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作成:2018.03.28|改訂:

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特集|植物性有機物を含む原料の流動炭化方法

特許第5767084号 植物性有機物を含む原料の流動炭化方法

概説

バイオマス、大量の有機可燃物の高速減容処理、貯蔵と原燃料化に適した高能率低コスト処理できる流動炭化法を得る。流動炭化装置の利点は保持し、流動炭化困難とされていた15mm以上の小片、小塊を含む原料、未利用資源をも炭化可能にし、処理速度を高速化してしかも燃料、原料、吸着剤に適した高品質で均一の無煙炭化物を高収率で得る。さらに間伐材等バイオマス利用、地方での小規模利用に於て問題であった乾燥、粉砕設備、動力、貯蔵輸送コストを削減し、省力化、経済化しようとする。外熱回転炉や外熱流動層では発生する乾留ガスは炭化に必要でその熱利用はできないとされ熱経済はよくない。
粒子流動化技術は、処理能力が大で均一な製品が安定して得られる。一般に固定床、回転炉より処理能力が大きく、微粉炭燃焼、ガス化よりは反応器容積当り能力は小といわれる。微粉砕の必要がないので微粉反応装置より小型の装置に適するが、原料、処理対象物を適度の原料粒度に粉砕し揃えるものであった。バイオマス農林水産物、副生物、園芸、山林、原野、庭園等の草木、牧草、雑草、堆積廃物、堆肥、廃材、農林水産物等有機物を低温炭化して乾留ガスと炭化物を得、炭化物を燃料、吸着剤、調湿剤、建材、土壌改良剤その他の材料に使用されている。炭化装置としては流動乾留炭化装置、回転炉、固定窯、堆積し或は土中に掘った穴に材料を入れて土で覆って焼く蒸し焼き法等が知られている。しかし乾留ガスと炭化物両方を同時に効率よく利用することは簡単ではなかった。
特許文献1は木質バイオマスを粗破砕してそのまま300乃至600℃の回転炉原料として使える利点があり、熱分解ガスとともに多孔質炭化物を得、後工程の改質、活性炭化等を低コスト化する。しかし炭化工程を高速化するものではなく、地方分散型エネルギー活用に適するとはいえない。 特許文献2は流動熱媒体利用の流動炭化炉(300乃至700℃)で炭化し、発生したタールを炭化物又はバイオマスに付着させて炭化物の収率を増すことができる。外部発生のタールを増量に使える利点はあるが、付着吸収効率を良くするために原料粒度は粒径2mm以下が適当とされ、粉砕コストがかかり、バイオマスの粗粒子、小片混入原料は直接投入できない難点がある。
特許文献3は流動層の段を重ねるもので粉粒流動層に供給された微粉が吹き飛ばされて乾留、ガス化が不十分になることを防止するために微粉用流動層を重ねている。微粉処理が容易な利点があるが、発煙粒子の混入を避けるためには過大な炭化時間を要する。装置、運転ともやや複雑で、上段の撹拌は困難であった。また有孔であってもよい金属容器を挿入して流動層で固定層、移動層レトルトを外熱することも開示されているが、容器壁接触部分粒子の更新がないので固定層又は移動層容器としての処理能力は小であった。




特許請求の範囲

    1. 植物性有機物を含む原料を炭化して炭化物を得る流動炭化方法であって、空気を流動化ガスとして630℃以下280℃以上で該有機物の少なくとも一部を自燃しつつ炭化する流動層を形成し、該流動炭化炉の炭化工程の一部に流動層より低温長時間で運転される固定層又は移動層を組み込んで、炭化時間を延長して、流動炭化層の炭化物無煙化に要する滞留時間以下に該流動層の滞留時間を短縮したことを特徴とする植物性有機物を含む原料の流動炭化方法。
    2. 流動炭化炉の後工程に該流動層からの炭化物を流動炭化炉の炭化温度以下の低温に30秒以上24時間以下保持して炭化反応を継続する固定層又は移動層である後置貯槽を備えたことを特徴とする請求項1記載の植物性有機物を含む原料の流動炭化方法。
    3. 流動炭化炉内に撹拌機と格子、網又は有孔板から選ばれた棚で構成する棚段を備え、原料供給口からの原料を棚段に受け、撹拌機は棚段上を掃引し原料の少なくとも一部を流動層に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の植物性有機物を含む原料の流動炭化方法。

バイオマス、植物性有機物を含む原料、廃物の大量処理可能で乾留ガスを温室、工場、家屋等の燃料として利用しながら、一方で低コスト設備、運転費で低コスト無煙炭化物を高収率で得る。
【解決手段】
植物性有機物を含む原料を炭化して炭化物を得る流動炭化方法であって、空気を流動化ガスとして630℃以下280℃以上で該有機物の少なくとも一部を自燃しつつ炭化する流動層を形成し、該流動炭化炉の炭化工程の一部に流動層より低温長時間で運転される固定層又は移動層を組み込んで、炭化時間を延長して、流動炭化層の炭化物無煙化に要する滞留時間以下に該流動層の滞留時間を短縮したことを特徴とする植物性有機物を含む原料の流動炭化方法である。 【選択図】 図1後置貯槽と棚段付炭化装置説明図

【符号の説明】 1 流動炭化炉、炭化装置 2 原料ホッパ 3 スクリュー供給機 4 流動炭化炉上部空間 5 流動層 6 流動化用空気入口 7 流動化空気分散器 8 炭化物溢流管 9 断熱材 10 流動炭化炉底部排出口、粗大物排出口 11 流動炭化炉内壁 12 撹拌機腕、スクレーパ 13 サイクロン 14 後置貯槽 15 炭化物冷却器 16 乾留ガス燃焼炉 17 熱交換器、空気予熱器、ボイラー 8 スクラバ、バグフィルタ 19 煙突 20 炭化炉乾留ガス出口 21 炭化物山 23 撹拌機駆動モータ 24 熱交換器 25 原料供給スクリュー駆動モータ 26 棚段 28 温度測定器、空気、パージガス、燃焼用ガス、吹込み管 31 原料貯槽 40 温室等への供給温風設備 41 排出ガス取り出し管

特許請求の範囲

    1. 植物性有機物を含む原料を炭化して炭化物を得る流動炭化方法であって、空気を流動化ガスとして630℃以下280℃以上で該有機物の少なくとも一部を自燃しつつ炭化する流動層を形成し、該流動炭化炉の炭化工程の一部に流動層より低温長時間で運転される固定層又は移動層を組み込んで、炭化時間を延長して、流動炭化層の炭化物無煙化に要する滞留時間以下に該流動層の滞留時間を短縮したことを特徴とする植物性有機物を含む原料の流動炭化方法。
    2. 流動炭化炉の後工程に該流動層からの炭化物を流動炭化炉の炭化温度以下の低温に30秒以上24時間以下保持して炭化反応を継続する固定層又は移動層である後置貯槽を備えたことを特徴とする請求項1記載の植物性有機物を含む原料の流動炭化方法。
    3. 流動炭化炉内に撹拌機と格子、網又は有孔板から選ばれた棚で構成する棚段を備え、原料供給口からの原料を棚段に受け、撹拌機は棚段上を掃引し原料の少なくとも一部を流動層に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の植物性有機物を含む原料の流動炭化方法。

発明が解決しようとする課題

従来の流動炭化法では粗大な原料は流動化に適するように粉砕篩分が必要であり、流動層形成のための流動化ガス送風機の動力コストも比較的高かった。 固定層炭化での滞留時間は時間単位、回転炉では10分単位であった。流動層ではサイクロンに飛ぶ微粉は秒単位の滞留時間で運転され、流動層に滞留する粗粒の溢流管から排出される炭化物は、1分乃至10分程度の滞留時間である。
従って流動層は回転炉に比し10乃至100倍の高速処理の潜在能力があり、微粉も処理でき、生焼けのおそれはない。
このような利点の半面、流動化ガス送風機の動力消費が比較的大で、流動条件に合わせるための原料粉砕動力も問題であった。流動層であっても回転炉同様に原料粒度が粗大なものの炭化可能で、送風機動力が少なくなれば経済性は大幅に改善される。
しかし従来の流動炭化では、製品炭化物への発煙粒子の混入を防止するために比較的高温で、平均滞留時間は長く取るのが普通であった。原料粒度は3又は5mm以下が適当とされていた。低温高速処理では同じ大きさの装置で大量処理しようとして原料供給量を増加すると生焼け炭化物が出口に排出される。粗大なものの限度は炭化炉の大きさにより実験的に決めることができる。
バイオマス、間伐材、木質廃棄物等を原料化するために、簡易な手段で従来の流動炭化法より大幅に高速処理し、しかも小型化、低コスト化したい。草木、枝葉も長大なもの、多水分のものがあるが細いもの、薄いものは簡単な粉砕でそのまま乾燥を含む工程に投入したい。
高水分の原料は直接炭化炉に投入するとバイオマスの保有熱量の大部分は無駄に大気に放出されるので乾燥エネルギーを減じたい。
本発明は流動炭化のさらなる大幅高速化と燃焼性のよい炭化物の量産、大量或は局地的少量のバイオマスの利用、農林水産物、植物の分散型立地でもよい総合的大量処理と熱利用、休耕農地、居住地、間伐等の手入れができない山林の再生を目的とする。
得られる乾留ガス炭化物も石油燃料に匹敵する燃焼性、省力適取り扱い性能を得たい。
従来の非流体燃料は貯蔵、輸送、燃焼性、操作性が劣る。燃焼機への燃料供給も定量供給が問題であった。
炭化物貯槽が炭化補助機と燃焼機をも兼用できれば燃料補給と定量供給機の問題はなくなり、燃焼用の空気調節で足りる。
このために流動炉より容積利用率のよい堆積層(固定層又は移動層)の貯槽を装置として利用し、若くは兼用可能にすれば公都合である。
大量のバイオマス、塩分を含む可燃廃棄物、泥、土壌の付着した木材、草木等を流動炭化技術によって石油代替燃料として熱利用しつつ経済的に処理しようとする。炭化物は余剰の場合には大量貯蔵或は堆積、埋め立て貯蔵するために自然発火しないものが必要であり、田畑の資材に利用可能で、大量貯蔵輸送に安全便利でなければならず、流体化輸送ができれば便利である。
有害物汚染バイオマスの大量処理には、流動炭化のように密閉性があり、温度制御、自動化が容易な管理等が必要であった。流動化技術は加圧流動ガス化、燃焼が実用化されていて密閉性が優れ、減圧装置も可能であるから汚染バイオマスの処理に適すると考えられる。
地方のバイオマス、被災地の大量の有機可燃物、有機物を含む耕土の高速処理(補助のバイオマスを添加してもよい)、貯蔵と原燃料化に適した高能率の流動炭化装置を高速化し、炭化物の高又は低収率、灰化・熱利用と任意に安定操作を可能にする。しかも、流動層内部での過熱防止を保証し、窒素、炭酸ガス、微量の遊離酸素雰囲気と比較的低温の炭化条件での高収率安定な炭化操作を可能にし、有機物に富む耕土、泥土処理にも利用できる方法を目的にする。

