507 特許特許研究室特開2012-016318|集魚装置:





高輝度・小型LED水中照明を開発  イカ釣り漁船等の省エネに貢献

NEDOの若手研究グラント(※1)の研究開発において、鹿児島大学の水田敬助教は、北九州産業学術推進機構とともに、高輝度・小型のLED水中照明の開発に成功。水中照明は、主にイカ釣り漁船等に代表される夜間の漁業に使用されているが、従来使用されている照明はエネルギー使用量が非常に多く、寿命の短さや瞬時点灯ができない事等の問題があった。水田助教らは、高性能な放熱システムの開発により、LEDの大量実装に伴う熱の集中という問題を解決。従来比10倍以上というLEDの高密度な実装が可能となったことで、LED水中照明を大幅高輝度化・小型化でき、同量の集魚効果を持つ白熱灯に対し20分の1以上の省エネも実現。 

ヒートパイプ型ヒートスプレッダをコア技術とした高性能放熱システムの開発により、熱の集中に関する問題を解決しました。LEDの発光効率は近年急速に向上するが、依然として投入されたエネルギーの約70%は熱となってしまうため、特に高輝度照明を実現しようとしてLED実装間隔を狭くすると、熱が集中して温度が上昇し、発光効率の低下や信頼性の問題を引き起こし、高輝度なLED照明の実現は困難だった。

技術背景

大光量照明の省エネルギー化に対する社会的要請の高まり

スタジアムライトや投光器、水中灯など、大光量照明は様々な分野で使用されているが、エネルギー消費量が非常に多いため、低消費エネルギー化が求められており、低消費エネルギー型の次世代照明としてLEDが注目されている。

LED照明の大光量・高輝度化を阻む熱問題

LEDは従来型照明に比べて発光効率が高いことが知られているが、大光量LED照明は、光に変換されなかった大量のエネルギーが熱となり、熱に弱いLEDは故障や短寿命化、発光効率の低下といった問題がある。LEDを用いた大光量照明においては、LEDの実装間隔を広くし、熱の集中を避けることによって、発熱による問題を回避するという手法が一般的だが、この方法では、LEDを密に配置する事が出来ず、小型で大光量の照明が求められる分野にLED照明が進出することの妨げとなる。

成果

高性能放熱システムによりLED照明の熱問題を解決

本研究は、
第一に、熱拡散性に優れたフラットヒートパイプの一種であるFGHP(Fine Grid Heat Pipe)をLED実装基板として用いる事によってLEDから発生する熱を速やかに拡散させること、
第二に、筐体内部の排熱経路を最適化して非常に低い熱抵抗で筐体外部への熱の放出を可能とすることによって、
高性能放熱システムを実現し、従来のLED照明が抱えていた発熱による問題の解決に成功しました。使用した(株)モレックス喜入製フラットヒートパイプは、内部構造を微細エッチング技術で形成しているため、冷媒の蒸発、凝縮、帰還サイクルの最適化が図られており、さらに、重力の影響が無視できる程度に小さくなるような内部構造を有するため、既存のフラットヒートパイプで問題となっていた設置姿勢による性能変化がなく、類似品に対する大きなアドバンテージとなる。

スペクトル選択によるさらなる省エネルギー化の実現

放熱システムの開発に加え、対象となる魚種の視感度特性に適したスペクトルをもつLEDを選択する事によって、発生した光エネルギーのうち、魚を誘引するために有効なエネルギーの比率を高めることができることを実証、さらなる省エネルギー化を実現した。実際の漁場で、開発したLED水中灯を点灯させ、魚群探知機及びソナーにより魚群の動きについて調べたところ、従来型の4kW程度の白熱灯と、170W版の開発品とは、同程度の魚群コントロール性を実現する事が明らかとなり、実に、20分の1以下の省エネルギー化を実現可能であることがわかりました。これにより、漁業においてライトを点灯させるために必要な燃料が大幅に削減できるだけでなく、数時間の漁業であればバッテリーのみの点灯も可能となることから、発電のためにかかるエンジンへの負荷が大幅に低減されるため、エンジンの故障リスクの低減にもつながり、経済合理性が大幅に高まることが期待される。

利便性向上と高機能化に向けた小型内蔵電源の開発

本研究では、ユーザーの利便性と高機能化を図るため、小型内蔵電源の開発を行いました。この電源は、新日本無線株式会社製のDSCをベースにした高性能デジタル電源であり、LEDに適した高電圧駆動が可能な定電流LED用電源です。開発した電源は60mm立方に収まる程度と非常に小型であり、外付け電源に比べて約9分の1の体積にすることが可能となり、高性能DSCチップのプログラマブル性を活かし、多彩な点灯モードを実現するなど、高機能化を図ることが可能となった。なお、小型内蔵電源については、現在製品化に向けた信頼性の向上などの開発を継続している。




特開2012-016318|集魚装置

Fターム
2B105 LA10 LA15 LA21

要約

本発明の集魚装置1は、実装基板3と、実装基板3に実装されて海面10および海中11の少なくとも一方を照射する複数の発光素子4と、海面10および海中11の少なくとも一方の状況を示す海面情報を検出する検出部8と、海面情報に基づいて、複数の発光素子4の発光パターンを制御する制御部6と、を備える。この集魚装置1は、実際の漁業活動の場所の状況に最適化された発光パターンで、光を照射できることで、実際の海面や海中の状況にリアルタイムに対応しつつ、魚を効果的に集めたり追い返したりできる集魚装置を提供する。

【符号の説明】
1 集魚装置 2 照明部 23 受熱部 24 伝導部材 25 排出部材 26 排熱部 3 実装基板 31 封止枠 32 封止材 33 レンズ板 34 熱伝導部材 36、37 放熱フィン 4 発光素子 5 電力供給部 6 制御部 61 記憶テーブル 7 信号線 8 検出部 81 光度計 82 周波数分析計 83 時計 84 温度計 85 湿度計 



