に剥離処理を施し、この原版を基にして、複数回Niメッキの形成・剥離を繰り返すことによって、約700〜1500本/mm、深さ約0.1〜1.0μm程度の微細な凹凸形状を有するスタンパが得られる。
上記の本発明のホログラムシートの製造方法において、冷却ロール(7,27)にエンボスホログラムスタンパ(8,28)を装着させる方法としては、耐熱性の接着剤で固定する方法、物理的にビス止めで固定する方法、磁石を利用し固定する方法、真空吸着による固定する方法等いずれの方法でも可能である。
また、上記の本発明のホログラムシートの製造方法において、冷却ロール(7,27)は、エンボスしたホログラム層を速やかに冷却して、エンボスの消失と歪みを防ぐ機能を有する必要がある。例えば、冷却水を内部に循環する流路を有する金属性のロールが使用できる。
また、上記の本発明のホログラムシートの製造方法において、ニップロール(9,29)は、溶融状態の樹脂に十分な圧力で押圧するために、表面がウレタンまたはシリコン等の弾性体からなるロールが望ましい。
本発明で用いられる基材シート(2)として用いる樹脂シートは、任意に選択することができる。例えば、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、セロファン等の樹脂シートが使用できる。未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等任意に選択して使用することができる。

上記の樹脂シートの中でも、特に、延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリプロピレン(OPP)が好ましい。
上記の樹脂シートの押出コーティングする表面に、必要に応じて適宜、コロナ放電処理、グロー放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の表面処理を行うことができる。
また、基材シートとして紙質基材を用いることもできる。紙質基材としては、用途に応じて幅広い範囲での選択が可能であるが、基材の平滑性が悪い場合、ホログラムのエンボス成形性に影響を与える可能性があるため、コート紙、アート紙、キャストコート紙等平滑性の良い紙の使用が望ましい。
また、本発明で用いられる基材シート(2′)としての金属蒸着フィルムは、この金属としては、表面反射率の高いものが望ましく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、錫等およびこれらの金属を含む合金が使用できる。
また、透明な無機酸化物からなる蒸着フィルムを用いることもできる。例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物などの無機酸化物からなる蒸着フィルムを挙げることができる。
上記の蒸着は、通常、真空蒸着法により形成することができる。真空蒸着法による加熱手段としては、電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘電加熱方式が好ましい。上記の透明な無機酸化物からなる蒸着フィルムの場合は、薄膜と基材との密着性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を向上させるために蒸着の際、酸素ガスなどを吹き込んだりする反応蒸着を行うこともできる。
また、本発明で用いられる基材シート(2′)としての偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール系フィルム、エチレンビニルアルコール系フィルム、セルロース系フィルムポリカーボネート系フィルムが挙げられるが、特に、加工性の点でポリビニルアルコール系樹脂の偏光フィルムが好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂の偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を水または有機溶媒に溶解した原液を流延成膜して、延伸してヨウ素染色するか、延伸と染色を同時に行うかヨウ素染色して延伸した後、ホウ素化合物処理する方法などで製造される。

また、本発明において基材シートとして押出成型機で溶融状態で押し出す場合の基材シートの樹脂材料は、例えば、具体的には、任意に選択することができる。例えば、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。
さらに、本発明において押出コーティングに用いられる樹脂材料は、例えば、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ一樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。
上記の樹脂材料の中でも、特に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−メタクリル酸共重合体のカルボキシル基を金属イオンで架橋したアイオノマ一(IO)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)などが好適に用いられる。
本発明で用いられる反射を伴う高光沢性の顔料としては、パール顔料、偏光パール顔料、偏光蒸着顔料、アルミニウムフレーク、蒸着アルミニウムフレークなどが挙げられる。粒子の大きさとしては、粒子の長辺方向が10μm以下のものが好ましい。
ここで、反射を伴う高光沢性の顔料とは、見る角度によって色相が変化する顔料であり、また、偏光蒸着顔料とは、偏光蒸着加工を施された顔料であって、偏光蒸着とは、プリズムの色分け原理を利用したもので、誘電体の多層膜を成膜することにより、見る角度によって異なる色を強調することのできる反射透過膜を形成したものである。例えば、顔料の表面に反射膜、光の屈折率が異なる複数の透明層を順次形成し、透明被覆膜を設けたものが挙げられる。

以上、説明したように、本発明のホログラムシートの製造方法によれば、アルミニウムなどの金属蒸着などを施すホログラム光反射層を設ける必要がなく、押出成形加工によりホログラムを形成するものであるから、生産効率が格段に優れ、押出成形技術による厚み制御が容易に行うことができホログラム層の厚みを必要最小限に抑えることができる、安価で、経済的であるだけでなく、パール顔料、偏光パール顔料、偏光蒸着顔料、アルミニウムフレーク、蒸着アルミニウムフレークなどの反射を伴う高光沢性の顔料を含有するホログラム下地層からの反射光がホログラム層での屈折を介して、任意の干渉色が発現できる極めてホログラムの装飾効果が極めて高い、ホログラムシートの製造方法を提供できる。




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