内熱部分燃焼低温炭化では温度が低いほど、また粒度が粗く粗大になるほど炭化速度が遅くなる。従来は処理速度を上げるためには炭化温度上昇、原料微粉化、炭化炉大型化しかなかった。炭化の滞留時間が長いと乾留ガス雰囲気が薄くなって流動化空気による炭化物燃焼によって燃焼損失が増加する。また微粉は炉内に入ると直ちにサイクロンに排出され流動炭化の低温高速化には難点があった。一方、粗大な炭化物、微粉を多く含む原燃料、大量の廃棄物を低温炭化しようとすると装置は大型化し原燃料条件を厳密に調整する必要があり装置もプラントもコスト高になった。

図2 後置貯槽の断面図
図2 後置貯槽の断面図

課題を解決するための手段

本発明は反応速度が粒度によって数秒乃至数分と高速の流動炭化装置をさらに高速化、して大量減容を容易にする。
固定床炉の炭化時間は数時間以上数日、回転炉では10数分乃至30分以上かかるのに比し、流動炭化法を適用すれば数秒ないし数分と高速で処理できる。しかし従来の流動炭化炉では設備が高コストで原料粉粒の粒度制限が厳しく、製品の嵩比重も軽い傾向が難点であったので設備構成が簡単な原料の内熱部分燃焼による乾留所要熱供給と乾留滞在時間の短縮に製品炭化物の高温貯槽を付設し、内熱の場合に問題になる粗大物の流動不良による過熱防止、炉底部流動層に粗大物、水分を含む冷たい原料がまとまって落下する問題に対しては棚段と撹拌機設置によって障害を除くことができる。さらに熱経済と炉温度の安定化については、原料の簡易乾燥、原料の予熱を追加すれば一層の高速化、低温運転による炉構成材料の低コスト化、軽量化が可能となり、さらに製品炭化物の比重を高くして、輸送・利用時の充填比重を高めることを可能にする。
内熱部分燃焼低温炭化では温度が低いほど、また粒度が粗く粗大になるほど炭化速度が遅くなる。従来は処理速度を上げるためには炭化温度上昇、原料微粉化、炭化炉大型化しかなかった。炭化の滞留時間が長いと乾留ガス雰囲気が薄くなって流動化空気による炭化物燃焼によって燃焼損失が増加する。また微粉は炉内に入ると直ちにサイクロンに排出され流動炭化の低温高速化には難点があった。
一方、粗大な炭化物、微粉を多く含む原燃料、大量の廃棄物を低温炭化しようとすると装置は大型化し原燃料条件を厳密に調整する必要があり装置もプラントもコスト高になった。


課題を解決するための手段

本発明は反応速度が粒度によって数秒乃至数分と高速の流動炭化装置をさらに高速化、して大量減容を容易にする。
固定床炉の炭化時間は数時間以上数日、回転炉では10数分乃至30分以上かかるのに比し、流動炭化法を適用すれば数秒ないし数分と高速で処理できる。しかし従来の流動炭化炉では設備が高コストで原料粉粒の粒度制限が厳しく、製品の嵩比重も軽い傾向が難点であったので設備構成が簡単な原料の内熱部分燃焼による乾留所要熱供給と乾留滞在時間の短縮に製品炭化物の高温貯槽を付設し、内熱の場合に問題になる粗大物の流動不良による過熱防止、炉底部流動層に粗大物、水分を含む冷たい原料がまとまって落下する問題に対しては棚段と撹拌機設置によって障害を除くことができる。さらに熱経済と炉温度の安定化については、原料の簡易乾燥、原料の予熱を追加すれば一層の高速化、低温運転による炉構成材料の低コスト化、軽量化が可能となり、さらに製品炭化物の比重を高くして、輸送・利用時の充填比重を高めることを可能にする。
また、粉砕コストを下げるために従来5乃至15mm以下としていた流動化粒子の粒度を粗くして15mm以上50mm程度或は条件によってそれ以上までの細片をそのまま原料として使用可能にした。パルプ用チップは45mm角以下、時に5乃至7mm以下で時に70×32×20mmの砕片が混入するがこれを再粉砕も分別もせずに直接処理工程に投入できる。
大量のバイオマスや可燃廃物、有機物含有廃物を燃焼処理すると排気、微粒子処理に多大の費用がかかり、燃焼用空気量も炭化に比して2倍以上になり、設備は大型化するが炭化処理は比較的低温で処理するから消費熱量は少なく経済的である。
本発明の流動炭化法では、炭化炉内部での部分燃焼条件の改善によって炭化温度の低温化を可能にし、炭化物収率をあげることができるので乾留ガス燃焼工程でも少ない燃焼用空気で足り装置も燃焼炉もその分小型化できる。
原料に有機粗大物が含まれ、或は短かい炭化滞留時間での高速運転では炭化流動層は不安定になる傾向があるが、部分燃焼条件の改善には流動層内原料供給部への棚段の設置、撹拌機と後置貯槽が有効であって、630℃以下では従来法と異なり炉底での冷たい原料による部分的冷却が解消されるので、同一流動層温度でも過熱部分のない安定な流動層を形成する。330℃以下では原料の部分燃焼のみによる乾留熱供給は難しい。流動化空気又は原料予熱は部分燃焼条件の一層の安定化に寄与する。簡易で原料貯蔵設備に組み込める予備乾燥も炭化条件の安定性、乾留ガス燃焼負荷を下げ、有効利用できる燃焼熱の比率を増し経済性を改善するので好ましい。このようにして原料の短時間自然乾燥、予熱の選択・組み合わせで流動炭化層、後置貯槽とも低温炭化条件を一層安定化できる。500℃以下の部分燃焼による安定な高速炭化も可能になり設備材質、メンテナンスとも低コスト化できる。生成炭化物は発煙中であっても後置貯槽中の大量堆積状態で30秒以上24時間もの炭化を継続できるから微粉の1秒単位、乃至粉粒、細片、薄片粗大物の1分単位の流動炭化炉処理の高速化が可能になった。流動炭化の流動層4はスパウテッドベッド、噴流層、旋回噴流層、高速循環流動層でもよい。




第1の発明は 空気を流動化ガスとして植物性有機物を含む粉粒乃至小片原料と該炭化物の流動層を形成し、該原料、炭化物及び乾留ガスの一部を燃焼して乾留所要熱を流動層に供給し、炭化物と乾留ガスを得、乾留ガスは燃焼して熱源とする場合に、630℃付近以下280℃以上で該有機物の少なくとも一部を自燃しつつ炭化する流動炭化炉の流動層の前又は後或は両方に、該流動層より低温に維持され、該流動層で加熱炭化する固定層或は移動層を設けることによって炭化物無煙化に要する流動層内滞留時間を短縮し、炭化物収率を上げるものである。
この温度範囲では、空気を吹き込む部分燃焼加熱によって外熱や外部燃料の燃焼ガスを流動化ガスとする流動炭化炉より高い熱効率が得られ、過熱による炉損傷や灰溶融の恐れ無しに短時間高速乾留が可能である。280℃以下では内熱部分燃焼は困難で、330℃乃至550℃が適当である。500℃以下では炉の構築材料が低コストになる利点がある。後置貯槽の炭化物入口側には冷却器を置いて280℃以上の炭化温度を維持し、発煙中の炭化物があれば発煙を終了させることができる。後置貯槽全体が炭化温度以上に維持されてもよいし、後置貯槽上部が維持され、出口側が炭化温度以下或は発火温度以下に冷却されていてもよい。後置貯槽内部に高温部と低温部を設ける場合にはその境界部に仕切り、熱交換器を設けることができる。後置貯槽の後に炭化物冷却機、通常の貯槽、コンテナーを置いてもよいしバラ積も可能である。
高温で流動炭化すると炭化速度が速く、高温では最終到達の平衡揮発分が少ない。しかし、より低温で運転すると流動層の特性で炭化が終了していない有煙の原料粒子が製品中に排出混入する。本発明は炭化速度が遅い固定層の低温炭化を組み合わせることによって流動炭化炉の高速性と固定層低温の高収率を得たものである。

