オールソーラーシステム Code No.20180621


国内最大 メガワット級 大型固体高分子型水素発生装置を開発

作成:2018.06.21|改訂:

特集|大型固体高分子型水素発生装置

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メガワット級 大型固体高分子型水素発生装置開発

概要

2018年6月13日、日立造船株式会社は、メガワット級の発電施設において余剰電力の貯蔵を可能にする、国内最大となる200Nm3/hの水素を製造できる大型固体高分子型水素発生装置(以下、本装置)を開発しました。今年度に実証実験を開始し、来年度の販売開始を目指す。同社は、1974年の通商産業省工業技術院(当時)によるサンシャイン計画から一貫して水素発生装置の開発に取り組んできた。2000年には水素発生装置「HYDROSPRINGR」の販売を開始し、官庁、研究機関、民間企業向けに生産用や研究開発用に多数の納入実績を重ねる。近年、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの普及が進むなか、将来の水素社会の到来、水素需要の増加を見据えてこのたび本装置を開発した。

装置特性

水素発生装置は、水を電気分解し、高純度の水素を製造する。風力発電や太陽光発電など、再生可能エネルギーによって生み出された電力の余剰分を、水の電気分解により水素として貯蔵することができる。本装置は、国内最大となる200Nm3/hの水素製造能力を有し、メガワット級の電力変換に対応した国内初の製品です。心臓部である電解槽の大型化に関しては、日立造船の持つ電解技術とフィルタープレスの技術を融合させることにより、開発に成功。また、40フィートコンテナに収納した可搬式であるため設置コストが安価。

電解槽の構造

装置概要

1.装置名: 水素発生装置「HYDROSPRINGR」(固体高分子型)
2.仕 様: @水素製造能力 200Nm3/h(定格) A純度99.999%-dry
3.形 状: 40フィートコンテナ(長さ12.2m×幅2.4m×高さ2.6m)
4.特 長: @高い安全性  電気と水だけで、オンサイト・オンタイムで水素を大量に製造 : A高い利便性  コンテナ収納で可搬式であり、ボンベの運搬・保管・交換が不要 B高効率および負荷変動追従性  固体高分子型電解槽採用により高効率に水素を製造 風力発電、太陽光発電等の再生可能エネルギーの急激な電力負荷変動に追従




特開2010-121146 固体高分子型水電解装置

要約

水電解槽の故障や経年劣化等による異常状態が発生した際に、リアルタイムに異常を検知することで、異常発生時の安全性をより一層向上させた固体高分子型水電解装置を提供にあっては、下図3のごとく、水電解中(S1)に、電解電圧Vtを計測する(S2)とともに、循環水温度yを計測し(S3)、さらに、電流密度xも計測して(S4)、各信号を制御手段に送信する。制御手段は、これらのxとyを式(1)に代入して電解電圧Vを求め(S5)、このVを基にして、設定上限値Vuおよび設定下限値Vdを求める(S6)。制御手段は、さらに、これらの許容範囲と電解電圧Vtとを比較し(S7)、電解電圧Vtが電解電圧の範囲外であれば、水電解を停止する(S8)とともに、各ライン(水素取出しライン、酸素取出しラインおよび水循環ライン)の遮断弁(S9)を閉じる制御手順で水素を製造する。

図1、2図3

【符号の説明】
(1)水電解槽 (3)水素気液分離器 (4) 酸素気液分離器 (6)循環ポンプ (5) 水循環ライン (8)水素取出しライン (9)酸素取出しライン (10) 水素排出ライン (12) 酸素排出ライン (21)(22)(23) 遮断弁 (27)(28) 圧力検知計(計測機器) (29)(30) 濃度計(計測機器) (32) 電圧計(計測機器) (33) 温度計(計測機器) (34) 電流計(計測機器) (41) 遮断弁
図面の簡単な説明】
【図1】この発明による固体高分子型水電解装置の第1実施形態を示すブロック図
【図2】電解電圧と電流密度との関係を示すグラフ
【図3】この発明による固体高分子型水電解装置の制御手段における処理ステップを示すフローチャート