実施の形態1

全体概要

まず、図1図2図3を用いて、実施の形態1における集魚装置の全体概要を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における集魚装置のブロック図である。図1は、集魚装置1を、海上において使用する態様に合わせて、必要となる要素をブロックとして示している。
集魚装置1は、発光素子4を備える照明部2と制御部6に大きく分けることができる。照明部2は、電子部品や電子素子を実装可能な実装基板3と、実装基板3に実装される複数の発光素子4とを備える。すなわち、照明部2は、実際に光を照射できる発光素子4を基本要素として備える。照明部2は、実際に海面10や海中11に対して光を照射するので、集魚装置1において、独立して可動させたり設置させたりできることも好ましい。もちろん、照明部2が、制御部6と一体であってもよい。
集魚装置1は、更に発光素子4に電力を供給する電力供給部5、制御部6および検出部8を備える。
電力供給部5は、発光素子4に電力を供給する。発光素子4は、電力を受けて発光するので、電力供給部5からの電力によって発光素子4が発光する。このとき、電力供給部5から受ける電力値によって、発光素子4の輝度が変化する。あるいは、発光素子4の種類によっては、電力供給部5から受ける電力値によって、発光素子4の色度なども変化する。電力供給部5は、制御部6からの制御を受けて、発光素子4へ電力を供給しても良いし、一定の電力を供給しながら、実際の発光素子4に電力が到達する際に、制御部6によって電力値が制御されることでも良い。< 検出部8は、海面10および海中11の少なくとも一方の状況を示す海面情報を検出する。海面情報は、海面10の状況や海中11の状況を示す種々の要素のいずれかを含んでいる情報である。検出部8が得る海面情報は、実際の漁業活動の現場の状況を示す指標であり、照明部2が漁業活動の現場の状況に合わせた光の照射を行わせるために必要となる情報である。検出部8は、検出した海面情報を発光素子4の発光パターンの決定に寄与させるために、制御部6に出力する。
制御部6は、複数の発光素子4のそれぞれ(あるいは全体)の発光パターンを制御する。すなわち、照明部2が照射する光は、制御部6によってその発光態様が制御されることになる。発光素子4は、LEDや半導体発光素子のように、付与される電力の値、周波数、波長、付与間隔、付与時間などによって、輝度、色度、クリアランス、照射距離、発光素子全体が形成する発光態様などを変化させることのできる素子である。このため、制御部6は、発光素子4に付与される電力の値、周波数、波長、付与間隔、付与時間などを制御することで、発光素子4の発光パターンを制御できる。すなわち、制御部6は、照明部2の発光態様を制御できる。
このとき、制御部6は、電力供給部5を制御することによって、発光素子4の発光パターンを制御しても良いし、電力供給部5から発光素子4に出力された後の電気信号を制御することで、発光素子4の発光パターンを制御しても良い。
図2また、制御部6は、検出部8から得られる海面情報に基づいて、発光パターンを制御する。すなわち、制御部6は、実際に漁業活動を行っている海面10や海中11の状況に最適化して、発光素子4の発光パターンを決定できる。この結果、集魚装置1は、実際の漁業活動に最適な光の照射を行えるので、漁業活動における作業効率が向上する。
実施の形態1の集魚装置1は、以上のような構成を有しており、魚を効果的に集めたり追い返したりできる。
従来のハロゲン電球などを用いた集魚装置は、ハロゲン電球の輝度を増減する程度しか制御できなかった。実際の漁業活動においては、魚を集めるために、ハロゲン電球の輝度を最大限にして照射される光の照度を上げることが主に行われていた。照度が高いことが魚を効果的に集めるものと考えられていたからである。 一方、発明者の研究によって、魚の種類によって、集魚装置が発する光の、輝度が重要であったり、色度が重要であったり、発光間隔が重要であったり、発光方向が重要であったりすることが分かって図3きた。また、輝度についても、明るすぎるだけが効果的でないこともありえる。
実施の形態1における集魚装置1では、照明部2は、複数の発光素子4を備えており、制御部6は、複数の発光素子4のそれぞれを、個別に制御できる。このため、複数の発光素子4全体において、全体が一様に発光している、一部のみが発光している、一部が他よりも高い輝度で発光している、異なる色度の発光が混在している、特定の発光素子が所定間隔で発光と消灯を繰り返す、といった発光素子4の発光パターンが容易に制御される。
集魚装置1は、予め使用者や製造者によって製作されていたコンピュータプログラムなどに従ったり、漁業において使用される際のコントロールに従ったりして、制御部6を動作させる。この制御部6は、複数の発光素子4の発光パターンを制御する制御信号を出力し、この制御信号によって、複数の発光素子4は、目的とされる発光パターンによって発光する。
また、制御部6は、検出部8から得られる海面情報に基づいて発光パターンを制御できる。例えば、制御部6は、予め製作されているコンピュータプログラムによって作り出される複数の発光パターンから、海面情報に基づいてある発光パターンを選択する。あるいは、制御部6は、コンピュータプログラムが含んでいる発光パターンを生成する要素(輝度、色度、発光間隔など)を、海面情報に基づいて組み合わせることで、発光パターンを生成する。もちろん、予め製作されたコンピュータプログラムを有さずとも、制御部6が、発光パターンを生成する要素を組み合わせて発光パターンを生成することもよい。
ある種類の魚は、非常に高い輝度による光の照射に集まる特性を有する。このような種類の魚を集めたい場合には、制御部6は、複数の発光素子4の大部分(場合によっては全部)に対して、輝度を最大とするような電力値を与えるように、制御する。ある種類は、所定間隔で発光する光の照射に集まる特性を有する。このような種類の魚を集めたい場合には、制御部6は、複数の発光素子4を所定間隔で発光と消灯とを繰り返させるように制御する。
以上のように、制御部6の制御によって、集魚装置1は、魚の種類に合わせた発光パターンで光を照射できる。
照明部2は、図2、図3のような態様に示される発光パターンによって、発光素子4を発光させる。
図2、図3は、本発明の実施の形態1における照明部の正面図であり、それぞれ、ある発光パターンの一例に基づく発光態様を示している。
図2では、複数の発光素子4の内、中央部付近の発光素子4Aのみが発光し、他の発光素子4Bは発光していない。照明部2が中央部のみを発光させることで、集魚装置1は、照射される光束を絞り込むことができる。このような場合には、集魚装置1は、海面10や海中11の非常に狭い領域に絞り込んで光を照射できる。例えば、狭い領域に群れるのを好む魚の種類に適した照射が実現される。
このとき、制御部6は、複数の発光素子4において、中央部付近の発光素子4Aのみに電力を供給するように、制御する。
あるいは、図3のように、複数の発光素子4のそれぞれが、交互に発光している態様に制御されても良い。この場合には、海面10や海中11が、ぼんやりと幅広く照射されることになる。例えば、やわらかい光に群れるのを好む魚の種類に適した照射となる。このときは、制御部6は、複数の発光素子4において、交互に配置される発光素子4に電力を付与するように、制御する。
これらの制御部6による発光素子4の制御の自由度が高いのは、照明部2が、電球や蛍光灯ではなく、LEDなどの発光素子を用いているからである。制御部6は、電力値、周波数、付与間隔などの様々な要素を組み合わせながら、発光素子4の発光態様を様々に制御できる。
魚の種類に応じて、魚を集めたり追い返したりするための光の照射態様は様々である。集魚装置1は、これらの魚の種類に応じて最適な光の照射を実現できる。結果として、集魚装置1を用いた漁業活動は、低コストでありながら、効率的となる。

実装基板

まず、実装基板3について説明する。実装基板3は、電子部品や電子素子を実装可能な基板であり、ガラスエポキシ基板、フレキシブル基板など、種々の電子基板が用いられる。また、電子部品の実装だけに用いられるだけでなく、照明部2の外形や強度を確保するための基板としての役割を有していてもよい。このため、電子部品を実装できる基板の下層に、所定の厚みや強度を有する基板が積層されていても良い。
また、実装基板3は、複数の発光素子4を実装する。このため、実装基板3は、電気信号のやり取り(例えば、制御部6や電力供給部5と、発光素子4との間で、電気信号がやり取りされる)が可能な配線層を備えていることが好適である。
実装基板3は、照明部2として利用される複数の発光素子4のみを実装しても良いし、発光素子4以外の電子部品や半導体集積回路を実装しても良い。例えば、実装基板3は、電力供給部5や制御部6を合わせて実装しても良い。
また、実装基板3は、発光素子4をワイヤボンディング、フリップチップあるいはボールグリッドなどによって電気的に実装し、実装基板3の内外に設けられる他の回路からの電気信号を、発光素子4に与えることができる。

発光素子

次に、発光素子4について説明する。
発光素子4は、電気信号を受けて光を発する素子である。電気信号を受けて発光する機能を有する素子であればなんでもよいが、実装や制御の容易性から、LEDなどの半導体素子を基本とする素子が用いられるのが好適である。LEDは、付与される電気信号の電流・電圧によって、発光状態を制御でき、青色、赤色、緑色などの固有色を有することで、発光色のパターンを容易に制御できるメリットを有するからである。また、発光素子4がLEDであることで、電力の供給や遮断に即座に対応して、発光と消灯の制御が容易となるメリットもある。
このように、発光素子4が、LEDなどの半導体素子を利用するものであることで、制御部6によってその発光パターンを容易に制御できる。
複数の発光素子4は、実装基板3に実装される。発光素子4の個数は、集魚装置1の仕様に応じて適宜定められれば良く、数個から数百個(あるいは数千個)の発光素子4が実装基板3に実装される。発光素子4は、実装基板3に対して、ワイヤボンディングやボールグリッドによって実装され、実装基板3に対して(更には、実装基板3に実装されている他の電子部品に対して)電気的に接続される。この電気的な接続によって、発光素子4は、電気信号を受けて発光する。発光素子4の発光に必要となる電力は、電力供給部5より供給される。
複数の発光素子4は、それぞれ個別に、電力供給部5および制御部6の少なくとも一方からの電気信号を受けることができる。この発光素子4が受け取る電気信号は、制御部6より出力される制御信号を含んでいる。この制御信号を含む電気信号を受けることにより、複数の発光素子4のそれぞれは、輝度、色度、波長、周波数、発光時間、発光と消灯の間隔、発光方向などの制御を受けながら、発光する。これらの輝度、色度、波長、周波数、発光時間、発光と消灯の間隔、発光方向などの制御を受けることで、複数の発光素子4は(すなわち照明部2は)、様々な発光パターンでの発光を行う。
また、複数の発光素子4のそれぞれは、個々に固有色を有している素子であったり、付与される電気信号の状態(電力値、波長、周波数など)によって発光する色度を変化させる素子であったりする。このように、複数の発光素子4のそれぞれが、発光色を有することで、照明部2は、所定の色や所定の色の組み合わせによって光を照射できる。
魚の種類によっては、所定の波長(波長が色度を決定する)によって集まったり、あるいは回避したりする特性がある。複数の発光素子4が、輝度、色度、波長、周波数、発光時間、発光と消灯の間隔、発光方向などにおいて、制御部6の制御によって、発光パターンを変えることで、集魚装置1は、魚の種類に応じた光の照射を実現できる。
なお、複数の発光素子4は、ベアチップ状態で実装されても良い。集魚装置1のコストやサイズの低減につながるからである。