図3 棚段と撹拌腕を有する流動層の断面平面図
図3 棚段と撹拌腕を有する流動層の断面平面図

第2の発明は
流動炭化炉で発煙中の炭化物を含む炭化物を排出し、保温された後置貯槽に収納して堆積し、この貯留容器中で炭化反応を進行させた後にこの貯槽から取り出して冷却して再び該貯槽又は他の貯蔵設備に移す炭化法。
貯槽は炭化物収容能力が大きい上に、密閉すれば温度上昇などの恐れは皆無で安全である。撹拌機、熱交換器、空気、低酸素パージガス送入器を内蔵でき、燃焼機能、冷却機能を内蔵すれば多機能の貯槽として便利である。
後処理用に使う後置貯槽に加え、通常の貯留、サイロ、輸送用コンテナーを貯蔵に利用できる。
本発明はできるだけ低温の炭化条件と、炭酸ガス雰囲気と、少量の遊離酸素の存在下で流動炭化炉内流動層5、後置貯槽で過熱部位のない状態で炭化でき収率の管理が容易である。後置貯槽の重量と炭化物の発煙有無、発煙許容ならその程度で収率管理できる後置貯槽前部又は上部に流入炭化物の熱交換器等の温度調節機を設けて温度管理できる。
貯槽は流動炭化炉で発煙中の炭化物を含む炭化物を排出し、保温された貯留容器に収納して堆積し、この貯留容器中で炭化反応を進行させた後にこの貯槽から取り出して冷却して再び該貯槽又は他の貯蔵設備に移すことができる。
高温の貯槽の下部に仕切りを設け又は横に通常の炭化物貯槽を設けることができ、間に冷却器を挟むことができる。小型の貯槽では自然放冷でもよい。

第3の発明は
流動炭化炉内に撹拌機と格子、網又は多孔板から選ばれた1つ又は組み合わせで構成する棚段を備え、原料供給口からの原料を棚段に受け、撹拌機は棚段上を掃引する流動炭化法である。格子は平行、碁盤目状、輪環の組み合わせのいずれでもよい。 原料がバイオマス、植物、植物由来物、腐葉土、建設廃材、被災廃物であって、木質チップ、樹木枝葉の粉砕物を粗い篩分でそのまま原料として炭化装置に供給できる。冷たい原料、粗大で流動層底部の流動を阻害するものに昇温、炭化の時間的余裕を与え、粗大なもので炭化しても流動しないものを炭化して脆化して粉砕できる。
棚段は扇形、環状又は円盤状に構成され、角型流動層でも同様である。棚は流動化ガス、流動化粒子、供給原料粉粒を自由に又は制御しつつ通過させ、粉粒団塊、凝結紛粒、粗大片を通過させない機能を有する。目的条件によっては全く通過させないこともできる。粗大物落下防止用堰、炭化して脆化した小片、塊の粉砕用突起を設けることができる。撹拌機が回転或は往復回転するが、要所に落下口、切欠を設けるのが適当である。炉内で粉砕できなかった粗大物は流動炉底部或は中途の排出口に落し、若し流動層に蓄積するならば底部又は任意の部位に設けた排出口から排出する。粗大物は炭化速度が遅いが、長時間かければ流動層5より低温で炭化が進行する。
粗大な炭化物は価値が高いので粗大片を意図的に粉砕せずに棚段状の移動操作をすることもできる。大量にこの操作をするには棚を多段に必要なだけ設けてもよい。棚段自体を旋回し或は傾斜、開閉させることもできる。さらに螺旋状に構成することもできる。その際の移動に使う撹拌腕はスイング、上下、往復運動させる構造にしてもよい。粗大物移動のために棚段に振動付加してもよい。
スイングする腕を使えば、粗大物を斜面によって持ち上げて溢流口或は溢流口より高い別の排出口から排出できる。
棚段の落下部を流動層上部即ち溢流口より上に設け、溢流口を張り出して落下する粗大炭化物を流動化粉粒とともに受けて排出してもよい。また別の排出口を設けてもよい。
棚段を多段に構成すれば、粗大物の滞留時間を任意に延長でき、或は粗大物含量、水分が多い原料等の処理が容易になる。
撹拌機は回転速度を変えて粗大物の送り速度を調整することによって棚段上の粗大物の棚段上滞留時間を変えることができ、棚段で炭化した炭化物を流動層中途又は底部の排出口から優先的に排出することもできる。この排出口には流動化ガスによる流動選別機を付けて粗大物を選別排出してもよい。この場合には大量の流動不良粗大物混入の場合に炭化を進行させつつ流動障害を回避できる。