特開2015-187287 水電解方法及び水電解装置 宇宙航空研究開発機構他

要約

宇宙船や宇宙ステーションにおいて人の呼吸等に必要な酸素は、水の電気分解により作り出すことが可能である。
一般に、水の電気分解を固体高分子膜を使用した電解装置により行う例として、酸素が発生する電極(アノード)側単独、もしくは水素が発生する電極(カソード)と酸素が発生する電極(アノード)側の両側に水を供給するものが知られている。
これは、固体高分子膜として一般的に使用される膜が水素イオン伝導性の膜であり電気分解に伴い、アノードからカソードに向けた電気化学的な浸透圧が発生し、アノード側からカソード側に水が移動する現象がおこるため、少なくともアノード側に水を供給しないと、電気分解の進行に伴い膜が乾燥してしまうためである。
これに対して、宇宙ステーション等において人の呼気として酸素を使用する場合には、乾燥した酸素を必要とする。湿潤した酸素は呼気として適さない上、閉鎖環境に湿潤したガスを提供することは結露を招き、電子機器に不具合を招く恐れがあるためである。
このため、乾燥した酸素を入手する方法が必要であり、かつ安全面に配慮するためには、対極で発生する水素が膜を通り抜けて酸素に混入することを最小限に抑える工夫が必要となる。
下図のごとく構造を単純化しつつ、生成された水素及び酸素の混入が極めて少なく、かつ、電解効率の高い水電解方法及び水電解装置は、表面に触媒層を設けた固体高分子膜を含む電解膜102のカソード側に水を供給し、電解膜の両面に電位差を付与して水を電気分解する水電解方法及び水電解装置100において、電解膜の両面の圧力差を50kPa以下に制御しつつ、電解膜のカソード側のみに温度制御された水を供給する。

図1図2

【符号の説明】
100 ・・・水電解装置 101 ・・・ハウジング 102 ・・・電解膜 103 ・・・カソード側 104 ・・・アノード側 110 ・・・電源手段 120 ・・・水供給手段 121 ・・・ポンプ 122 ・・・熱交換器(水温制御機構) 123 ・・・気水分離器 124 ・・・逆止弁 125 ・・・水タンク 126 ・・・イオン交換膜 130 ・・・圧力制御手段(酸素側) 131 ・・・流量計(酸素側) 132 ・・・湿度計(酸素側) 140 ・・・圧力制御手段(水素側) 141 ・・・流量計(水素側) 142 ・・・湿度計(水素側)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に触媒層を設けた固体高分子膜を含む電解膜の両面間に電流を流して水を電気分解する水電解方法において、前記電解膜の両面の圧力差を50kPa以下に制御しつつ、前記電解膜のカソード側のみに温度制御された水を供給することを特徴とする水電解方法。
【請求項2】前記固体高分子膜が内部にガス透過性の低い有機高分子あるいは無機物による膜強度の補強を施されていることを特徴とする請求項1の水電解方法。
【請求項3】前記固体高分子膜がフッ素樹脂により補強を施されていること特徴とする請求項1の水電解方法。
【請求項4】前記固体高分子膜がフッ素樹脂多孔質膜により補強を施されていること特徴とする請求項1の水電解方法。
【請求項5】前記固体高分子膜がポリテトラフルオロエチレン多孔質膜により補強を施されていること特徴とする請求項1の水電解方法。
【請求項6】前記電解膜のカソード側に供給される水の温度を室温〜60℃の範囲で制御し、水蒸気発生量を抑制しつつ、乾燥した酸素製造を可能にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水電解方法。
【請求項7】前記電解膜の膜厚を5μm〜200μmとすることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の水電解方法。
【請求項8】表面に触媒層を設けた固体高分子膜を含む電解膜と、該電解膜により区切られた空間を持つハウジングと、前記電解膜の両面間に電流を流す電源手段と、前記電解膜のカソード側に水を供給する水供給手段と、前記ハウジングの電解膜で区切られた両空間の圧力を制御する圧力制御手段を有する水電解装置において、前記水供給手段が前記電解膜のカソード側に供給される水の温度を制御する水温制御機構を有し、前記圧力制御手段により、ハウジングの電解膜で区切られた両空間の圧力差を50kPa以下とすることを特徴とする水電解装置。
【請求項9】前記固体高分子膜が内部にガス透過性の低い有機高分子あるいは無機物による膜強度の補強を施されていることを特徴とする請求項8の水電解装置。
【請求項10】前記固体高分子膜がフッ素樹脂により補強を施されていること特徴とする請求項8の水電解方法。
【請求項11】前記固体高分子膜がフッ素樹脂多孔質膜により補強を施されていること特徴とする請求項8の水電解装置。
【請求項12】前記固体高分子膜がポリテトラフルオロエチレン多孔質膜により補強を施されていること特徴とする請求項8の水電解装置。
【請求項13】前記電解膜のカソード側に供給される水の温度を室温〜60℃の範囲で制御し、水蒸気発生量を抑制しつつ、乾燥した酸素製造を可能にすることを特徴とする請求項8から請求項12のいずれかに記載の水電解装置。
【請求項14】前記電解膜が、5μm〜200μmの膜厚であることを特徴とする請求項8から請求項13のいずれかに記載の水電解装置。
【請求項15】前記水供給手段が、前記ハウジングの電解膜で区切られたカソード側に供給された水を、循環経路を介して循環利用するものであり、該循環経路中に、発生した水素を分離する気水分離器と前記水温制御機構とを有し、該水温制御機構が、熱交換器であることを特徴とする請求項8から請求項14のいずれかに記載の水電解装置。
【請求項16】前記水供給手段が、電気分解により減少した水を水タンクからイオン交換膜を介して供給する水補充経路を有することを特徴とする請求項8から請求項15のいずれかに記載の水電解装置。
【請求項17】請求項1から16の水電解方法または水電解装置に用いる電解質膜であって、 補強を施されていることを特徴とする電解質膜。