電力供給部

電力供給部5は、複数の発光素子4のそれぞれに電力を供給する。複数の発光素子4のそれぞれは、電力を受けることで発光する。
電力供給部5は、蓄電池、太陽光電池などの電力を供給できる要素と、供給する電力となる電気信号を制御する要素とを含む。例えば、発光素子4に過重な電力が付与されないように、ヒューズなどを備えておいても良い。
電力供給部5は、複数の発光素子4のそれぞれに、個別に電力を供給することが好ましい。これは、複数の発光素子4の発光パターンを細かく制御できるからである。しかしながら、製造コストや設計のしやすさなどの観点から、電力供給部5からの電力が複数の発光素子4にまとめて供給されることでもよい。あるいは、複数の発光素子4がいくつかのグループに分割され、電力供給部5が、グループ毎に電力を供給しても良い。あるいは、電力供給部5からの電力は、制御部6を経由して、発光素子4に付与されても良い。制御部6が、複数の発光素子4のそれぞれに、発光パターンの制御後の状態に基づく電力を付与することで、発光素子4の発光が制御されやすくなるからである。
なお、電力供給部5は、単数であっても複数であっても良い。

検出部

次に、検出部8について説明する。
制御部6は、発光素子4の発光パターンを制御する。このとき、制御部6が、予め備えられたプログラムに基づいて発光パターンを制御したり、漁業作業者による逐次的な操作に基づいて発光パターンを制御したりするだけでは、実際の漁業活動の場所の状況に応じた発光パターンの制御ができない。例えば、海面10を所定の輝度で照射しているつもりでも、海域の天候、気温、時刻、波の状況などによって、所望の輝度で海面10が照射されていないこともありうる。検出部8は、このような実際の状況との乖離を防止し、実際の漁業活動の場所の状況に最適化した発光パターンを生成するための要素を検出する。
検出部8は、海面10および海中11の少なくとも一方の状況を示す海面情報を検出し、検出した海面情報を制御部6に出力する。ここで、海面10や海中11は、実際の漁業活動が行われている海域に含まれる。検出部8は、実際の漁業活動が行われる海域の状況に合わせて、集魚装置1による光の照射を実現させることを目的としているからである。もちろん、用途によっては、実際の漁業活動が行われている海域以外の海面情報を、検出部8が得ることでもよい。
検出部8は、種々のセンサや検出素子を備えており、これらを用いて種々の情報を検出する。図4は、本発明の実施の形態1における検出部の内部ブロック図である。図4は、検出部8が備える内部要素を示している。
海面情報は、海面10や海中11の輝度、海面10や海中11の色度、海面10や海中11の輝度分布、海面10や海中11の色度分布、発光素子4が海面10や海中11を照射する時刻(すなわち、漁業活動を行っている時刻)、発光素子4が照射する時刻における天気、海面10や海中11に集まっている魚の種類および海面10の波の高さの少なくとも一つを含む。もちろん、これらの要素の複数の組み合わせを含んでも良い。
図4検出部8は、図4に示されるような、種々の要素を用いて、これら海面情報が含む種々の要素を検出する。 例えば光度計81は、対象領域の光に関する要素を検出する機能を有している。すなわち、光度計81は、海面10や海中11の輝度、色度、輝度分布、色度分布を検出する。光度計81は、検出に必要な要素を海面10に向けることで、輝度や色度を検出する。
海面10や海中11は、発光素子4によって光を照射されているので、所定の輝度や色度を受けているはずである。しかしながら、海面10や海中11の状況によっては、発光素子4が照射している光を十分に受け切れておらず、十分な輝度や色度を有していないことがありうる。光度計81は、実際の海面10や海中11の輝度、色度、輝度分布および色度分布を検出する。検出された実際の輝度、色度、輝度分布、色度分布の情報が、検出部8から制御部6へ出力されることで、制御部6は、実際の海面10や海中11の輝度や色度の状況に合わせた光の照射を制御できる。
例えば、光度計81によって検出された海面10の輝度が予定よりも低い場合には、制御部6はこの海面情報に基づいて、発光素子4の輝度を増加させる制御を行う。この制御によって、海面10や海中11は、予定通りの輝度によって照射されるようになり、漁業における効率が向上する。
また、光度計81が検出する輝度分布や色度分布は、海面10や海中11における、輝度の値や色度の値によって範囲を設定できる分布である。例えば、輝度の高い領域と輝度の低い領域とがばらついているなどの情報である。
また、周波数分析計82は、周波数弁別装置のように、海面10や海中11における周波数を分析する機能を有している。すなわち、周波数分析計82は、海面10や海中11の色度や色度分布を検出できる。色度は、海面10や海中11における周波数から計算できるからである。周波数分析計82は、検出した色とおよび色度分布を制御部6に出力する。制御部6は、この情報を用いて、所望される色度や色度分布に近づくように、発光素子4の発光パターンを制御する。
時計83は、現在の時刻を計測して、制御部6に出力する。漁業活動においては、時刻によって魚の集まりやすさや集まりにくさが発生することがある。あるいは、時刻によって、照射すべき輝度、色度、発光間隔、消灯間隔が変化する傾向もある。このため、制御部8が発光素子4の発光パターンを最適に制御するには、実際の漁業活動の時刻を把握することが重要である。
時計83は、現在の時刻を検出し、制御部6に出力することで、制御部6による発光パターンの最適化を実現できる。また、時計83は、現在の時刻以外に、ターゲットとして設定された時刻との時間差を検出して、制御部6にこの時間差情報を出力しても良い。この時間差情報によって、例えば、ターゲット時間以前では輝度を強くしておき、ターゲット時刻以降では輝度を弱くする、といった細かな発光パターンを制御することを、制御部6はできるようになる。
時計83は、検出部8の内部に備えられているのではなく、制御部6の内部に備えられていることでも良い。また、時計83が計測する時刻は、検出部8が検出する他の要素に付随する情報として制御部6に出力されても良い。輝度や色度の情報に時刻の要素が加わり、制御部6において、発光パターンを制御するのがより容易になるからである。
温度計84は、海面10および海中11の少なくとも一方の温度を測定する。あるいは、海面10の周辺(すなわち、漁業活動を行っている場所)の温度を測定する。所望の種類の魚を集めたり、不要な種類の魚を追い返したりするには、照明による照度に加えて温度がパラメータとなることがありうる。
温度計84は、測定した温度を制御部6に出力する。制御部6は、例えば集めたい魚の種類や追い返したい魚の種類に応じて、温度と輝度の関係や温度と色度の関係の最適な対応関係を把握している。制御部6は、温度計84より得られた温度の情報に基づいて、最適な輝度や色度(もちろん、周波数、波長、輝度分布、色度分布なども)となるように、発光パターンを制御する。この制御された発光パターンによって、集魚装置1は、効率的に所望の魚を集めることができる。
また、温度計84が測定した温度によって、制御部6は、漁業作業者の健康被害を防止するように発光パターンを制御しても良い。
湿度計85は、海面10の周辺の湿度を測定し、測定した結果を制御部6に出力する。所望の種類の魚を集めたり、不要な種類の魚を追い返したりするには、照明による照度に加えて湿度がパラメータとなることがありうる。
制御部6は、例えば集めたい魚の種類や追い返したい魚の種類に応じて、湿度と輝度の関係や湿度と色度の関係の最適な対応関係を把握している。制御部6は、湿度計85より得られた湿度の情報に基づいて、最適な輝度や色度(もちろん、周波数、波長、輝度分布、色度分布なども)となるように、発光パターンを制御する。この制御された発光パターンによって、集魚装置1は、効率的に所望の魚を集めることができる。
また、検出部8は、気圧計を更に備え、気圧、温度、湿度に基づいて、海面10の周辺の天気を推定する。制御部6は、この推定された天気に応じて発光素子4の発光パターンを制御することもよい。
このように、検出部8は、実際の漁業活動を行っている現状に最適な発光パターンを生成するために必要な情報を検出する。図4や、ここで説明した情報の種類は一例であり、必要となる他の情報を検出しても良い。例えば、検出部8が画像処理装置を備えておき、集まっている魚の種類を判別して、魚の種類に関する情報を制御部6に出力することもよい。集まっている魚の種類が、集めたいと考える魚の種類と異なる場合には、制御部6は、発光パターンを切り替えるなどの制御を行う。


