【ダ】


だに、ダニ

ダニは、節足動物門鋏角亜門クモ綱ダニ目に属する動物の総称。世界で約2万種。比較的小型のものが多く、多くのものは1mm以下程度。非常に多様性に富み、様々な面で人間生活にも関わりがある。動物について吸血するものがイメージとして強いため、転じて人間社会の中で、他人の稼ぎを巻き上げて生活するものなどに「社会のダニ」というなどの使い方をすることがある。クモ綱全体に共通する体制として、体は前体部(頭胸部)と後体部(腹部)に分かれ、頭胸部には4対の歩脚と1対の触肢、口部には鋏角がある。ダニ類も本来はこのような前後の体部を持つもので、腹部の後ろには尾がない。形態はずんぐりした幅広いものが多いが、細長くなったものもある。ただしダニの場合、前体部と後体部は密着しており、それを含んで体節は互いに癒合が著しい。原始的なアシナガダニ類を除いて腹部は体節に分かれない。フシダニ、ニキビダニは一見体節に見える環節があるが、二次的なものである。前体部と後体部が区別できるものもあるが、はっきり区別できない例が多く、そのためにダニ類独自の体の区分名がある。

種類

ダニには実に多様な生活をする種が含まれ、 ひとくくりに説明するのは難しい。その多様性は、生活環境の範囲で言えば、ダニ目だけで昆虫綱全体に匹敵するほどである。最も広く知られているのはヒトの血液などの体液を吸う虫としての存在であろう。ヒトの体液を吸うダニには大きく分けて二つの仲間がある。

生息環境

先に述べたように、ダニは様々な生活をするものがあるので、その生息環境は極めて幅広い。地上、土壌中、樹上、他の動植物の体の上、それぞれに様々なダニが生息している。上記のように、人間との関わりから見てもそれは非常に多岐にわたるが、実際には人間とほとんど関わりを持たない種が多数存在し、多くの種が様々な環境でより小さな動物を捕食して生活している。土壌中のササラダニは、落ち葉をかじる分解者である。土壌中では個体数が多く、一説には陸上で最も個体数の多い節足動物であり、土壌動物として重要な位置を占める。淡水中にはミズダニ類がおり、水中を泳いでミジンコなどを捕食する。水底で落ち葉を食うダニもいる。海水中に生息するダニもいるが、そう多くない。ハダニ類は糸を出してタンポポの種子のように空を飛ぶので、空中からも発見される。


ダニ感染症で死亡、新たに2例 12年秋、愛媛・宮崎

ダニの害

直接に人間を攻撃するダニ、農業害虫、食品(小麦粉等)につくもの、糞などがハウスダストとしてアレルギー性疾患のアレルゲンになりうるものなど、人との関わりは深い。
ツツガムシは、本来はノネズミを攻撃するものだが、まれに人間につくこともあり、その際、ツツガムシ病を媒介する。これ以外にもダニによって媒介される病気がいくつかある(ライム病、回帰熱の一部、ロッキー山紅斑熱など)他、ニュージーランドでは現地に住む男性の耳の中でダニがおよそ100匹繁殖していたと言う例もある。
吸血性のダニは、家畜にもつく。また、ダニが媒介する家畜の病気も存在する。
利用の面では、ハダニを防除するために、ハダニを攻撃するカブリダニがいるので、これを生物農薬として利用している例などがある。
また、ヨーロッパではチーズダニがチーズの熟成のために利用される。(ミモレット、エダムチーズ等)
ダニ類を駆除するために用いる薬剤を殺ダニ剤という。
人がダニに血を吸われた場合は無理やり引き抜くとダニの頭部が残り、化膿などを引き起こすことがある。このため、無理やり引き抜かずにそのまま専門医の治療を受ける。

ダニに関係する病気

ツツガムシ病・・ツツガムシリケッチアの感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつであり、野ネズミなどに寄生するダニの一群であるツツガムシが媒介する。日本でも毎年死者がでる。
ライム病・・・ノネズミやシカ、野鳥などを保菌動物とし、マダニ科マダニ属のシュルツェマダニ(日本以外では、Ixodes ricinus(ユーラシア大陸)、Ixodes scapularis、Ixodes pacificus (北アメリカ大陸)群のマダニ)に媒介されるスピロヘータの一種、「ボレリア」 の感染によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつ。感染症法における四類感染症。
日本紅斑熱・・・ダニに刺されて日本紅斑熱リケッチアに感染することで高熱や赤い斑点、刺し傷が体にできる。1984年に徳島県で発見された新興感染症であり、2009年までの5年間に470人が発症、06年と08年には死者が出た[5]。1999年から感染症法4類感染症。
2007年から中国でブニヤウイルス科のウイルスをダニが媒介した病気により、30人以上死亡したと言われる。(中国での血小板減少症候群の流行) ロッキー山紅斑熱・・・1906年リケッツにより発見された初めてのリケッチア。マダニにより感染する。世界中に分布する。

マダニによる病気

日本紅斑熱:感染したときの症状は、かゆみのない発疹や発熱などがある。この時点で病院に行けば大事には至らないが、放っておくと最終的には高熱を発し、そのまま倒れてしまうことがある。治療は点滴と抗生物質の投与。

Q熱:治療が遅れると死に至る上、一度でも重症化すると治っても予後は良くない。山などに行った後に、皮膚などに違和感を覚えたり、風邪のような症状を覚えたら、これらの病気を疑うべきである。咬傷が見当たらなくても、医師にキャンプやハイキングなどに行ったと伝えておけば、診断しやすくなる。1)

ライム病(Lyme disease、ライムボレリア症 (Lyme borreliosis) )は、ノネズミやシカ、野鳥などを保菌動物とし、マダニ科マダニ属 Ixodes ricinus 群のマダニに媒介されるスピロヘータの一種、ボレリア Borrelia の感染によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつ。

2013年、重症熱性血小板減少症候群を引き起こすSFTSウイルスに感染し死亡する事例が国内で初めて発表された。症状は発熱、嘔吐、下痢などが現れる。マダニの一種にかまれ感染したと見られており、今後とも注意が必要である。

脚注及びリンク



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