棚段部に追加の空気を吹込み流動層底部の流速を上げずに炭化炉の処理能力を上げることができる。また、棚段の一部或は全部を管で構成できる。この管は熱交換器であってもよいし、追加の流動化ガス、空気を棚段部に吹込む多孔管であってもよい。この流動化ガス吹き込みは撹拌機のみによる撹拌に比し、粗大片と粉粒との分離を促進するので流動炭化層の温度安定化に寄与する。しかも棚段部の温度を流動層と独立に設定できる利点を生じる。棚段部に本体流動層との隔壁を設けて一部又は全部を本体流動層内部の独立の固定層又は移動層としてもよい。この場合には本体の流動層4又は本体の流動層上部空間5からの受熱と部分燃焼によって本体の流動層4より低温にして炭化温度の急上昇による炭化物膨張を抑制することができる。
従来の流動炭化炉は過剰の炉内滞在時間によって発煙がない状態まで完全炭化して終了するものであった。このような条件では高温の空気が乾留ガスでなく炭化物を燃焼して損失するだけでなく流動化状態不良部分で過熱部分を生じ易い。したがって必要最低の炭化炉内滞留時間が望ましい。このために粒子群として発煙中のものの存在を許容し流動炭化炉から固定床貯槽に移動して所望の炭化程度にするのがよい。この操作を可能にするのが本発明の後置貯槽である。もしこの後置貯槽を流動層にすると、炭化物の収容量が少なくなることに加えて、流動化ガスの送入が必要となるから、過熱の危険が増大ししかも、貯槽としての押し出し均一流れの機能が失われるので好ましくない。しかし貯槽入口付近、貯槽内上部に温度調整用の小型の加熱または冷却用流動層、或は熱交換器を設けるのは好ましい。
後置貯槽は保温し燃焼排ガス、炭酸ガス雰囲気と微量の遊離酸素の存在が好ましく、少量のパージガスの供給によって煙、タールを追い出すことができる。また比較的低温で炭化した炭化物は反応活性がよく、炭化温度を維持していれば、貯槽内に限定量の空気を吹き込むことによってゆるやかな低温燃焼ができるので、熱源として使える。バイオマスの微粉燃焼は燃焼機規模、濃度5%以下の低濃度遊離酸素を含むガスによっても安全に低温燃焼し発熱し温度を維持できる。
また、流動炭化炉同様撹拌機を装備して撹拌するのが好ましい。少量のパージガスを偏流がないように分散して、発煙している炭化物堆積層に向流に送り、発生するタール、煙をパージすることができる。
このパージガスに5%以下の遊離酸素を含ませれば低温酸化熱で貯留層内の炭化物の温度降下を防止できる。水冷、空冷の伝熱面を設ければ空気による低温燃焼機として温水、温風供給にも使える。空調用空気、水加熱の供給量を多くするために、伝熱面を広く取り熱源装置とすることができる。またこの伝熱面は炭化物冷却用にも活用できる。撹拌機が伝熱面、燃焼用或はパージ用ガス、少量空気供給を兼ねてもよい。炭化物取り出しのためには冷却手段を経て取り出すこともできる。
後置貯槽から炭化物を出すには空冷又は水冷の空気冷却輸送装置、冷却流動層、冷却スクリュー等を使うことができる。この方法で炭化脱煙処理された炭化物は空気中室温での自然発火性はない。既に空気酸化条件で炭化処理されているためと思われる。
本発明による流動内熱部分燃焼炭化炉は従来の流動層装置の多くは5mm以下の原料粒度、時に15mm以下の小粒度までの粉砕が必要であったが本発明では25mm或は30mmの小片が含まれていてもよく、従って粗い小片の炭化物も得られる。さらに、固定層貯留槽を含め2段以上の炭化炉相当の反応が可能であり、未反応炭化物は後置する貯留槽で反応を進行させることによって、炭化炉である流動炭化炉の負荷を上げることができる。 従来の炭化炉では1炉で炭化物を無煙にしていたので滞留時間は長く、比較的高温での炭化が必要で、炭化物収率を高くし、高速運転するのは困難であった。
本発明は高速低温炭化によって炭化炉出口で溢流口炭化物、サイクロン炭化物とも未反応粒子粉粒、細片の排出があっても後置の高温貯留層によって、無煙化されるので滞留時間大幅短縮、多くは同じ温度条件で半減乃至3分の1と3倍の能力になり、低温運転も可能になる。この低温運転の可能化は炭化物収率の向上、より安価な装置構成材料例えば500℃ないし450℃以下では炭素鋼が使える利点を生ずる。流動層炉であるから炭化温度は正確に自動調節できる利点が反応、装置材質ともに発揮される。 【0026】 比較的低温で330乃至350℃で部分燃焼内熱炭化すると粉粒原料も粗大なチップでも比較的硬い炭化物が得られる。特に炭化炉内で粉粒原料より遅い昇温速度のチップの低温炭化では木質の熱可塑化による膨張が抑制されるので比重、収率とも比較的高く小片状の炭は粉状炭より燃焼容易であるから価値が高い利点がある。なお高速の炭化では炭化が過度に進行すると収率悪化に加えて脆い製品になる。高速炭化でしかも発煙中の炭化物の排出を許容すれば過度の炭化を防止できる。しかも固定層の後置貯槽では流動化の必要がなく、必要に応じて撹拌機を槽内に挿入できる。炭化物は軽量であるから撹拌抵抗は少ない利点がある。撹拌機が空気、燃焼ガス、5%以下の遊離酸素を含むガスを均一に導入でき爆発、着火を予防できる。 【0027】 原料の乾燥は好ましい。特に流動乾燥は過熱の恐れがないので、200℃まで原料予熱を兼ねた乾燥ができる。流動化ガスには乾留ガスの燃焼排ガスの直接吹込みか、加熱空気による流動化が使え乾燥排気処理は簡易になる利点がある。300℃の予熱のために条件によっては乾留ガスの燃焼ガスで空気を加熱し、この空気を使用してもよい。これによって低温炭化の炭化炉の流動層温度はより安定する。いずれの流動層も加熱面を内蔵したものであってよい。予熱空気は低温運転の炭化炉の安定化に好適で、空気加熱系は共通化可能である。乾燥排気は熱分解のない流動乾燥であるから排気臭の発生が少なく熱回収できる利点がある。 流動化空気予熱、原料乾燥と予熱、伝熱面の挿入の1つまたは組み合わせによって炭化炉の流動化用部分燃焼空気は減り、炭酸ガス発生量は減じ、バグフィルタ、排気洗浄塔負荷が減り、焼却炉による焼却処理に比して小型化でき排煙量は半減する。加えて、小型装置は移動と転用が容易である利点も発生する。
流動層内部に撹拌機、粉砕機或は篩分機を設けたものは公知である。しかし、棚段を設けて、炭化しつつ粉砕するものはない。
本発明は通常流動層が応用される粉粒の粒度以上の15mm以上50mm程度のものも流動層に浸した状態で炭化し或は炭化不十分の粗大物も、高速処理を達成するために炭化進行中の通常粒子とともに排出を許容することによって高速処理、粗大物は通常粒子で構成された流動浴に共存させかつ後置の貯留槽を大量貯蔵槽兼炭化機とすることによって大量処理を可能にした。
300℃では炭化時間8.5分で収率80%、この炭化物は着火しやすく空気内熱炭化は流動層でのみ可能である。発煙中の炭化物を窒息状態で後置貯槽において脱煙を完成させることができる。この時少量、例えば5%以下の遊離酸素を含み又は含まない冷乃至熱燃焼排ガスを後置貯留槽に分散して少量吹き込んで温度調整し炭化脱煙を完成でき、炭化炉の低温短時間炭化高速化を可能にした。
流動層内撹拌機と棚段は粗大チップを含む原料をそのまま炭化炉に供給する場合に、炭化炉底部の流動化空気分散器或はスパウテッド層の吹き込み口に沈積妨害することを防止する。粗大チップは特に水分を多く含み、重いチップはスクリュー供給機で供給されると、炭化炉底部に沈下し、流動層形成を妨げる。よって撹拌機によって炭化が進行し軽くなって流動化するまで棚段上で撹拌しなければならない。最終的に流動化しないものは炉底部の排出口から排出することができる。粗大チップの比率が多い時には、棚段の金網、格子、多孔板上に供給原料を落下させて撹拌機で撹拌しつつ流動化している炭化物と接触させて移動分散させ炭化を進行させることができる。撹拌機腕を粉砕に使用してもよい。炭化物は木材より脆いので高温で容易に粉砕し流動化させることもできる。大量の粗大物をそのまま処置するには多段炉を流動層内に構成することができる。その場合には、原料調整用の粉砕機を省略できる利点がある。また原料水分が過大でなければ、簡単な粉砕機で粉砕し、そのまま短期貯蔵を兼ねた乾燥機で数時間乾燥の後に炭化炉に供給することを可能にする。要するに炭化炉に入れることができれば、炭化できる場合が多い。特に粗大物は10mm厚の薄い板状、或は10mm径以下の短い小枝、長い繊維状の芝、すすき等の根、稲藁、すすきの葉などは低温流動炭化による高速処理が可能になった。竹のように薄いものの粗大物は小粒径の粒子同様に処理できた。その大きさの限界と混入許容量は実験によって容易に確認できる。
炭化炉が複数の炭化炉で構成されていてもよい。この場合には例えば低温で燃焼速度が遅く不安定な炭化炉をより高温で安定に運転される炭化炉と接触し或は伝熱面を介して包囲することができる。
通常の固定床炉、回転炉では原料製品の出し入れ、炭化の操作は素人労働では安全性、労働過重問題がある。流動層は自動化容易で自動的に一定品質の炭化物を安定して生産でき、原料、製品の輸送は粉粒輸送であるから専任運転員を必須条件としない利点がある。バイオマスは50km圏内での収集と処理が経済性から必要とされ、このために小型高能率で装置、製品とも高い安全性と省力化、自動化が必要であった。車載可能のものが望ましく、流動炭化炉と貯留槽が別で炭化炉本体と貯留層を現地で接続、切り離し可能に構成できるから、大型の本発明の貯留槽と通常のサイロを多数箇所に分散配置できる。発生乾留ガスと要すれば炭化物燃焼装置で温室、公共施設、工場等の熱源とし、余剰炭化物を外販用原燃料とすることができる。