制御部

制御部6は、複数の発光素子4の発光パターンを制御する。
制御部6は、照明部2と別体であっても良いし、一体であっても良い。あるいは、制御部6は、照明部2を操作する操作用コンピュータの一部であってもよい。更には、制御部6は、上述の検出部8と一体でもよい。あるいは検出部8の一部は、制御部6に含まれても良い。例えば、光度センサや温度センサのようなセンサ部材が別体であって、残りの要素が制御部6と一体でも良い。
例えば、集魚装置1が、発光素子4が実装された照明部2と、この照明部2に接続されるコンピュータを要素とする場合がある。この場合には、コンピュータは、発光素子4に電力を供給する電力供給部5の役割を果たし、更に発光素子4の発光パターンを制御する制御部6の役割を果たす。
コンピュータが記憶するプログラムやコンピュータに入力される入力信号に従って、コンピュータが発光パターンを生成する。この生成された発光パターンは、制御信号として電力供給部5および発光素子4の少なくとも一方に出力され、この生成された発光パターンに従って、複数の発光素子4は発光する。
もちろん、実装基板3に実装されたプロセッサやマイコンが、制御部6の役割を果たしても良い。この場合には、プロセッサやマイコンは、内部もしくは外部のメモリに記憶された動作手順に従って、発光パターンを生成する。あるいは、人為的かつ逐次的に操作される操作卓より受け付けられる操作信号に従って、発光パターンを生成する。制御部6は、この生成した発光パターンに従った制御信号を、電力供給部5および複数の発光素子4の少なくとも一部に出力する。この制御信号によって、複数の発光素子4は、生成された発光パターンに従って光を照射する。すなわち、照明部2は、生成された発光パターンに従って光を照射する。
このように、制御部6は、照明部2の発光パターンを制御する。制御は、例えば、集魚装置1を使う漁船の漁獲目的に応じて予め決められた制御プラグラムに基づいてもよいし、漁業活動において、使用者による操作に基づいても良い。更には、上述の通り、検出部8から得られる海面情報に基づいて(あるいは、海面情報を、予め定められた制御プログラムや使用者による操作に加えて)制御部6は、発光パターンを制御する。海面情報に基づいて発光パターンを制御することで、実際の漁業場所に対応した発光パターンを実現できる。
発光パターンは、複数の発光素子のそれぞれの輝度、色度、発光位置、発光時間、消灯時間、周波数、波長、発光角度、発光時間間隔、消灯時間間隔の少なくとも一つの要素を含む。これらの要素の組み合わせが、発光パターンである。
また、複数の発光素子4の全体を単位として考える場合には、発光パターンは、複数の発光素子全体における輝度配置分布、色度配置分布、発光位置分布、発光時間分布、消灯時間分布、発光画像、発光画像、周波数の分布、輝度総量および色度総量の少なくとも一つを含む。
もちろん、制御部6は、複数の発光素子4の少なくとも一部を制御すれば良く、複数の発光素子4の一部は、制御部6の制御対象外でもよい。制御部6は、複数の発光素子4によって照射される光を制御することが目的であるので、この目的を達成できれば、制御部6が、複数の発光素子4のいずれを制御しても全てを制御しても構わない。
また、制御部6は、発光パターンを予め記憶する記憶テーブル61を備えることも好適である。発光パターンは、発光素子4の輝度や色度などの組み合わせを有するが、この発光パターンは魚の種類によって最適な傾向がある。特に、ある種類の魚を集めるのに適した発光パターンや、逆にある種類の魚を回避するのに(追い返すのに)適した発光パターンが見受けられる。制御部6は、これらのある種類の魚を集めるのに適した発光パターンやある種類の魚を回避するのに適した発光パターンでの発光を制御することが好ましい。この場合に、漁業活動中に使用者が発光パターンを生成するための作業を行うのは負担が大きい。このため、記憶テーブル61が、魚の種類に応じた発光パターンを記憶しておくことで、制御部6は、この記憶テーブルから読み出した発光パターンに基づくだけで、複数の発光素子4の発光を制御することができる。
この記憶テーブル61は、書き換え可能であり、コンピュータや携帯端末から容易に新たな情報を書き込むことが可能である。漁業活動をおこなう使用者が、研究データや過去の経験データなどに基づいて、最適な発光パターンを検出した場合には、この発光パターンに対応する処理手順を記憶テーブル61に書き込むことができる。記憶テーブル61に新たな発光パターンが書き込まれれば、制御部6は、この発光パターンを読み出すだけで、ある種類の魚に最適な発光パターンでの発光を制御できる。
記憶テーブル61は、磁気メモリ、半導体メモリ、光メモリ、CDやDVDなどの記録媒体、制御部6が備えるメモリなどの種々の態様を有する。
また、制御部6は、記憶テーブル61に記憶される発光パターンを、海面情報に基づいて修正した上で、最終的な発光パターンとして発光素子4の発光を制御しても良い。更に、集めたい魚や追い返したい魚(以下、「希望種」という)に応じて、一定の発光方式が経験的に把握される。例えば、ある希望種の魚を集めたい場合には、単色でかつ高い輝度の発光方式が適当であったり、他の希望種の魚を集めたい場合には、点滅による発光方式が適当であったりする。このような希望種によって定まる発光方式を海面情報によって修正することで、漁業現場に最適な発光パターンが生成される。制御部6は、希望種によって予め定まる発光方式および海面情報に基づいて、最適な発光パターンを生成できる。
すなわち制御部6は、大きな意味合いにおいては、下記(1)〜(4)のいずれかの手順で、最適な発光パターンを生成できる。

(1)海面情報に基づいて発光パターンを生成する。
(2)希望種に応じて定まる発光方式および海面情報に基づいて、発光パターンを生成する。
(3)予め備えている複数の発光パターンから海面情報に基づいて、最適な発光パターンを選択する。
(4)予め備えている発光パターンを、海面情報に基づいて修正して、最適な発光パターンを生成する。

加えて、記憶テーブル61は、発光パターンを実現するパターン例を複数備えており、このパターン例のそれぞれは、集めたい魚や追い返したい魚の種類に応じて定まっている。このため、集めたい魚や追い返したい魚が決まっておれば、海面や海中の情報と合わせて、このパターン例から最適なパターンが選択されたり、最適なパターンに所定の修正が施されたりするだけで、発光パターンが決定される。この結果、発光パターンの決定を行うのに、特許文献3のようにソナーなどを監視するオペレータが常時対応する必要がなくなる。得られた海面や海中の情報によって、制御部6が記憶テーブル61から自動的に最適な発光パターンを選択するからである。このため、オペレータは操船やその他の作業に専念でき、操業中の人的コストおよび人的事故を防止できることにもつながる。
更には、記憶テーブル61は、過去の操業において得られた情報と集魚との最適な関連性を学習できる。例えば、ある海面情報とある発光パターンとの関係が記憶テーブル61に記憶されている場合において、過去の操業において対応する発光パターンが更に修正されることが最適であった場合には、記憶テーブル61は、この発光パターンを修正したものを、該当する海面情報(魚の種類も含めて)に対応させるように記憶内容をアップデートする。このような学習能力によって、次回以降の操業での効率を向上させることができる。もちろん、これらもオペレータの手作業を必要とせず、作業コストや作業負担が低下する。