特開2018-098093 移動体 HAIFC株式会社他

要約

環境に優しいクリーンなエネルギー源として、水素が注目されている。例えば、燃料電池自動車では、車載の水素タンクに貯留された水素と、空気中の酸素とが燃料電池に供給されることにより発電が行われ、動力源である電動モータが駆動される。下図のように、移動体の大型化を抑制しつつ航続距離を増大させ移動体2は、本体部21と、推進機関22と、エネルギー供給部3とを備える。推進機関22は、本体部21を推進する。エネルギー供給部3は、推進機関22にエネルギーを供給する。エネルギー供給部3は、水素生成装置1と水素貯留部31とを備える。水素生成装置1は、当該エネルギーの生成に利用される水素を生成する。水素貯留部31は、水素生成装置1にて生成された水素を貯留する。水素生成装置1は、光増感剤と、水供給部と、照射部とを備える。水供給部は、光増感剤に水を供給する。照射部は、光増感剤上の所定領域にパルスレーザ光を照射して光増感剤を活性化させることにより、水供給部から供給された水から水素を生成する。これにより、移動体2の大型化を抑制しつつ航続距離を増大ができる。

図1

【符号の説明】
1,1a 水素生成装置  2,2a 移動体  3,3a エネルギー供給部  4 電源部  5 センサ  11,11a 光増感剤  12 水供給部  13 照射部  14 供給量調節部  15 光増感剤収容部  21 本体部  22,22a 推進機関  31 水素貯留部  32 燃料電池  41 太陽電池モジュール  42 電源部バッテリ  221 電動モータ