図4 複数の棚段が流動層上部空間にある炭化炉断面平面図
図4 複数の棚段が流動層上部空間にある炭化炉断面平面図



炭化物の後置貯槽は炭化炉と直列に連結され、単数又は複数で異なった大きさ、構造であってもよい。炭化炉と独立の槽、炭化炉を包囲し内蔵する槽構造、炭化炉に内蔵した槽、炭化炉上部或は下部に配置することもできる。
追加の炭化機でもある後置の貯槽温度は炭化収率を上げるために流動炭化炉より低温にするがよいが、炭化処置能力を上げるために加熱装置を付け高温にしても流動炭化炉と同一温度であってもよい。これによって炭化炉の能力と発生する乾留ガス量調整を容易にする。
炭化炉からの乾留ガス量を増加するには炭化炉の炭化温度を上げ、原料の処理量を増加すればよいが、従来、煙脱離の条件に制約されてたが本発明によれば製品炭化物の収量、品質についても自由度を幅広くとることができる利点がある。
温度調節のために貯槽と炭化炉の間に熱交換冷却装置、水添加、燃焼用空気吹き込み、燃焼ガス吹き込みを行なってもよい。このために貯槽の一部、特に好ましくは上部を使ってもよい。貯槽にも一段以上の棚段、吹き込み装置、熱交換装置を兼ねた均一化のための撹拌機を装備してもよい。これらは貯槽としての偏流排出を防止する作用もあり、容量増大にも寄与する。低コストの平底貯槽も可能にする。
従来、バイオマスは通常30乃至90%の水分を含むので予備乾燥なしでは経済性が悪く利用困難であった。また、大量集積すると自然発火するので時には燃料であるに拘らず潅水が必要であった。炭化処理は減容と大量貯蔵を経済的に可能にする。
棚段材料は普通鋼、耐熱鋼製で網、格子、立体格子、多孔板の形態が適当である。管、フィン、突起付管であってもよい。格子状に組んだ管は空気の予熱器として流動化空気、流動層内吹出し、外部に取り出して暖冷房用、工場用熱源空気に使用できる。
本発明では、低温での炭化炉温度安定のために空気予熱が望ましいが、炭化炉目標温度以上に予熱する必要はないので、予熱空気による過熱はない。450℃以下350℃程度の低温では安定な内熱の燃焼制御が困難と思われていたが、本発明の炭化法によって安定になり。流動化空気又は原料の予熱を加えれば350℃でも一層安定な運転ができる。低温で炭化した炭化物は揮発分が多く燃焼性が良いことに加えて揮発分を多く残すことによって炭化物の収率も高く経済性がよく燃料としての価値も高く利便性に優れている。
乾燥機は炭化装置をシステムとして炭化物を生産しつつ、一方で熱発生利用システムとして活用するために有用である。 特開2008−261571は2枚の金網、多孔板で薄い板状の空間を構成し、この空間にバイオマス粉砕物を充填して自然通風乾燥すると家庭で洗濯物を干す状況に近く、高水分のバイオマスは6乃至24時間程度で30%以下にできる。この技術と組み合わせると本発明の経済性は大幅改善され、炭化炉の温度が安定する利点がある。バイオマスは50乃至90%の水分を含むものが多く、水分の多いものは燃料としては本来無価値のものである。 代替燃料化と付加価値を付けるのが本発明の重要な目的である。よって自然乾燥して水分含量を30%以下を目標にして低下させるのが好ましい。さもなければ、処理は単に原料を焼却して減容するに近くなる。よって本発明では炭化原料を炭化前に自然通風乾燥すること、必要に応じ乾留ガスの燃焼によって熱利用した後にその煙道排熱を自然乾燥の補助にとどめるのが適当である。
スクレーパ材質は低温流動炭化炉では普通鋼でよい。500℃付近以上では耐熱鋼が使える。
450℃以下の低温炭化では鋼製内壁と保温外装で炭化装置を構成できる。勿論耐熱鋼も475脆性を考慮すれば使用出来る。
固定床、回転炉と異なり局部過熱がない低温運転可能の流動炭化炉の利点である。炉内壁には必要によって耐熱被覆、耐火物被覆できる。
棚段を撹拌し、時には破砕作用する場合には鋼製内壁は耐火物に比し高強度である利点を生じる。加えて、内壁に棚段、破砕用突起等を容易に取り付けることができる。溶接、ネジ、ボルト留めも補修も自由である。粗大物が供給原料中に含まれなければ原料は棚段の孔、格子、間隙を通過するが、団塊となって流動層底部に達するのを防止できる。湿った原料の場合に必要性が高い。この炭化炉棚段は着脱自在にしてもよい。
撹拌機は中空にして空気供給孔、噴出孔を設けてもよい。これらは高温強度を上げ空気噴出の場合には部分燃焼用の空気を予熱して吹き出すと同時に流動化ガスとして撹拌抵抗を減じる作用がある。
図5】複数の棚段が流動層上部空間にある炭化炉の粉粒と粗大片それぞれの流れ、乾留ガス傍流の取り出し管41を有すル断面説明図本発明では撹拌腕である翼、スクレーパに突起を付けたものによって一段以上設けた棚段を撹拌できることに特徴がある。繊維或いは線、紐状物、小片等はスクレーパと突起等は、原料が炭化して脆くなった位置に設けるのが望ましい。流動し難い25乃至50mm角以上の小片でも4mm乃至10mm厚み程度であれば、流動層内部では事実上4乃至10mm相当の粒径の原料として流動炭化炉に供給できることがわかった。比較的細い長い例えば70mm程度の枝、根でも径15mm程度以下ならば処理容易になる。
本発明では流動層高さを低くできる。この場合には微粉は短時間で炭化炉を通過する。流動化している粒子も流動層内を高速短時間で短絡通過させるが、不足する必要滞留時間を後置の固定床または移動床貯槽の高温保持で補うものである。後置貯槽での炭化物貯蔵温度を変化でき、炭化炉では滞留時間不足であった未反応炭化物に滞留時間を与えて脱煙できるので、過大な滞留時間を全炭化物に及ぼすことを避けることができる。この温度と滞留時間は実験と実運転の炭化物の発煙状況によって容易に判断し調整することができる。貯槽内の炭化物は押し出し流れか、撹拌による均一化で既存技術によって調整可能である。
後置貯槽に於ける温度調節は保温の他に熱交換器を使える。或は少量の空気、遊離酸素含む燃焼排ガスの分散吹込みによっても調節できる。これらを併用してもよい。撹拌機を内蔵して撹拌し均一化するのは好ましい。可燃ガス発生時に備えて雰囲気は遊離酸素5%以下に保持され、安全弁、スプリンクラー等の安全装置を装備することが望ましい。なお流動層加熱又は冷却機、熱交換器を内蔵或は付属させてもよい。発明者の特願2007−105016「乾燥装置とバイオマスシステム」は自然通風、強制通風併用でき小型分散型装置で、高圧送風量が直接燃焼やガス化燃焼の場合の半分以下と電力節減になる等で、バイオマス、間伐材粉砕物貯蔵と乾燥を同時にでき、本発明に加えると効果を増強できる。従来の回転炉、流動炉による炭化方法の数倍乃至10倍、固定床炉に対してはそれ以上の高速で処理でき、減容減量の場合も有効である。
本発明と従来の流動炭化との差は従来法が炭化炉本体で炭化反応完結を意図しているのに対し本発明は、炭化炉で原料に一部乃至大部分の乾留所要熱を与えた後、後置貯槽に排出してここで反応を完結すればよいことにある。余裕をみる必要がないので高速処理可能になった。また、流動層内部に棚段構造を導入し併用できるので粗大な木材チップを殆ど無選別でそのまま原料として使える。通常流動層では処理できなかった12mm以下好ましくは10mm以下の薄いものであれば板状物、粗大物でも大量高速処理できる。細い小枝でも同様である。それ以上の寸法のものでも少量含有であれば処理でき実験によって定めることができる。従来の流動炭化では乾留速度を大きくするためには粉砕によって粒度を例えば3乃至5mm以下或は15mm以下にするものであったが、本発明では、炭化炉の後に炭化反応を継続できる後置貯槽を置くことによって形状、粒度が大きいもの、細く長いものも高速処理でき、粉砕篩分動力を節約できる。必要ならば本発明では粗い状態でとりだすこともできこれを炭化後に粉砕すれば粉砕は容易である。
粒度分布、滞在時間、水分、材料の差による残留揮発分、発煙の有無については全炭化物の炭化反応の完結を必須条件とせずに炭化炉から貯槽に高温の炭化物を送り、炭化反応を所望の程度迄達成すること、炭化の進行による過度の揮発分損失は貯槽の温度低下と滞留時間調整によって防止できる利点を生じる。後置貯槽を炭化物の緩徐な酸化、燃焼に使えること、この後置貯槽に熱交換器を装備して熱媒体、水栽培の水加熱、温水、蒸気の取得、温風の発生に使えること、高速処理による小型軽量化可能であること、これによって分散配置型バイオマス、可燃廃棄物、災害に於ける大量の可燃瓦礫、山林原野の汚染草木、農林産副生物の処理が可能になることである。炭化物は高速低温炭化にかかわらずタール分の脱離を完全にできるので、バラ積み貯蔵、サイロ貯蔵だけでなく、酸化雰囲気で処理されているので自然発火も有害物の沁み出しもなく安全に貯蔵、使用できる。草木、農林産物の処理にも500℃以下の内部部分燃焼による小型装置の内熱炭化によって対応できる。この発明による棚段付き炭化炉は温度安定性の故に後置高温貯槽を省略した装置でも従来困難であった50%水分程度の比較的高水分のバイオマスも流動炭化処理できた。但しこの場合には余分の熱量損失が発生する。