海面情報に基づく発光パターン

また、海面情報に基づいて発光パターンを生成したり用意されている発光パターンを修正したりする手順には次のようなものがある。
例えば、制御部6は、海面情報に含まれる海面の輝度、時刻、天気および魚の種類の少なくとも一つに基づいて、発光素子4の輝度、複数の発光素子4の輝度配置分布および輝度総量の少なくとも一つを制御する。海面の輝度、時刻、天気および魚の種類によって、照明部2は、どのような明るさで海面10や海中11を照射することが適当かが決まるからである。
例えば、海面情報により得られた海面10の輝度が希望種の魚にとっては不足する場合には、制御部6は、発光素子4の輝度や複数の発光素子4の輝度総量を増加させる発光パターンを生成して発光を制御する。逆に、海面情報により得られた海面10の輝度が希望種の魚にとって過大である場合には、制御部6は、発光素子4の輝度や複数の発光素子4の輝度総量を抑える発光パターンを生成して制御する。場合によっては、制御部6は、輝度配置分布を制御する。輝度配置分布によって魚を集めやすくなることがあるからである。魚を集めたい海面10において、輝度がまばらとなるように光が照射されることで、魚が集まりやすくなることもある。
また制御部6は、海面情報に含まれる海面の色度、時刻、天気および魚の種類の少なくとも一つに基づいて、発光素子4の色度、複数の発光素子4の色度配置分布および色度総量の少なくとも一つを制御しても良い。海面を照らす色味によって、希望種の魚を効率的に集めたり追い返したりできるようになるからである。
例えば、海面情報により得られた海面10の色度が希望種の魚にとって不適合である場合には、制御部6は、希望種の魚に適合する色度になるように発光素子4の色度を変更する。このとき、ある発光素子4の色度を変更しても良いし、複数の発光素子4の一部の色度を変更しても良いし、複数の発光素子4の全部の色度を変更しても良い。あるいは、制御部6は、複数の発光素子4の一部ずつを異なる色度になるように制御してもよい。複数の発光素子4において色度がある配置で分布していることで、ある種の魚を集めたり追い返したりしやすくなるからである。
あるいは、制御部6は、海面情報に含まれる海面10の輝度、色度、時刻、天気、魚の種類および希望種の少なくとも一つに基づいて、発光素子4の波長、周波数、複数の発光素子4の発光時間分布、消灯時間分布および発光画像の少なくとも一つを制御する。複数の発光素子4は、平面的に配列されているので、輝度や色度の分布によって、画像を映すことができる。制御部6は、この画像を制御して希望種の魚を集めたり追い返したりする。
また、魚の種類によっては、点滅や発光時間や消灯時間との間隔が組み合わされた光の照射に反応する。制御部6は、海面情報を考慮しながら、希望種の情報と合わせて、希望種に最適な発光パターンを実現できる。
あるいは、制御部6は、海面情報に含まれる海面の輝度、色度、時刻および天気の少なくとも一つに基づいて、発光素子4の発光角度を制御する。海面10に照射された光は海中11に伝わる。この際に、海面10への入射角度によって海中11への光の伝わり方が異なってくる。魚の種類によっては、海中11に差し込む光の強さや角度によって反応を変えるものがある。制御部6は、海面情報をも考慮しながら、発光素子4の発光角度を制御することで、希望種の魚を集めたり追い返したりできる。
以上のように、制御部6は、希望種に関する情報に加えて海面情報を考慮することで、効率的に魚を集めたり追い返したりできる発光パターンを制御できる。


発光パターンの例

次に、集魚装置1の発光パターンの例について説明する。
制御部6は、複数の発光素子4を、種々の発光パターンで発光させることで、所望の魚を効果的に集めたり効果的に追い返したりできる。発光パターンは、魚の種類に応じて適したものが選択されればよい。


輝度を基準とする発光パターン

発光パターンは、発光素子4の輝度を基準としてもよい。例えば、複数の発光素子4の全体としての輝度を、所定値以上としたり所定値以下とすることで、ある種類の魚を集めたり追い返したりできる。輝度の所定値は、魚の種類によって定められれば良く、記憶テーブル61は、魚の種類に応じた所定値を記憶しておき、制御部6は、記憶テーブル61の所定値に基づいた輝度によって、複数の発光素子4を発光させる。
また、輝度を基準とする発光パターンは、複数の発光素子4の内、ある領域の発光素子4を所定値以上の輝度とし、他の領域の発光素子4を所定値以下の輝度とするパターンでもよい。あるいは、所定値以上の輝度で発光する発光素子4と所定値以下の輝度で発光する発光素子4とを、複数の発光素子4の中に混在させるパターンでも良い。
このように、発光パターンは、複数の発光素子4の個々の輝度や複数の発光素子4の輝度分布を制御するパターンを含む。

色度を基準とする発光パターン

発光パターンは、発光素子4の色度を基準としても良い。例えば、複数の発光素子4の全体を、所定の色度となるように制御する発光パターンによって、集魚装置1は、所定の種類の魚を効果的に集めたり追い返したりできる。色度は、魚の種類によって定められれば良く、例えば記憶テーブル61が魚の種類に対応する色度を記憶しておけば、制御部6は、この色度によって複数の発光素子4を発光させることができる。
また、色度を基準とする発光パターンは、複数の発光素子4の内、ある領域の発光素子4をある色度とし、他の領域の発光素子4を別の色度とし、更に別の領域の発光素子4を他の色度とすることでもよい。もちろん、複数の発光素子4のそれぞれを異なる色度(共通する色度が存在することも含む)となる発光パターンでもよい。
例えば、複数の発光素子4の色度分布に基づく発光パターンは、ある混合色や複数色の光に反応しやすい種類の魚を集めたり追い返したりする必要がある場合に好適である。
このように、発光パターンは、複数の発光素子4の個々の色度や、複数の発光素子4の色度分布を制御するパターンを含む。

波長や周波数を基準とする発光パターン

発光パターンは、発光素子4の波長や周波数を基準としても良い。波長や周波数は、前述の色度と関連するが、波長や周波数のみが制御されるだけで色度に影響の無い種類の発光素子においては、波長や周波数が制御される発光パターンも、対象とする魚の種類に応じて適当である。
発光パターンは、複数の発光素子4のそれぞれの波長や周波数を制御するパターンであったり、複数の発光素子4の内、ある領域の発光素子4を所定値の波長や周波数としたり他の領域の発光素子4を所定値以外の波長や周波数としたりするパターンを含む。
このように、発光パターンは、複数の発光素子4の個々の波長や周波数、あるいは複数の発光素子4の波長分布や周波数分布を制御するパターンを含む。


発光位置を基準とする発光パターン

発光パターンは、複数の発光素子4の内、実際に発光する発光素子4の位置を基準としても良い。
例えば、図2、図3に示されるように、複数の発光素子4のいずれかのみが発光し、残りは消灯しているような発光パターンである。一般的には、高い輝度で海面や海中を照射することが好ましいと思われているが、魚の種類によっては、光の照射のされ方によって集まりやすかったり追い返しやすかったりすることもある。
複数の発光素子4の一部のみが発光することで、やわらかい光の照射となったり鋭い光の照射となったりする。このような光の照射具合が変わることで、上述のような光の照射具合に適した魚を集めたり追い返したりできるようになる。
また、発光位置を刻々と変化させるパターンを、発光パターンが含んでも良い。
あるいは、発光パターンは、複数の発光素子4の実装面の右方向や左方向のみに偏移した領域の発光素子4のみを発光させたり、複数の発光素子4の実装面の上方向や下方向に偏移した領域の発光素子4のみを発光させたりするパターンを含んでも良い。ある偏った領域の発光素子4のみが発光することで、海面や海中の特定の領域のみを照射することができ、非常に狭い領域に魚を集めることができるようになる

発光角度を基準とする発光パターン

発光パターンは、複数の発光素子4のそれぞれの照射角度を切り替えることを基準とするパターンを含んでもよい。例えば、複数の発光素子4のそれぞれは、実装基板3に実装される際に、実装基板3に対して可動状態で実装されてもよい。このとき、可動状態とするための可動部が、実装基板3および発光素子4の少なくとも一方に備えられる。
制御部6は、この可動部の動作を制御する。具体的には、制御部6は、この可動部の角度を制御し、発光素子4の照射角度を制御する。このとき、制御部6は、この照射角度のパターンを含む発光パターンに基づいて、可動部の動作を制御する。例えば、複数の発光素子4の内、上部に配置されている発光素子4の照射角度を海面に対してより緩やかにし、複数の発光素子4の内、下部に配置されている発光素子4の照射角度を海面に対して鋭角にする。このような照射角度の制御によって、照明部2は、より広い海域を照射できるようになる。
あるいは、複数の発光素子4の内、左右の発光素子4の照射角度を、海面に対してより広角とするような発光パターンによって、制御部6は発光素子4の照射角度を制御しても良い。この場合にも、照明部2は、より広い海域を照射できるようになる。
以上のように、発光パターンは、複数の発光素子4それぞれの照射角度を基準とするパターンを含んでも良い。


