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【マ】

(衛生)マスク
マダニ
マテリアル
麻薬

(衛生)マスク

 マスクはその用途により、「医療用マスク」「産業用マスク」「家庭用マスク」の3 種類にわけられます。わたしたちの生活に最も馴染み深いのが、カゼや花粉対策として薬局やスーパーなどで売られている「家庭用マスク」でしょう。カゼ、花粉対策や防寒・保湿などの目的で日常に使われるマスクです。素材や形状、サイズなども豊富で、フィルター性能と通気性のバランスがよいため、長時間に渡り、快適に使用できるのも特徴です。
 薬局では、毎年秋口や春先に多くの風邪予防や花粉症予防マスクの新製品が発売されます。私たちにとって、安価で身近な存在の「マスク」は、実は最新の繊維技術を駆使して作られています。
 「家庭用マスク」は、マスク性能を大きく左右するフィルター部分の素材により、「ガーゼタイプ」と「不織布タイプ」に2種類にわけられます。ガーゼは「家庭用マスク」として古くから使われている素材で保湿効果の面でも優れています。「医療用マスク」の素材として一般的だった不織布は、近年の花粉症流行により急激に普及。現在は、家庭用マスク総生産数の9割以上を占めています。
 マスクの形状は、大きく分けて3 つのタイプがあります。1つ目は、マスクの代名詞ともいえる平面的な「平型マスク」。2つ目は、立体的になるプリーツ構造を採用した「プリーツ型マスク」。そして3 つ目が、顔のラインに沿った形状で密着性を高めた「立体型マスク」です。 形状や素材の利点を活かしたこれらのマスクには、それぞれに多くの特徴があります。使用目的はもちろんのこと、付け心地や顔との密着性などを考慮したマスク選びをすることで、捕集や飛散防止といったマスクの効果を格段に高めることができます。


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特集:曇り防止マスク

 便利になった衛生マスクですが、困ったことに眼鏡をかけていると、吐息が上部から漏れて眼鏡を曇らせてしまします。市販品でそれに対応したものが見受けられないので新規考案されたものがないか調べてみました。
 この場合の基本的な考え方として、(1)衛生マスクと接触部との密着する力(Fcont)がマスク内側内圧(Pin)より充分に大きいことと(2)マスクエレメントの通気抵抗(ΔPelem)の大きさに大きく依存し次の条件次第で呼吸漏れが生じるものと考えます。

          Fcont > Pin            ・・・(1)
         ΔP elem ∝ P in           ・・・(2)

 実際には、前者の接触圧力(=密着力)は、耳かけとの張力を主要因として、顔との間の隙間の有無や状態、マスク素材や形状が関係するでしょうし、後者では除塵・除菌捕集に使われる不織布などのフィルタ材の設計にかかわり、機能能力を高めれば、普通にはΔP elemは大きくなるでしょう。
 それ以外に、眼鏡そのものに曇り止めを施すという根本的なものもあります。大きな括りで考えればこの三点にどのようにアプローチするのかが知恵の絞りどころとなります。


新規考案

基本設計について

 マスクの機能は、外部から吸い込まれるアレルゲンとなる花粉、ダニ、ハウスダスト、車の排気塵、病原菌、ウイルスなど有害異物を除去することです。さまざまなサイズ、形状、飛散状況、作業環境があり、到底1枚の不織布シート物等で除去対応できるないと考えるのが常識にそった考え方です。つまり、異物からのバリヤ性能だけを高めると、通気度の著しい低下を招き、息苦しさを伴ない、バリヤ性と呼吸性のバランスを用途ごとに取れるものでなければならないというのが主機能です。下記の図は「立体形マスク 」(特開2007-054381)の説明図の一部です。


【符号の説明】1 マスク 2 顔面覆い部 3 耳かけ部 4 襟部 5 リブ 6 プリーツ 10、11、12 エンボスライン 21、22 顔面覆い部の下辺、上辺 21'、21"、22'、22" V字斜辺 23、24 接合部 31 耳かけ穴 41 襟部基底エンボスライン 42 襟部上辺半円欠き部


 その実施の一例を参考に紹介します。
 連続一枚の不織布基材として、ポリエチレン/ポリウレタン芯鞘繊維からなり、目付け重量が50g/m2の伸縮性スパンボンド不織布(LINOTEC DEVELOPMENT GMBH社製)を用いて、マスク原形を打抜き、顔面覆い部2に、内層不織布として、目付け重量20g/m2、通気度39cc/cm2/secの帯電処理を施したポリプロピレン製メルトブロー不織布を積層し、最内層不織布として、目付け重量35g/m2のポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘短繊維でサーマルボンド不織布を積層して立体形マスクを形成します。
 尚、ポリエチレン/ポリウレタン芯鞘スパンボンド不織布の引張り最大伸びは、縦方向方向329%、横方向方向312%、荷重緩和後の残留伸びは縦方向で31%、横方向で38%であり、優良な伸張性と回復性および縦横バランスを示し耳かけ部の材質として適用しています。また、顔面覆い部の積層部分は、不織布基材とともに、顔面覆い部の下辺、上辺の外周部分および耳かけ部との境界部分を各々エンボスラインで縁取し、層間が固定されて一体化しています。さらに、顔面覆い部の上辺には襟部を設け、襟部の中央上部に半円形の小切り欠き部を設け、襟部の底にはエンボスラインを敷設し着用時に内側に折り込めるようにしています。さらに、顔面覆い部の中央部分には、横方向に連続したリブを敷設し、リブは、積層不織布全層に形成させています。このマスクにおいて、積層不織布のフィルタ効率は77%で、圧力損失は75Pa。この値は、衛生マスク/医療用マスクとして十分なバリヤ性を備えているとのことです。