発明の効果

間伐材、落葉、少量の又は大量の未利用資源、多様な廃材の経済的活用を可能にした。そして、流動炭化法の難点であった炭化物の密度、揮発分等の性質の調節を可能にし、同時に炭化炉の小型化困難、送風機消費動力費、原料粉砕費、乾燥費問題が本発明で解消され、しかも高速化し、未利用原料を石油代替燃料として温室熱源等に利用しながら、一方で炭化物生産を可能にした。630℃以下の流動層過熱部位無しの条件を利用して運転温度安定化し、無人運転でき、500℃付近以下でも高速処理できる。従って流動炭化炉の構成材料は断熱材を含めて安価なものが使え、小規模分散型装置が可能である。既述の簡易な自然乾燥装置の併用でさらに処理能力、経済性が向上し、災害廃材、海水塩分を含む可燃物、海水汚染のバイオマスも処理可能になった。棚段を付加すると炭化物品質の調整と同時に、この部位から乾留ガスを側流として取出して伝統的炭化炉同様に木酢、木タールを回収できる。撹拌機を装備して撹拌するのが好ましい。少量のパージガスを偏流がないように分散して、発煙している炭化物堆積層に向流に送り、発生するタール、煙をパージすることができる。
このパージガスに5%以下の遊離酸素を含ませれば低温酸化熱で貯留層内の炭化物の温度降下を防止できる。水冷、空冷の伝熱面を設ければ空気による低温燃焼機として温水、温風供給にも使える。空調用空気、水加熱の供給量を多くするために、伝熱面を広く取り熱源装置とすることができる。またこの伝熱面は炭化物冷却用にも活用できる。撹拌機が伝熱面、燃焼用或はパージ用ガス、少量空気供給を兼ねてもよい。炭化物取り出しのためには冷却手段を経て取り出すこともできる。
後置貯槽から炭化物を出すには空冷又は水冷の空気冷却輸送装置、冷却流動層、冷却スクリュー等を使うことができる。この方法で炭化脱煙処理された炭化物は空気中室温での自然発火性はない。既に空気酸化条件で炭化処理されているためと思われる。
本発明による流動内熱部分燃焼炭化炉は従来の流動層装置の多くは5mm以下の原料粒度、時に15mm以下の小粒度までの粉砕が必要であったが本発明では25mm或は30mmの小片が含まれていてもよく、従って粗い小片の炭化物も得られる。さらに、固定層貯留槽を含め2段以上の炭化炉相当の反応が可能であり、未反応炭化物は後置する貯留槽で反応を進行させることによって、炭化炉である流動炭化炉の負荷を上げることができる。 従来の炭化炉では1炉で炭化物を無煙にしていたので滞留時間は長く、比較的高温での炭化が必要で、炭化物収率を高くし、高速運転するのは困難であった。
本発明は高速低温炭化によって炭化炉出口で溢流口炭化物、サイクロン炭化物とも未反応粒子粉粒、細片の排出があっても後置の高温貯留層によって、無煙化されるので滞留時間大幅短縮、多くは同じ温度条件で半減乃至3分の1と3倍の能力になり、低温運転も可能になる。この低温運転の可能化は炭化物収率の向上、より安価な装置構成材料例えば500℃ないし450℃以下では炭素鋼が使える利点を生ずる。流動層炉であるから炭化温度は正確に自動調節できる利点が反応、装置材質ともに発揮される。
比較的低温で330乃至350℃で部分燃焼内熱炭化すると粉粒原料も粗大なチップでも比較的硬い炭化物が得られる。特に炭化炉内で粉粒原料より遅い昇温速度のチップの低温炭化では木質の熱可塑化による膨張が抑制されるので比重、収率とも比較的高く小片状の炭は粉状炭より燃焼容易であるから価値が高い利点がある。なお高速の炭化では炭化が過度に進行すると収率悪化に加えて脆い製品になる。高速炭化でしかも発煙中の炭化物の排出を許容すれば過度の炭化を防止できる。しかも固定層の後置貯槽では流動化の必要がなく、必要に応じて撹拌機を槽内に挿入できる。炭化物は軽量であるから撹拌抵抗は少ない利点がある。撹拌機が空気、燃焼ガス、5%以下の遊離酸素を含むガスを均一に導入でき爆発、着火を予防できる。
原料の乾燥は好ましい。特に流動乾燥は過熱の恐れがないので、200℃まで原料予熱を兼ねた乾燥ができる。流動化ガスには乾留ガスの燃焼排ガスの直接吹込みか、加熱空気による流動化が使え乾燥排気処理は簡易になる利点がある。300℃の予熱のために条件によっては乾留ガスの燃焼ガスで空気を加熱し、この空気を使用してもよい。これによって低温炭化の炭化炉の流動層温度はより安定する。いずれの流動層も加熱面を内蔵したものであってよい。予熱空気は低温運転の炭化炉の安定化に好適で、空気加熱系は共通化可能である。乾燥排気は熱分解のない流動乾燥であるから排気臭の発生が少なく熱回収できる利点がある。
流動化空気予熱、原料乾燥と予熱、伝熱面の挿入の1つまたは組み合わせによって炭化炉の流動化用部分燃焼空気は減り、炭酸ガス発生量は減じ、バグフィルタ、排気洗浄塔負荷が減り、焼却炉による焼却処理に比して小型化でき排煙量は半減する。加えて、小型装置は移動と転用が容易である利点も発生する。
流動層内部に撹拌機、粉砕機或は篩分機を設けたものは公知である。しかし、棚段を設けて、炭化しつつ粉砕するものはない。
本発明は通常流動層が応用される粉粒の粒度以上の15mm以上50mm程度のものも流動層に浸した状態で炭化し或は炭化不十分の粗大物も、高速処理を達成するために炭化進行中の通常粒子とともに排出を許容することによって高速処理、粗大物は通常粒子で構成された流動浴に共存させかつ後置の貯留槽を大量貯蔵槽兼炭化機とすることによって大量処理を可能にした。
300℃では炭化時間8.5分で収率80%、この炭化物は着火しやすく空気内熱炭化は流動層でのみ可能である。発煙中の炭化物を窒息状態で後置貯槽において脱煙を完成させることができる。この時少量、例えば5%以下の遊離酸素を含み又は含まない冷乃至熱燃焼排ガスを後置貯留槽に分散して少量吹き込んで温度調整し炭化脱煙を完成でき、炭化炉の低温短時間炭化高速化を可能にした。
流動層内撹拌機と棚段は粗大チップを含む原料をそのまま炭化炉に供給する場合に、炭化炉底部の流動化空気分散器或はスパウテッド層の吹き込み口に沈積妨害することを防止する。粗大チップは特に水分を多く含み、重いチップはスクリュー供給機で供給されると、炭化炉底部に沈下し、流動層形成を妨げる。よって撹拌機によって炭化が進行し軽くなって流動化するまで棚段上で撹拌しなければならない。最終的に流動化しないものは炉底部の排出口から排出することができる。粗大チップの比率が多い時には、棚段の金網、格子、多孔板上に供給原料を落下させて撹拌機で撹拌しつつ流動化している炭化物と接触させて移動分散させ炭化を進行させることができる。撹拌機腕を粉砕に使用してもよい。炭化物は木材より脆いので高温で容易に粉砕し流動化させることもできる。大量の粗大物をそのまま処置するには多段炉を流動層内に構成することができる。その場合には、原料調整用の粉砕機を省略できる利点がある。また原料水分が過大でなければ、簡単な粉砕機で粉砕し、そのまま短期貯蔵を兼ねた乾燥機で数時間乾燥の後に炭化炉に供給することを可能にする。要するに炭化炉に入れることができれば、炭化できる場合が多い。特に粗大物は10mm厚の薄い板状、或は10mm径以下の短い小枝、長い繊維状の芝、すすき等の根、稲藁、すすきの葉などは低温流動炭化による高速処理が可能になった。竹のように薄いものの粗大物は小粒径の粒子同様に処理できた。その大きさの限界と混入許容量は実験によって容易に確認できる。
炭化炉が複数の炭化炉で構成されていてもよい。この場合には例えば低温で燃焼速度が遅く不安定な炭化炉をより高温で安定に運転される炭化炉と接触し或は伝熱面を介して包囲することができる。
通常の固定床炉、回転炉では原料製品の出し入れ、炭化の操作は素人労働では安全性、労働過重問題がある。流動層は自動化容易で自動的に一定品質の炭化物を安定して生産でき、原料、製品の輸送は粉粒輸送であるから専任運転員を必須条件としない利点がある。バイオマスは50km圏内での収集と処理が経済性から必要とされ、このために小型高能率で装置、製品とも高い安全性と省力化、自動化が必要であった。車載可能のものが望ましく、流動炭化炉と貯留槽が別で炭化炉本体と貯留層を現地で接続、切り離し可能に構成できるから、大型の本発明の貯留槽と通常のサイロを多数箇所に分散配置できる。発生乾留ガスと要すれば炭化物燃焼装置で温室、公共施設、工場等の熱源とし、余剰炭化物を外販用原燃料とすることができる。
炭化物の後置貯槽は炭化炉と直列に連結され、単数又は複数で異なった大きさ、構造であってもよい。炭化炉と独立の槽、炭化炉を包囲し内蔵する槽構造、炭化炉に内蔵した槽、炭化炉上部或は下部に配置することもできる。
追加の炭化機でもある後置の貯槽温度は炭化収率を上げるために流動炭化炉より低温にするがよいが、炭化処置能力を上げるために加熱装置を付け高温にしても流動炭化炉と同一温度であってもよい。これによって炭化炉の能力と発生する乾留ガス量調整を容易にする。
炭化炉からの乾留ガス量を増加するには炭化炉の炭化温度を上げ、原料の処理量を増加すればよいが、従来、煙脱離の条件に制約されてたが本発明によれば製品炭化物の収量、品質についても自由度を幅広くとることができる利点がある。
温度調節のために貯槽と炭化炉の間に熱交換冷却装置、水添加、燃焼用空気吹き込み、燃焼ガス吹き込みを行なってもよい。このために貯槽の一部、特に好ましくは上部を使ってもよい。貯槽にも一段以上の棚段、吹き込み装置、熱交換装置を兼ねた均一化のための撹拌機を装備してもよい。これらは貯槽としての偏流排出を防止する作用もあり、容量増大にも寄与する。低コストの平底貯槽も可能にする。
従来、バイオマスは通常30乃至90%の水分を含むので予備乾燥なしでは経済性が悪く利用困難であった。また、大量集積すると自然発火するので時には燃料であるに拘らず潅水が必要であった。炭化処理は減容と大量貯蔵を経済的に可能にする。
棚段材料は普通鋼、耐熱鋼製で網、格子、立体格子、多孔板の形態が適当である。管、フィン、突起付管であってもよい。格子状に組んだ管は空気の予熱器として流動化空気、流動層内吹出し、外部に取り出して暖冷房用、工場用熱源空気に使用できる。
本発明では、低温での炭化炉温度安定のために空気予熱が望ましいが、炭化炉目標温度以上に予熱する必要はないので、予熱空気による過熱はない。450℃以下350℃程度の低温では安定な内熱の燃焼制御が困難と思われていたが、本発明の炭化法によって安定になり。流動化空気又は原料の予熱を加えれば350℃でも一層安定な運転ができる。低温で炭化した炭化物は揮発分が多く燃焼性が良いことに加えて揮発分を多く残すことによって炭化物の収率も高く経済性がよく燃料としての価値も高く利便性に優れている。
乾燥機は炭化装置をシステムとして炭化物を生産しつつ、一方で熱発生利用システムとして活用するために有用である。
特開2008−261571は2枚の金網、多孔板で薄い板状の空間を構成し、この空間にバイオマス粉砕物を充填して自然通風乾燥すると家庭で洗濯物を干す状況に近く、高水分のバイオマスは6乃至24時間程度で30%以下にできる。この技術と組み合わせると本発明の経済性は大幅改善され、炭化炉の温度が安定する利点がある。バイオマスは50乃至90%の水分を含むものが多く、水分の多いものは燃料としては本来無価値のものである。
代替燃料化と付加価値を付けるのが本発明の重要な目的である。よって自然乾燥して水分含量を30%以下を目標にして低下させるのが好ましい。さもなければ、処理は単に原料を焼却して減容するに近くなる。よって本発明では炭化原料を炭化前に自然通風乾燥すること、必要に応じ乾留ガスの燃焼によって熱利用した後にその煙道排熱を自然乾燥の補助にとどめるのが適当である。
スクレーパ材質は低温流動炭化炉では普通鋼でよい。500℃付近以上では耐熱鋼が使える。
450℃以下の低温炭化では鋼製内壁と保温外装で炭化装置を構成できる。勿論耐熱鋼も475脆性を考慮すれば使用出来る。
固定床、回転炉と異なり局部過熱がない低温運転可能の流動炭化炉の利点である。炉内壁には必要によって耐熱被覆、耐火物被覆できる。
棚段を撹拌し、時には破砕作用する場合には鋼製内壁は耐火物に比し高強度である利点を生じる。加えて、内壁に棚段、破砕用突起等を容易に取り付けることができる。溶接、ネジ、ボルト留めも補修も自由である。粗大物が供給原料中に含まれなければ原料は棚段の孔、格子、間隙を通過するが、団塊となって流動層底部に達するのを防止できる。湿った原料の場合に必要性が高い。この炭化炉棚段は着脱自在にしてもよい。
撹拌機は中空にして空気供給孔、噴出孔を設けてもよい。これらは高温強度を上げ空気噴出の場合には部分燃焼用の空気を予熱して吹き出すと同時に流動化ガスとして撹拌抵抗を減じる作用がある。
本発明では撹拌腕である翼、スクレーパに突起を付けたものによって一段以上設けた棚段を撹拌できることに特徴がある。繊維或いは線、紐状物、小片等はスクレーパと突起等は、原料が炭化して脆くなった位置に設けるのが望ましい。流動し難い25乃至50mm角以上の小片でも4mm乃至10mm厚み程度であれば、流動層内部では事実上4乃至10mm相当の粒径の原料として流動炭化炉に供給できることがわかった。比較的細い長い例えば70mm程度の枝、根でも径15mm程度以下ならば処理容易になる。
本発明では流動層高さを低くできる。この場合には微粉は短時間で炭化炉を通過する。流動化している粒子も流動層内を高速短時間で短絡通過させるが、不足する必要滞留時間を後置の固定床または移動床貯槽の高温保持で補うものである。後置貯槽での炭化物貯蔵温度を変化でき、炭化炉では滞留時間不足であった未反応炭化物に滞留時間を与えて脱煙できるので、過大な滞留時間を全炭化物に及ぼすことを避けることができる。この温度と滞留時間は実験と実運転の炭化物の発煙状況によって容易に判断し調整することができる。貯槽内の炭化物は押し出し流れか、撹拌による均一化で既存技術によって調整可能である。
後置貯槽に於ける温度調節は保温の他に熱交換器を使える。或は少量の空気、遊離酸素含む燃焼排ガスの分散吹込みによっても調節できる。これらを併用してもよい。撹拌機を内蔵して撹拌し均一化するのは好ましい。可燃ガス発生時に備えて雰囲気は遊離酸素5%以下に保持され、安全弁、スプリンクラー等の安全装置を装備することが望ましい。なお流動層加熱又は冷却機、熱交換器を内蔵或は付属させてもよい。発明者の特願2007−105016「乾燥装置とバイオマスシステム」は自然通風、強制通風併用でき小型分散型装置で、高圧送風量が直接燃焼やガス化燃焼の場合の半分以下と電力節減になる等で、バイオマス、間伐材粉砕物貯蔵と乾燥を同時にでき、本発明に加えると効果を増強できる。従来の回転炉、流動炉による炭化方法の数倍乃至10倍、固定床炉に対してはそれ以上の高速で処理でき、減容減量の場合も有効である。
本発明と従来の流動炭化との差は従来法が炭化炉本体で炭化反応完結を意図しているのに対し本発明は、炭化炉で原料に一部乃至大部分の乾留所要熱を与えた後、後置貯槽に排出してここで反応を完結すればよいことにある。余裕をみる必要がないので高速処理可能になった。また、流動層内部に棚段構造を導入し併用できるので粗大な木材チップを殆ど無選別でそのまま原料として使える。通常流動層では処理できなかった12mm以下好ましくは10mm以下の薄いものであれば板状物、粗大物でも大量高速処理できる。細い小枝でも同様である。それ以上の寸法のものでも少量含有であれば処理でき実験によって定めることができる。従来の流動炭化では乾留速度を大きくするためには粉砕によって粒度を例えば3乃至5mm以下或は15mm以下にするものであったが、本発明では、炭化炉の後に炭化反応を継続できる後置貯槽を置くことによって形状、粒度が大きいもの、細く長いものも高速処理でき、粉砕篩分動力を節約できる。必要ならば本発明では粗い状態でとりだすこともできこれを炭化後に粉砕すれば粉砕は容易である。
粒度分布、滞在時間、水分、材料の差による残留揮発分、発煙の有無については全炭化物の炭化反応の完結を必須条件とせずに炭化炉から貯槽に高温の炭化物を送り、炭化反応を所望の程度迄達成すること、炭化の進行による過度の揮発分損失は貯槽の温度低下と滞留時間調整によって防止できる利点を生じる。後置貯槽を炭化物の緩徐な酸化、燃焼に使えること、この後置貯槽に熱交換器を装備して熱媒体、水栽培の水加熱、温水、蒸気の取得、温風の発生に使えること、高速処理による小型軽量化可能であること、これによって分散配置型バイオマス、可燃廃棄物、災害に於ける大量の可燃瓦礫、山林原野の汚染草木、農林産副生物の処理が可能になることである。炭化物は高速低温炭化にかかわらずタール分の脱離を完全にできるので、バラ積み貯蔵、サイロ貯蔵だけでなく、酸化雰囲気で処理されているので自然発火も有害物の沁み出しもなく安全に貯蔵、使用できる。草木、農林産物の処理にも500℃以下の内部部分燃焼による小型装置の内熱炭化によって対応できる。この発明による棚段付き炭化炉は温度安定性の故に後置高温貯槽を省略した装置でも従来困難であった50%水分程度の比較的高水分のバイオマスも流動炭化処理できた。但しこの場合には余分の熱量損失が発生する。<