発光する時間間隔を基準とする発光パターン

発光パターンは、複数の発光素子4のそれぞれの発光や消灯の時間間隔を基準とするパターンを含んでも良い。
LEDなどの発光素子4は、電力の供給と遮断に即座に対応して発光や消灯を繰り返すことができる。魚の種類によっては、この発光と消灯の繰り返しによって、効果的に集まったり逃げたりする習性がある。電球や蛍光灯は、応答速度が遅い上、数も少ないのでこのような発光と消灯の繰り返しを実現するのは困難であるが、多数の発光素子4が実装される集魚装置1では可能である。
発光パターンは、複数の発光素子4の発光時間と消灯時間の時間間隔を制御するパターンを含む。これは、例えば複数の発光素子4の内、特定の発光素子4の発光時間および消灯時間の時間間隔を制御するパターンや、複数の発光素子4全体の発光時間や消灯時間の時間間隔を制御するパターンを含む。あるいは、発光パターンは、複数の発光素子4のそれぞれの輝度の増減や、発光させる発光素子4の数の増減によって発光の度合いを、時間間隔で変動させるパターンを含んでも良い。
図5図5は、本発明の実施の形態1における発光パターンの一例を示す説明図である。
図5は、横軸に時間、縦軸に輝度を示している。時間の推移に合わせて、複数の発光素子4(すなわち照明部2)の輝度が増減を繰り返す状態を示している。すなわち、図5に示されるグラフは、制御部6が使用する発光パターンである。この発光パターンを使用して制御部6は、複数の発光素子4の輝度を制御し(複数の発光素子4のそれぞれの輝度を一様に変化させても良いし、発光する発光素子の個数を変化させることでもよい)、照明部2が図5に示されるような変化で、光を照射できる。
照明部2は、図5に示されるような輝度の増減を、所定間隔(なお、この間隔は、一定間隔であってもなくてもよく、輝度の最大値、輝度の最小値、輝度の高い時間の長さ、輝度の低い時間の長さなどは、一定であってもよいし、変動しても良い)をもって繰り返す。この繰り返しに反応を示す魚を、集魚装置1は、効果的に集めたり追い返したりできる。あるいは、輝度の高い照射に反応して集まる魚と輝度の低い照射に反応して離散する魚とが混在する海域では、図5に示されるような、高輝度と低輝度とを繰り返す発光パターンによって、所望の魚だけを集めて不要な魚を追い返すことが同時にできる。もちろん、逆のパターンでもよい。
また、図5は、時間間隔において輝度を増減させるパターンを示しているが、時間間隔において色度や照射角度を変動させるパターンであっても良い。
以上のように、発光パターンは、複数の発光素子4のそれぞれを、輝度、色度、波長、周波数、発光時間、消灯時間、発光と消灯との間隔などを基準に制御するパターンや、複数の発光素子4における輝度分布、色度分布、照射角度分布、輝度変化、色度変化などを基準に制御するパターンなどを含む。加えて、これら輝度や色度のいずれかの要素に限定したものではなく、複数の要素を組み合わせた基準に基づいて制御するパターンを含んでも良い。これらの発光パターンは、集魚装置1を用いる使用者が、集めたい魚あるいは追い返したい魚の特性に合わせて選択すればよく、記憶テーブル61にこれらの発光パターンを記憶させておけばよい。また、これらの発光パターンは、海面情報を考慮したうえで決定されることが好適である。
また、上述の通り制御部6は、複数の発光素子4の発光パターンを制御するが、複数の発光素子4全体を一様に制御しても良いし、複数の発光素子4のそれぞれの発光パターンを独立して制御しても良い。これは、上述したように、発光する角度や方向に対応する発光素子4に与えられる輝度、色度、波長、周波数が、発光素子4毎に切り替えられることによって実現される。複数の発光素子4全体が一様に制御されることで、照明部2全体としての発光が魚を集めたり追い返したりすることに適する。
一方、複数の発光素子4のそれぞれが独立して制御されることで(あるいは、複数の発光素子4の一部ずつが独立して制御されることで)、海面や海中に届く光を、発光素子4からの距離にかかわらず一様にしたりあるいは変化をつけたりできる。この結果、漁船の周辺における魚を集めたり追い返したりする際の効率が向上する。
実施の形態1における集魚装置1は、LEDなどの複数の発光素子4を、実際に漁業活動を行っている海面や海中に関する海面情報を考慮して、種々の発光パターンによって制御部6がその発光を制御することで、魚の種類にあわせつつ、効果的に魚を集めたり追い返したりできる。

実施の形態2

実施の形態2においては、同一海域に集めたい魚と集めたくない魚とが混在する場合に合わせた集魚装置を説明する。
ある海域には、漁業活動において集めたい魚と集めたくない魚とが混在し、従来のようにただ光を照射するだけでは、集めたくない魚まで集まってしまう問題があった。例えば、アジやサバなどの集めたい魚以外にくらげや雑魚などの余計な魚も集まってしまう。このような状態では、魚網の中に余分な魚も入ってしまい、海上あるいは陸上での選別作業に多大なコストがかかってしまう。これは、検出部8が検出する、集まっている魚の情報に基づいて把握できることも多い。あるいは経験則として同一海域に複数の種類の魚(魚以外も含めて)が集まることが分かっていることがある。このように複数の魚や魚以外の生物が集まっている場合には、希望種の魚だけをあつめつつ、不要な他の生物を追い払いたい欲求が生じる。
魚の種類によっては、集魚装置1から照射される光の周波数(波長)に対して集まるように反応したり、遠ざかるように反応したりする。すなわち、ある周波数の光は、ある魚の種類にとっては集まりやすい反応につながり、別の種類の魚にとっては遠ざかりやすい反応につながる。
図6は、本発明の実施の形態2における集魚装置のブロック図である。集魚装置1は、照明部2において、複数の発光素子4の一部を所定の周波数を有する第1周波数で発光させ、他の発光素子4を第1周波数とは異なる第2周波数で発光させる。集魚装置1が、複数の発光素子4を異なる周波数である第1周波数と第2周波数とに分けて発光させることで、例えば第1周波数の光によってある種類の魚をあつめつつ、第2周波数の光によってある種類の魚を追い返すことができるようになる。
もちろん、第1周波数と第2周波数との役割分担は一例であり、第1周波数の光がある種類の魚を追い返し、第2周波数の光がある種類の魚を集めることでも良い。あるいは、第3周波数の光を更に照射しても良い。
例えば、検出部8から得られる海面情報から得られる魚の情報に基づいて、集めたい魚には第2周波数が適合し、追い返したい魚には第1周波数が適合する場合がある。この場合には、海面情報を活用して制御部6は、第1周波数の光によって不要な魚を追い返しつつ、第2周波数の光によって希望種の魚を集めるように発光パターンを制御できる。
このとき、集魚装置1が漁船に取り付けられる場合には、一般的に漁船の近くに魚網が配置される。このため、漁船の近くに集めたい魚を近づけ、漁船の遠くに追い返したい魚を追い返すことが望まれる。
第1周波数の光が所望の魚を集め、第2周波数の光が不要な魚を追い返すと仮定する。照明部2は複数の発光素子4を備えており、複数の発光素子4の内、照明部2の上部に配置される発光素子4は、海面10に対して照射角度が緩やかであり(すなわち、漁船より遠くを照らすことができる)、照明部2の下部に配置される発光素子4は、海面10に対して照射角度が急峻である(すなわち、漁船に近い場所を照らすことができる)。
ここで、海面10に対して照射角度が緩やかとなる発光素子4は、第2周波数の光を照射する。一方、海面10に対して照射角度が急峻となる発光素子4は、第1周波数の光を照射する。図6における矢印Aは、第2周波数の光が、海面10において漁船より遠い領域を照らす光の方向を示している。一方、図6における矢印Bは、第1周波数の光が、海面10において漁船に近い領域を照らす光の方向を示している。
ある種類の魚(漁獲における所望の魚)を集めるのに適した第1周波数の光は、矢印Bに沿って漁船の近くを照射するので、集魚装置1は、漁船の近くに所望の魚を集めることができるようになる。
一方、ある種類の魚(追い返したい魚)を追い返すのに適した第2周波数の光は、矢印Aに沿って漁船の遠くを照射するので、集魚装置1は、漁船より魚を遠ざけることができるようになる。
このように、魚の種類に応じた周波数の光を、複数の発光素子4の中で使い分けると共に照射領域をも使い分けることで、漁業活動において所望とする魚だけを集中して漁獲することができるようになる。
もちろん、魚網の位置や魚の特性によっては、海面10に対して緩やかな照射角度となる矢印Aに沿って、ある種類の魚を集めやすい第1周波数の光が照射され、海面10に対して急峻な照射角度となる矢印Bに沿って、ある種類の魚を追い返しやすい第2周波数の光が照射されることでもよい。
また、実施の形態2では、周波数の違いによって、集めたい魚と追い返したい魚とを同時に制御することを説明したが、輝度、色度、発光時間間隔、消灯時間間隔によって、集めたい魚と追い返したい魚とを同時に制御してもよい。また、矢印Aおよび矢印Bと、によって、漁船に対して遠方と近接との照射を制御しているが、更に細かな照射角度によって制御しても良い。
以上のように、実施の形態2における集魚装置1は、周波数、波長、輝度、色度、発光時間間隔、消灯時間間隔などの発光の要素に、照射領域の要素を組み合わせることで、集めたい魚と追い返したい魚との両方を同時に制御できる。