図1は、本発明の第1の実施の形態に係る移動体2の構成を示す図である。図1に示す例では、移動体2は、燃料電池によって発電した電気エネルギーを使用して電動モータを駆動することにより走行する燃料電池自動車である。
移動体2は、本体部21と、推進機関22と、水タンク23と、エネルギー供給部3と、電源部4と、センサ5とを備える。本体部21は、自動車のボディおよび座席等を含む。水タンク23は、本体部21に固定され、内部に水を貯留する。推進機関22は、本体部21を推進する。推進機関22は、電動モータ221およびタイヤ等を含む。エネルギー供給部3は、推進機関22にエネルギーを供給する。具体的には、エネルギー供給部3は、推進機関22の電動モータ221に当該エネルギーである電力を供給する。電源部4は、エネルギー供給部3に電力を供給する。
センサ5は、移動体2の自動運転に利用される車載センサである。センサ5は、例えば、本体部21の外側(例えば、ボディの天井部の上面)に取り付けられる。自動運転とは、運転手による移動体2の運転を自動運転システムによりサポートする運転支援、および、自動運転システムが運転手に代わって移動体2の運転を行う完全自動運転を含む概念である。
エネルギー供給部3は、水素生成装置1と、水素貯留部31と、燃料電池32と、バッテリ33(以下、「供給部バッテリ33」という。)と、を備える。水素生成装置1は、水素(H2)を生成する。当該水素は、推進機関22に供給されるエネルギー(すなわち、電力)の生成に利用される。水素生成装置1にて生成された水素は、水素貯留部31に貯留される。燃料電池32は、水素貯留部31に貯留された水素を燃料として利用し、上述のエネルギーである電力を生成する。具体的には、燃料電池32では、水素貯留部31から供給される水素と、空気中の酸素(O2)とによる電気化学反応が生じ、発電が行われる。燃料電池32における発電では、空気中の酸素に代えて、水素生成装置1により水素と共に生成される酸素が利用されてもよい。
燃料電池32により生成された電力は、供給部バッテリ33に蓄えられ、供給部バッテリ33から推進機関22へと送られる。燃料電池32から供給部バッテリ33を介して推進機関22へと送られる当該電力により、電動モータ221が駆動される。また、燃料電池32において水素および酸素から生成された水は、例えば、水タンク23へと送られて貯留される。供給部バッテリ33としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池または空気電池が利用される。
電源部4は、太陽電池モジュール41と、バッテリ42(以下、「電源部バッテリ42」という。)とを備える。太陽電池モジュール41は、本体部21の外側(例えば、ボディの天井部の上面)に取り付けられる。太陽電池モジュール41は、太陽の光エネルギーを吸収して電気に変換する。太陽電池モジュール41としては、例えば、シリコーンゴムで形成されたシート状の封止材を用いた結晶シリコン太陽電池モジュールが利用される。太陽電池モジュール41により生成された電力は、電源部バッテリ42に蓄えられる。電源部4の電源部バッテリ42に蓄えられた電力は、エネルギー供給部3の水素生成装置1に供給される。電源部バッテリ42としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池または空気電池が利用される。
図2は、水素生成装置1の構成を示す図である。水素生成装置1は、水を分解して水素を生成する装置である。水素生成装置1は、光増感剤11と、水供給部12と、照射部13と、供給量調節部14と、光増感剤収容部15とを備える。図2では、水素生成装置1以外の構成も併せて描いている。
光増感剤11は、光増感剤収容部15の内部空間に収容される。図2に示す例では、光増感剤11は、略直方体状であり、光増感剤収容部15の底面上に載置される。光増感剤11は、好ましくは多孔質状の部材である。なお、光増感剤11の構造、大きさおよび形状は、様々に変更されてよい。
光増感剤11は、例えばボイド構造体を含む。当該ボイド構造体は、イオン、原子、分子または電子を取り込み可能な複数のボイド(ケージともいう。)を有する結晶構造体である。ボイド構造体では、複数のボイドは、例えば三次元的に連結される。光増感剤11に含まれるボイド構造体は、例えばマイエナイトである。マイエナイトは、直径約0.4nm(ナノメートル)のボイドが三次元的に連結された結晶構造(すなわち、マイエナイト型結晶構造)を有する化合物であり、マイエナイト型化合物とも呼ばれる。当該マイエナイトは、例えば、カルシウム元素(Ca)およびアルミニウム元素(Al)の少なくとも一方を含む複合酸化物である。具体的には、当該マイエナイトは、Ca12Al14O33(12CaO・7Al2O3とも表記される。)を主に含む化合物である。換言すれば、マイエナイトは、Ca12Al14O33を代表組成として有する。当該マイエナイトにおけるカルシウムとアルミニウムとのモル比は、好ましくは13:12〜11:16である。当該マイエナイトでは、カルシウム原子およびアルミニウム原子のうち、一部の原子が他の原子に置換されていてもよい。また、ボイド中のフリー酸素イオンの一部または全部が、他の陰イオンに置換されていてもよい。
水供給部12は、水タンク23に接続され、水タンク23から供給される水を、光増感剤収容部15内の光増感剤11に供給する。水供給部12から供給される水は、例えば、イオン交換水である。図2に示す例では、水供給部12は、光増感剤収容部15の上部に配置され、光増感剤11の上面に対してミスト状の水を供給する。図2では、水供給部12から噴射されるミスト状の水の輪郭を破線にて示す。供給量調節部14は、水供給部12から光増感剤収容部15内の光増感剤11に供給される水の供給量(すなわち、単位時間当たりに供給される水の量)を調節する。供給量調節部14は、光増感剤11の材質、大きさ、形状等の特性に基づいて、水供給部12からの水の供給量を調節する。具体的には、供給量調節部14は、水供給部12から供給される水の量が、光増感剤11の特性に対応して予め定められている供給量に等しくなるように、水供給部12を制御する。
照射部13は、光増感剤11上の所定領域にパルスレーザ光を実質的に面状に照射する。図2に示す例では、照射部13は、光増感剤11の上面にパルスレーザ光を照射する。照射部13は、例えば、パルスレーザ光を光増感剤11上にて2次元に走査するスキャナである。照射部13としては、例えば、2軸式のガルバノスキャナが利用される。照射部13は、電源部4の電源部バッテリ42(図1参照)から供給される電力により駆動される。照射部13への電力の供給は、例えば、非接触給電(ワイヤレス電力伝送等とも呼ぶ。)により行われる。当該非接触給電は、例えば、電磁誘導方式、電波受信方式または共鳴方式で行われる。