発明の効果

間伐材、落葉、少量の又は大量の未利用資源、多様な廃材の経済的活用を可能にした。そして、流動炭化法の難点であった炭化物の密度、揮発分等の性質の調節を可能にし、同時に炭化炉の小型化困難、送風機消費動力費、原料粉砕費、乾燥費問題が本発明で解消され、しかも高速化し、未利用原料を石油代替燃料として温室熱源等に利用しながら、一方で炭化物生産を可能にした。 630℃以下の流動層過熱部位無しの条件を利用して運転温度安定化し、無人運転でき、500℃付近以下でも高速処理できる。従って流動炭化炉の構成材料は断熱材を含めて安価なものが使え、小規模分散型装置が可能である。既述の簡易な自然乾燥装置の併用でさらに処理能力、経済性が向上し、災害廃材、海水塩分を含む可燃物、海水汚染のバイオマスも処理可能になった。 棚段を付加すると炭化物品質の調整と同時に、この部位から乾留ガスを側流として取出して伝統的炭化炉同様に木酢、木タールを回収できる。

発明を実施するための最良の形態

本発明の炭化法で大量のバイオマスを従来の固定床炭化炉、回転炉、流動層炭化炉より高速で効率よく処理して減容すること、石油代替燃料として乾留ガス、炭化物を利用すること、バイオマスの特に乾留ガスの選択的自燃によって運転できるので、高い熱効率を維持すること、流動層の改良された良好な温度制御特性で小型化、高速処理、低温炭化を可能にし、炭化物収率を上げる方法である。 炭化層内部に一段以上の棚段を設けると運転が安定し従来流動層では炭化困難であった粗大片の処理も可能になった。。 従来困難であった炭化物の密度、揮発分等の性質の調節が容易になった。

実施例1

図1に於いて、流動層5は熱交換器17からの予熱空気で流動化されている。流動層に入った原料は数秒乃至数分で炭化され流動層を形成する。流動化空気は原料と乾留ガスを発生している炭化物を部分燃焼して熱を原料に与え炭酸ガスと水蒸気になり空気中の窒素、少量の未燃残留酸素、乾留ガス、タール蒸気との混合気を形成して微粉炭化物を同伴して炉出口20からサイクロンに入り微粉炭化物を分離して燃焼室16で燃焼する。高温の燃焼ガスは熱交換器17で熱交換して空気を予熱しスクラバを経て煙突19から放出される。サイクロンで分離された微粉炭化物は炭化炉の溢流管から溢流した炭化物と共に後置貯槽に入り、発煙中の炭化物は高温で滞留して炭化反応を継続し、脱煙を終了する。炭化物貯槽14は保温されている他、温度計測器に加えて、ガス吹込み管、撹拌機、熱交換器の少なくとも1つを有する。15は炭化物冷却器でスクリュー水冷套式が便利である。熱交換器を出た排ガスはスクラバを経て煙突に放出される。原料によってはスクラバの前にダイオキシン対策としてのバグフィルタを付けることができる。
1 風乾の5mm以下原料を乾留温度500℃の炭化炉に入れ、滞留時間30秒で発煙中の炭化物を、420℃の後置貯槽に排出しさらに2分間炭化を継続し無煙の炭化物を得た。収率は33.9%、炭化物比重は0.38であった。
2 同様に420℃30秒加熱し、300℃に冷却し温度維持した。炭化物収率は42%、比重0.43であった。
3 棚段の格子ピッチは10mmであった。原料粒度2乃至30mm角、厚み4乃至6mmの粗大チップを10%含む原料を同様に炭化したが、同様の結果が得られた。これは棚段の効果である
(対照例)500℃の炭化炉中で7分間炭化し無煙炭化物を得た。収率は23,5%、炭化物比重は0.28であった。
550℃で同様に3分間炭化し無煙炭化物を得た。収率は18.1%と少なかった。比重は0.20であった。