実施の形態3

次に実施の形態3について説明する。実施の形態3では、発光素子4が封止枠、封止材およびレンズ板と、によって実装されることで、コスト低減が図られる場合を説明する。
集魚装置1は、漁業活動に用いられ、LEDなどの発光素子4を用いることで、ランニングコストを低減できる。加えて、製造コストを抑えることができると、集魚装置1は、漁船に容易に導入が可能であり、現在のハロゲンランプや蛍光灯を中心とする集魚装置からの置き換え意欲が高まる。現在のハロゲンランプや蛍光灯を中心とする集魚装置からの置き換えが進めば、消費電力や発熱などの点で、環境にもよい状態が生まれてくることになる。
図7図7は、本発明の実施の形態3における集魚装置1のブロック図であり、集魚装置1の内、照明部2の側面構成を詳細に示している。
照明部2は、実装基板3において、複数の発光素子4の周囲を囲む封止枠31と、封止枠31内部において複数の発光素子4を封止する封止材32と、封止材32の上層に積層されるレンズ板33と、を備える。ここで、発光素子4は、ベアチップ状態で実装基板3に実装されることも好適である。ベアチップ状態で実装されることで、更にコストが低減するからである。発光素子4は、電力供給部5と信号線7で接続されている。この信号線7によって、電気信号が発光素子4に付与される。
また、封止材32およびレンズ板33の少なくとも一方の構造は、発光パターンと関連する。例えば、発光パターンにおいてある領域に実装された発光素子4からの光は所定の色度で照射し、別の領域に実装された発光素子4からは別の色度で照射することが求められる場合には、封止材32およびレンズ板33の少なくとも一方は、この色度に合わせた色味を有している。
このように、封止材32およびレンズ板33は、発光素子4を封止しつつ光の集光や拡散を実現するのに合わせて、発光パターンの実現をより促進させる機能をも有している。
封止材32およびレンズ板33は、透明もしくは半透明であって、封止材32およびレンズ板33の積層は、発光素子4の発する光を拡散および集光の少なくとも一方を行なう。この構成によって、照明部2は、発光素子を封止する部材を活用して、複数の発光素子4が発する光を、適切に外部に照射できる。
複数の発光素子4の周囲には封止枠31が設けられており、この封止枠31内部には樹脂などを素材とする封止材32が投入される。封止材32は、複数の発光素子4の表面や側面と接触した上で、複数の発光素子4を封止する。この封止によって、封止材32は、発光素子4を保護する。また、封止枠31が設置された上で、封止材32が投入されるので、封止材32は、封止枠31の形状、大きさに応じた形状や大きさを有する。
封止材32の上にレンズ板33が積層される。レンズ板33は、凸レンズや凹レンズ形状を有しており、封止材32の積層面において、レンズ板33のカーブに応じた形状で積層される。封止材32は、封止枠31に投入される際には、溶融樹脂などであるので、レンズ板33の形状に応じて、封止材32の積層面の形状が容易に対応できる。この結果、封止材32とレンズ板33とは、スムーズな曲面で接触する。
封止材32およびレンズ板33は、半透明もしくは透明であって、発光素子4からの光を透過させる。このとき、封止材32およびレンズ板33が形成する屈折カーブに従って、発光素子4は、発する光を外部に照射する。このとき、封止材32およびレンズ板33は、カーブ形状に従って、発光素子4の光を拡散および集光の少なくとも一方を行なう。すなわち集魚装置1は、複数の発光素子4の光を一つの集光機能や拡散機能によってまとめた上で、外部に照射する。
封止枠31、封止材32は、発光素子4を外部露出から保護するための封止機能を持っており、本来的には、この封止機能が封止枠31などの役割である。しかし、封止機能を有する封止枠31や封止材32に加えて、レンズ板33を積層することで、封止枠31、封止材32およびレンズ板33は、複数の発光素子4を一度に封止できると共に複数の発光素子4が発する光の集光や拡散を制御できる。
すなわち、余分な部材を追加することなく、封止と発光を実現できるので、集魚装置1は、余分なコストを必要としない。加えて、集魚装置1は、複数の発光素子4をまとめて封止した上で発光を制御できるので、発光素子4毎に発光や封止のばらつきが生じない。加えて、封止と発光制御とが同時に同一の部材で実現できるので、封止と発光制御とがアンバランスになることが無くなり、発光のばらつきも防止される。特に、複数の発光素子4をまとめて封止することがそのまま発光制御につながるので、照明部2は、複数の発光素子4をまとめて発光させた上で集光や拡散を実現できる。
また、封止材32は、その内部に発光素子4および封止材32の少なくとも一部からの熱を伝導する熱伝導部材を更に備え、封止枠31は、熱伝導部材から伝導された熱を外部に放出することも好適である。
図8図8は、本発明の実施の形態3における照明部の側面図である。
照明部2は、図8に示されるように、封止枠31や封止材32を備え、封止材32の内部に熱伝導部材34を更に備えている。
熱伝導部材34は、封止材32内部に設けられており封止枠31と熱的に接触する。このため、熱伝導部材34は、封止材32からの熱を(すなわち発光素子4からの熱を)封止枠31に伝導できる。封止枠31は、外部に露出されており、熱伝導部材34から受け取った熱を、外部に放出できる。特に、封止枠31は、金属、合金あるいは熱伝導性の高い樹脂などで形成されるので、封止枠31は、伝導された熱を外部に放出できる。この結果、発光素子4の発光面および側面の少なくとも一部から発せられる熱は、封止材32内部に蓄積されることなく、熱伝導部材34および封止枠31を経由して外部に放出される。
矢印Cは、熱伝導部材34から封止枠31に熱が伝導することを示しており、矢印Dは、封止枠31から外部に熱が放出されることを示している。
加えて、封止枠31は、放熱機構を備えている。放熱機構は、図8に示されるように、封止枠31の表面および側面の少なくとも一部に設けられた放熱フィン36、37を含む。
熱伝導部材34から伝導された熱は、この放熱フィン36、37を介して、外部に放出される。
このように、熱伝導部材34および放熱フィン36、37によって、照明部2は、熱の溜まりやすい封止材32内部の熱を、効率的に外部に放出できる。
発光素子4の発する熱の内、発光面および側面からの熱が、外部に放出されることで、照明部2の発熱が抑えられる。この結果、発光素子4には、高い電流値や電圧値を与えることが可能となり、発光素子4は、高い輝度で光を照射できる。
熱伝導部材34は、発光素子4から封止材32に伝わる熱を、封止枠31に伝導させるので、熱伝導性の高い素材で形成されることが好ましい。例えば、金属、合金などである。一例として、熱伝導部材34は、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高いあるいは防錆性(あるいは耐久性)の高い金属で形成されることが好ましい。
また、熱伝導部材34は、封止材32の熱を封止枠31に伝導する機能を担うが、発光素子4からの光が外部に照射されるのを阻害することは不都合である。このため、熱伝導部材34は、熱伝導性の素材で形成された格子形状を有することも好適である。例えば、熱伝導部材34は、金属、合金もしくは熱伝導性の高い樹脂で形成されたメッシュ形状を有することでもよい。
図9熱伝導部材34が格子形状を有する状態を図9に示す。図9は、本発明の実施の形態3における照明部の正面図である。図9に示されるように、熱伝導部材34は、格子形状を有する。
熱伝導部材34が、格子形状を有することで、封止材31の熱を封止枠31に伝導できると共に発光素子4からの光を阻害することがない。発光素子4からの光は、格子形状の空き領域をもれ出て行くからである。特に、発光素子4に高い電流値や電圧値が付与されて、高い輝度で発光素子4が発光する場合には、格子形状の熱伝導部材34は、発光における阻害とはなりにくい。
なお、熱伝導部材34が格子形状を有する場合には、発光素子4の個数、発光素子4の配列間隔に合わせた格子形状を有すればよい。例えば、格子形状における空き領域の個数や面積は、発光素子4の配列間隔に合わせることも好適である。
また、熱伝導部材34は、方形の枠からなる格子形状以外であっても、円形、楕円形、多角形等の枠からなる格子形状を有してもよい。もちろん、封止材31の熱を伝導できると共に発光素子4からの光の照射を阻害しない形状であれば、どのような形状を有してもよい。
熱伝導部材34は、封止材32内部に設けられれば良いが、封止材32において、発光素子4と上面との間のいずれかの位置において設けられればよい。例えば、発光素子4と上面とのおよそ中間位置において、熱伝導部材34が封止材32内部において設けられればよい。
また放熱フィン36、37は、封止枠31の表面および側面から突出しているが、封止枠31の表面もしくは側面のいずれかのみから放熱フィンが突出していても良い。
放熱フィン36、37は、その表面積が大きいことによって、その表面から外部に熱を伝えることで熱を放出できる。加えて、放熱フィン36、37の柱状部材同士の間において熱の対流を生じさせることで、外部に熱を放出できる。放熱フィン36、37は、このように伝導や対流によって、外部に熱を放出できる。また、必要に応じて、放熱フィン36、37に風を送る送風ファンを更に備えることで、放熱フィン36、37による放熱能力が更に高まる。
このため、放熱フィン36、37は、棒状部材であってもよいし板状部材であっても良いし、これらの部材が混在した状態でも良い。
以上のような照明部2が集魚装置1に組み込まれることで、集魚装置1の製造コストを抑えることができる。
また、発光素子4を多数用いることによって生じうる発光素子4の発光面への熱を、外部に効率的に放出できるので、集魚装置1は、所望とする発光パターンを発熱に気遣うことなく制御できるようになる。結果として、実施の形態3の集魚装置1は、効果的に魚を集めたり魚を追い返したりできるようになる。
加えて、発光素子4を用いる照明部2に近接して検出部8が設けられてもよい。複数の発光素子4を備える照明部2は、実際に海面10や海中11へ光を照射する位置に設置される。海面10の情報を得る抽出部8は、光を照射する場所に近い照明部2に隣接して設けられることで、海面10や海中11の情報を得やすくなるからである。
また、検出部8が、発光素子4の温度や照明部2の温度を測定しても良い。測定によって発熱が所定以上であることを把握する場合には、制御部6は、発光素子4に付与される電力を低減する。同様に、検出部8は、発光素子4の実装面の温度や基板3の温度を測定しても良い。測定によって発熱が所定以上であることを把握する場合には、制御部6は、発光素子4に付与される電力を低減する。