 さらに、外層表面に光触媒(太平化学産業製チタンアパタイト複塩、商品名:PHOTOHAP PCA-100、化学式:(Ca,Ti)10(OH)3(PO46)をアクリルバインダにて2g/m2を添着し殺菌力を高めることができるということですが、このことは、繊維や薄膜材表面に殺気力、付着力の機能強化処理(コーティングなど)を行えばさらに差圧を60Pa以下に逓減できる可能性を示唆しています。


曇りどめの工夫


縁部材の構造で対応

 メガネを掛けている人がマスクを着用すると、マスクと鼻の隙間から流れ出る吐息によってメガネのレンズが曇って前方が見えなくなり、冬季においては温かい吐息が冷たいレンズ内面にかかって冷やされ、息に含まれている水蒸気が凝結する細かい水滴でメガネレンズが曇ります。「曇り防止マスク及びマスクの縁部材」(特開2011-19894)は、マスクの上縁に取付けて着用した場合に鼻の形状になじんで隙間を無くすことが出来る縁部材を提案しています。 発明の逆U字状の断面の縁部材は柔軟な材質で、その内部に針金などで曲げることが出来る芯材を埋着し、そして両側片の間にマスク上縁が嵌る隙間を形成しさせてその機能性を発揮するということです。
 この逆U字条断面でマスク上縁を挟み込むことで簡単に取付け出来、好きなときに取外しすることができ、市販のマスクに着脱自在でき、新聞や雑誌を読む際にのみ老眼鏡を掛ける人にとっては老眼鏡を掛けない時、縁部材を取外してマスクを着用することができ、縁部材はシリコンなどの材質で肌当りが良く、マスクの掛け心地は良好であると共に位置ズレが防止されるともある。


【符号の説明】 1 縁部材 2 本体 3 芯材 4 隙間 5 芯材 6 表層 7 裏層

眼鏡の曇り止め加工で対応

 親水性コーティングは、特定のコーティング適用(例えば、防汚特性、洗浄容易特性、自己洗浄特性、曇り止め特性のあるコーティング表面)に使用するというもので、無機酸化物ネットワークを含むコーティング層と、親水性の本質的に完全に加水分解されたオルガノシリケート(水ガラス)を含む液体組成物でコーティング層するというものです。
 この多層コーティングは、(1)無機酸化物ネットワークを含む第一層と(2)その第一層の少なくとも一部の上に適用された第二層とを備え、親水性で少なくとも1つの液体組成物から堆積され、この液体組成物は、本質的に完全に加水分解されたオルガノシリケートを含まれるものです。

     SinO(n-1)(OC2H5)(2n+2)+(n+2)H2O
                    →nSiO2+(2n+2)C2H5OH    n=1, 2, 3, ・・・, n


肌密着性を有するジェルで対応

 3つめは通気フィルタとしてのマスク本体の周辺部に無端形状の形状維持体を配置し、形状維持体の顔面当接側に肌密着性のジェル層が形成されているマスクが提案されています(「マスク」特開2011-10903)。そして、下図のように形状維持体は、マスク本体側とジェル層側の夫々に対応して配置し、両側の形状維持部材によって挟まれた可撓部材とから構成すれば、変形性が良く、形状維持体を、装用者の顔の形状に良く合わせた無端形状に変形して維持されています。


【符号の説明】 1 マスク 2 マスク本体 3 形状維持体 4 ジェル層 5 形状維持材 6 装用者 7 可撓部材

 以上、3つの特許は下表に掲載しましたのでご参考下さい。



関連特許一覧

No.ItemUpdate
01特開2011-19894|曇り防止マスク及びマスクの縁部材2012.01.10
02特開2011-430|パーフェクトプロテクトマスク 2012.01.10
03特開2011-10903|マスク2012.01.10
04特開2010-023039|無機酸化物ネットワーク含有層を含む多層コーティングおよびその適用方法マスク2012.01.10
05特開2009-000420|マスク 2012.01.10
06特開2007-054381|立体形マスク 2012.01.10
07特開2011-015822 電子レンジを用いたマスクに付着しているインフルエンザウィルスの不活性化方法およびマスクを収納する容器 ミドリ安全株式会社 2014.03.19
08特開2011-115463 就寝用衛生マスク アズマ工業株式会社 2014.03.19
09特開2014-000106 衛生マスクおよびその基材 玉川衛材株式会社 他 2014.03.19
10 特開2013-244153 衛生マスクインナーシート 株式会社ニチエイ 2014.03.19
11特開2013-172812 衛生マスク 中村 正一 他 2014.03.19
12特開2013-172836 マスク 株式会社シェフコ2014.03.19
13特開2013-236798 マスク製造方法およびマスク製造装置 ユニ・チャーム株式会社 2014.03.19
14特開2013-052153 マスク 株式会社白元 2014.03.19
15特開2012-075795 立体マスク及びその製造方法 株式会社 資生堂 他 2014.03.19
16特開2007-054381 立体形マスク 倉敷繊維加工株式会社 2014.03.19
17特表2010-529104 多配合物化粧品組成物 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 2014.03.19


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