図2に示す例では、照射部13は、レーザ光源131と、反射部132と、反射制御部133とを備える。レーザ光源131は、反射部132に向けてパルスレーザ光を出射する。レーザ光源131としては、例えば、フェムト秒レーザ装置またはピコ秒レーザ装置が利用される。反射部132は、2つのミラー134と、2つのモータ135とを備える。レーザ光源131からのパルスレーザ光は、反射部132の2つのミラー134により反射されて光増感剤11へと導かれる。2つのモータ135は、反射制御部133により制御され、2つのミラー134の角度を互いに独立して変更する。これにより、レーザ光源131からのパルスレーザ光が、光増感剤11上にて2次元に走査される。水素生成装置1では、例えば、1秒間に光増感剤11上の約2000箇所の位置にパルスレーザ光が照射される。
光増感剤11にパルスレーザ光が照射されることにより、光増感剤11に含まれる上述のボイド構造体が活性化し(すなわち、ボイド構造体の電子が励起され)、ラジカル化ボイド構造体が生成される。このとき、パルスレーザ光により励起された電子は、連鎖的に他の電子をポンプアップする。すなわち、パルスレーザ光によるボイド構造体の活性化において、電子雪崩(Avalanche現象)が発生する。ラジカル化ボイド構造体は、水供給部12から光増感剤11に供給された水を分解して水素および酸素を生成する。
述のように、当該ボイド構造体がマイエナイトである場合、パルスレーザ光による活性化によりラジカル化マイエナイトが生成される。当該活性化の際には上述の電子雪崩が発生し、マイエナイト1モル(mol)あたり、例えば12個のラジカル(自由電子)が生成する。ラジカル化マイエナイトは、数1に示すように、光増感剤11に供給された水を分解して水素および酸素を生成する。生成された水素は、水素貯留部31へと送られて貯留される。>

式1

水素生成装置1では、供給量調節部14により光増感剤11に対する水の供給量が調節される。また、光増感剤11には、照射部13からのパルスレーザ光の照射が継続されている。これにより、水素の生成に利用されたラジカル化マイエナイトが、マイエナイトの前駆体であるカトアイト(Ca3Al2(OH)12)まで分解されることなくマイエナイトに戻り、数2に示すように、照射部13からのパルスレーザ光により活性化して、再びラジカル化マイエナイトになる。

式

換言すれば、水素生成装置1では、水素の生成に利用されて活性化状態ではなくなったマイエナイトは、カトアイトまで分解されるよりも前に、パルスレーザ光により再活性化されてラジカル化マイエナイトに戻る。これにより、マイエナイトを水素の生成に繰り返し利用することができる。水素生成装置1では、水素の生成に利用されたラジカル化マイエナイトの一部は、カトアイトまで分解されてもよい。この場合であっても、上記のように、マイエナイトを水素の生成に繰り返し利用することができる。上述のように、光増感剤11が多孔質状である場合、照射部13からの光は、光増感剤11の細孔内で乱反射することにより、光増感剤11の細孔内の広範囲に亘って照射される。したがって、当該細孔を形成するマイエナイトもラジカル化するため、細孔内に供給された水も分解されて水素が生成される。光増感剤11に対する水の供給量は、水と接触しているラジカル化マイエナイト1モルにおいて12個のラジカルが生成されている場合、当該1モルのラジカル化マイエナイトに対して6モル以下であることが好ましい。換言すれば、光増感剤11に対する水の供給量は、水と接触しているラジカル化マイエナイト1モルにおいてN個(Nは、例えば、6以上かつ12以下の整数)のラジカルが生成されている場合、当該1モルのラジカル化マイエナイトに対してN/2モル以下であることが好ましい。これにより、マイエナイトの分解を防止または抑制することができる。




特開2018-095530 水素生成装置 HAIFC株式会社他 2018/06/21

要約

水素生成装置1の光増感剤11は、イオン、原子、分子または電子を取り込み可能な複数のボイドを有するボイド構造体を含む。照射部13は、光増感剤11上の所定領域にパルスレーザ光を照射し、ボイド構造体を活性化させてラジカル化ボイド構造体を生成することにより、水供給部12から供給された水から水素を生成する。供給量調節部14は、水供給部12からの水の供給量を調節する。水素生成装置1では、供給量調節部14により光増感剤11に対する水の供給量が調節されることにより、水素の生成に利用されたラジカル化ボイド構造体の少なくとも一部が、分解することなくボイド構造体に戻り、照射部13からのパルスレーザ光により活性化して再びラジカル化ボイド構造体になる。これにより、ボイド構造体を水素の生成に繰り返し利用することができるため、水素を効率良く生成することができる。

図1,2

【符号の説明】
1,1a 水素生成装置  11,11a 光増感剤  12 水供給部  13 照射部 14 供給量調節部  15 光増感剤収容部




脚注及び関連項目

 




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