実施例2

粗大な細片を多く含むバイオマス炭化では、図1のように1段以上の棚段26を内蔵し、流動層底と棚段上を掃引する腕を持つ撹拌機12を有する炭化炉が適している。炭化炉内撹拌機12は粗大物が団塊として炉底部に落ちて流動化ガス分配機構7を阻害しないように作用する。原料は棚段26の供給点A(斜面によってスクリューフィーダからの落下位置、分散状態を調節できる)に落下し、棚段上を掃引する撹拌腕によって移動しつつ、細かい粉粒は分級されて棚段の孔、隙間から流動層内に入る。粗大物は棚段上を移動しつつ流動層又は流動層上部空間4又は流動層5の炭化反応中の高温の炭化物、乾留ガス、乾留ガスに同伴される微粒子と接触して流動層特有の良好な輻射と接触、対流伝熱によって数秒乃至分単位で炭化する。炭化物は木材より脆いので撹拌腕、棚段、突起物、障害物によって粉砕され流動化浮上し、若くは炭化炉底に沈んで炉底で流動化して炭化する。炭化に必要な熱量は発生する乾留ガスと炭化物の部分燃焼によって供給される。炭化炉の流動層滞留粉粒、粗大物を含めて流動層からの排出炭化物の発煙を許容し、後置貯槽からの製品には発煙する炭化物製品が含まれないように炭化炉を運転できる。これは目視又は機器によって制御し評価し制御できる。
棚段を利用し、炭化物の比重を実施例1のように制御できる。従来の炭化炉では常温から炭化温度まで供給原料が急熱され木質の可塑領域で粒子が膨張するものと推測されるが、従来型単一流動層では炭化温度が高いほど軽い炭化物が得られる。本発明によれば本棚段での孔、網目を制限することによって粉粒の分級効果を下げ、粗大物とともに新しい供給原料が団塊として移動し伝熱条件を意図的に悪化させて温度上昇速度を緩やかにして木質の熱可塑領域を通過させて膨張を抑制し炭化物密度を上げることができる。これは従来の内熱部分燃焼炉では達成できなかったもので、1流動層内に温度分布、物質分布を作ることができたことをも意味する。これは従来困難であったもので製品品質、熱効率の改善を可能にする。後置貯槽と長時間低温の棚段上滞留の併用でさらに有効になる。
また図5のように棚段部に排出ガス取り出し管41を取付け流動層からの伝熱を制限する遮蔽板を併用して棚段部の遅い温度上昇部からの酸化流動接触分解による重質化の影響の少ない乾留ガスを傍流として取り出し木酢液、木タールを得ることができる。これは従来の流動炭化では困難であった。
本発明は発煙中の炭化物粒子を炭化炉から排出して発煙と収率を評価して、炭化物の燃焼損失と過大な炭化時間を防止し炭化物収率を改善できる。630℃以下の炭化では空気中の酸素の炭化物及び乾留ガスとの燃焼速度が大きくないので過熱がない。
従来の燃焼ガス火炎や伝熱面による外熱によって炭化の所要熱を原料に供給する炭化法では高温の流体、又は伝熱面の過熱状態が必要であるのと基本的に異なっている。
(対照例)内径2mの固定床装置で外熱のみによっては事実上炭化できなかった。レトルト中央部は生のまま残留していた。底部から燃焼用空気を送入すると、層底部で過熱灰化した。流動層であっても層底部で流動しない部分があれば同様灰化と過熱が起き炭化物収率は低下した。
粗大物を分離した流動層炭化でも630℃以上では過熱と灰化が起き収率は低下した。灰溶融、焼結が発生し連続運転継続不能になった。
従来の運転法による内熱式流動炭化炉では木タールが分解重質化して乾留ガスから有用成分を回収することは困難であった。

実施例3

木材チップ(15×10mm角6mm厚み)を特開2008-261571の装置で、10%水分に乾燥して500℃、1分処理し発煙中の炭化物を420℃に冷却しつつ貯槽に移した。2分後に発煙は消失し炭化反応は完了した。収率は無水ベースで32%であった。枝葉粉砕物でも2段処理後に冷却すれば収率が改善された。
(対照例) 500℃一定温度で炭化したところ、10分で発煙しないものが得られたが収率は25%であった。

実施例4

15乃至35mm角の40%水分のチップを含む5mm以下の廃材チップ図1の方法によって550℃炭化した。25mm角7mm厚みのチップは3分で炭化した。炭化物は容易に粉砕でき粉砕物は流動化した。流動炭化炉の温度は安定していた。
(対照例) 棚段のない流動層では温度は不安定であった。

実施例5

径200mm高さ2mの耐熱鋼製の連続流動炭化炉で粒度5mm以下の木材チップを450℃で炭化した。保温した420℃の後置貯槽付で収率35%であった。
(対照例)
径200mm高さ2mの耐熱鋼製の連続流動炭化炉単独で同様に450℃で炭化した。滞留時間は12分、収率25%であった。

産業上の利用可能性

分散配置或は可搬性の小型高能力の流動炭化炉1基に、分散配置の既述後置貯槽、分散配置の貯槽数箇所の構成が可能である。小型流動炭化炉では乾留ガスバーナーを温室、工場、住宅団地用熱源としてバイオマスを燃焼活用しつつ他方で炭化物を副生できる。炭化物も貯蔵燃料として必要により燃焼してそのまま熱源にできる。本発明はバイオマス炭化装置としてだけでなく後置貯槽に熱交換器を着脱自在に挿入して炭化物の燃焼・熱利用装置、炭化物貯槽(サイロ)としても使える。経済性を大幅に改善したので少量未利用の剪定枝葉の活用、災害瓦礫、農林産廃物の処理に分散処理、大量集中処理、いずれにも使える。




特開平06-128576 粉炭

要約

下水処理場、家庭用・大型浄化槽或いは食品工場の処理場に発生する汚泥の新たなる処理分野を開拓し提示。 汚泥は糞や食物の残渣等の水分を多量に含む固形物であるから、水分を蒸発させ、通常の方法で炭化でき、得られた粉炭は木を原料とする木炭に近い物性を有するものであり、粉炭の一般的用途である燃料、肥料、水質浄化剤或いは土壌改良剤等の効用を奏する。

表1

特許請求範囲

【請求項1】 汚泥を原料として炭化して成ることを特徴とする粉炭。

概説

従来の粉炭の原料としては、木の幹や枝、鋸屑等を原料として炭化し、必要により粉砕して製品を得ている。又、本発明者は、先におから等の植物性残渣や、牛糞等の動物の排泄物を原料として粉炭を製造することを提案している。
植物性残渣及び動物の排泄物の処理が自然環境への悪影響と共に、公害問題になりつつあることに鑑み、その積極的利用による活用を図ったものである。そして、これ等は未処理の残渣等を直接利用するものであって、残渣等自体の処理を第一義の目的とし、得られた副産物が有効利用できる物性を有することに着眼して、資源のリサイクルを円滑に行うものである。
しかし、各種廃棄物を処理する施設に於いても、総てを完全に処理し、自然界へ戻せるものではない。例えば、下水処理に於いては、処理槽や処理池の中に汚泥が沈殿、滞積し、又食品工場から排出する汚水等の処理のための槽や池にも同様の汚泥が沈殿、滞積するのである。
これらの汚泥は、海に投棄したり、乾燥させて肥料や埋め立て用に用いたり、焼却して建材に再利用したり、更に微生物によって更に消化する等の処理を行っているが、いずれも決定的とは言えず、新たなる処理方法及び有効利用分野が望まれているのである。

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は下水処理場、家庭用・大型浄化槽或いは食品工場の処理場に発生する汚泥の新たなる処理分野を開拓し提示せんとするものである。
【課題を解決するための手段】本発明は、汚泥を原料として炭化し粉炭としたものである。
【作用】汚泥は糞や植物の残渣等の水分を多量に含む固形物であるから、水分を蒸発させ、通常の方法で炭化でき、得られた粉炭は木を原料とする木炭に近い物性を有するものであり、粉炭の一般的用途である燃料、肥料、水質浄化剤或いは土壌改良剤等の効用を奏するものである。
【実施例】汚泥は、通常の炭化方法或いは公知の連続炭化装置等によって粉炭とすることができる。そして、得られた粉炭を成分分析した結果は、表1の通りであった。




脚注及び関連項目

 




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