実施の形態4

次に、実施の形態4について説明する。
実施の形態4の集魚装置は、発光素子4が実装面に生じさせる熱を、照明部2から離隔した位置において放出する機能を有する。
図10は、本発明の実施の形態4における照明部の側面図である。図10に示される照明部2が、集魚装置1に用いられる。図10は、照明部2の熱伝導経路を矢印で示している。
実装基板3は、複数の発光素子4が発する熱を受熱する受熱部23を含む。更に、受熱部23からの熱を実装基板3と交差する方向であって実装基板3(すなわち照明部2)と離隔する位置で排出する排熱部26が設けられる。排熱部26は、伝導部材24と排出部材25を備えている。
受熱部23は、実装基板3そのものが受熱部23であってもよいし(実装基板3と一体で形成される)、実装基板3内部に受熱部23が設けられてもよい。受熱部23は、発光素子4の実装面から発せられる熱を受熱し、伝導部材24に伝える。
受熱部23は、伝導部材24と熱的に接続しているので、受熱部23が受熱した熱は、伝導部材24に伝導される。伝導部材24は、受熱部23より伝導した熱を、所定方向に伝導する。この所定方向は、実装基板3と交差する方向である。実装基板3と交差する方向に伝導部材24が熱を伝導することにより、発光素子4の熱は、発光素子4の実装領域より離隔した位置において排出されるようになる。
伝導された熱は、伝導部材24に熱的に接触する排出部材25に到達し、排出部材25は、到達した熱を外部に排出する。
複数の発光素子4が、実装基板3に実装され、高い輝度で発光できるように高い電力が複数の発光素子4に与えられる場合には、複数の発光素子4は、実装基板3における実装面に対して高い熱を発することになる。この熱は、実装面から実装基板3に伝導するが、実装基板3は受熱部23を含むので、これらの熱は受熱部23によって広がる。周辺領域に広がることで、発光素子4が実装されている領域(この領域には、発光素子4が発光している限りは、熱が発生する)の過大な発熱が抑えられる。加えて、受熱部24が受け取った熱は、伝導部材24および排出部材25を通じて外部に排出されるので、発光素子4が生じさせる熱は、連続して排出される。
このように、実装基板3が受熱部23を含んでおり、受熱部23から発光素子4の発光方向と逆側に伝導されて外部に熱が排出されることで、発光素子4および発光素子4の周辺における熱の滞留を防止できる。この結果、発光素子4の過大な発熱を抑えることができるようになるので、発光素子4に対して高い電力を与えることができるようになり、発光素子4は、非常に高い輝度で発光できる。 すなわち、複数の発光素子4は、ある平面に沿った実装平面(実装基板3によって形成される平面である)において実装され、受熱部23は、この実装平面に沿って、複数の発光素子4の熱を受熱し、伝導部材24は、この実装平面に交差する方向に沿って、受熱部23からの熱を伝導し、排出部材25が、外界に排出する。このように、照明部2は、実装平面に実装された複数の発光素子3の熱を、3次元的な方向への伝導によって排出できる。この結果、複数の発光素子3の周囲に、熱を滞留させることがなくなり、発光素子3へ高い電力を与えることが容易となる。高い電力を与えることができることにより、制御部6は、複数の発光素子4を高い輝度など様々な発光パターンで発光させることができるようになる。この結果、魚を効率的に集めたり追い返したりできる、様々な発光パターンを用いて、集魚装置1は、光を照射できるようになる。
ここで、図10の矢印Eは、発光素子4の発光面からの熱の放出経路(熱伝導部材34および封止枠31を介して放出される経路)を示している。一方で、矢印Fは、発光素子4の実装面からの熱の排出経路(受熱部23、伝導部材24、排出部材25を介して排出される経路)を示している。
このように、封止枠31の放熱機構は、複数の発光素子4が発光面に生じさせる熱を外部に放出し、排熱部26は、複数の発光素子4が実装面に生じさせる熱を外部に排出できる。このような3次元的な放熱構造によって、発光素子4が生じさせる熱を外部に効率的に排出でき、集魚装置1は、発熱の問題に関らず、魚を効率的に集めたり追い返したりする発光パターンで、光を照射できる。
結果として、集魚装置1は、低いイニシャルコストとランニングコストによって、漁業活動における漁獲量と漁獲精度を高めることができる。
以上、実施の形態1〜4で説明された集魚装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。





脚注及び関連項目




水田 敬
特開2012-029649 図1
図2
 光の濃淡部を形成して魚類の蝟集・滞留性を 向上させた水中集魚灯>

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