507 特許 特許研究室オタネイモの栽培方法



特集|トリュフの栽培とその利用技術


特開平10-127164|白トリュフの栽培方法

要約

子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の菌糸をグルコースやマンノースなどの炭水化物を炭素源として含む培地で増殖させ、その後、子実体を生育させ、その子実体を得るようにした方法で、白トリュフを人工的に栽培する方法を提供する。

【符号の説明】
1 培地 2 容体 4 土 5 子実体

作用及び効果

 種々実験を繰り返した結果なしとげた発明であり、請求項はこの実験結果をまとめたものである。
よって、本発明は白トリュフを完全に人工栽培し得ることになるから、希少とされていた白トリュフを量産し得ることになる。

課題

子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)は外国、特にフランス,イタリアでは珍重されている。
【0003】白トリュフはブナの根に寄生する菌根菌で、子実体は塊状となる。これまでは、胞子を土壌中にまいて栽培する方法や、白トリュフの菌糸を真綿に接種し、ブナの木にこの真綿を付着させ、そのまま土中に埋める方法等が報告されているが、未だ成功例はなく、また、これらの方法はいずれも天然資材を利用するもので、完全な人工栽培方法ではなく、天候、気候に左右されたりし、量産性にはなじまない。
本発明者は鋭意研究した結果、これまで不可能とされていた白トリュフを人工的に栽培する方法を完成させた。

課題を解決するための手段

子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の菌糸をニンジンの熱水抽出液を混入した培地1で生育させてその子実体5を得るようにしたことを特徴とする白トリュフの栽培方法に係るものである。
また、子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の菌糸を所定の培地1で生育させた後、更に5〜10℃において冷乾燥せしめることを特徴とする白トリュフの栽培方法に係るものである。
また、ニンジンの熱水抽出液を混入した培地1に子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の種菌を接種して増殖させ、その後、周囲を通気性を有する土4で囲繞し、この状態で5〜25℃で2カ月程度放置して子実体5を生育させ、続いて、その子実体5を冷乾燥せしめることを特徴とする白トリュフの栽培方法に係るものである。
また、ブナ,コナラ等の広葉樹チップ,米ぬか,酵母,おから,ブドウ糖,ニンジンの熱水抽出液を混入した培地1に子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の種菌を接種して増殖させ、その後、周囲を粒子直径2〜10mm程度の土4で囲繞し、この状態で5〜25℃で2カ月程度放置して子実体5を生育させ、続いて、その子実体5を5〜10℃で少なくとも1カ月放置せしめることを特徴とする白トリュフの栽培方法に係るものである。
また、グルコースやマンノースなどの炭水化物を炭素源として含む培地に子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の種菌を接種して増殖させ、その後、可及的に暗く設定して2カ月程度放置して子実体を生育させ、その子実体を得るようにしたことを特徴とする白トリュフの栽培方法に係るものである。
また、グルコースやマンノースなどの炭水化物を炭素源として含む培地に子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の種菌を接種して増殖させ、その後、雰囲気温度5〜25℃で2カ月程度放置して子実体を生育させ、その子実体を得るようにしたことを特徴とする白トリュフの栽培方法に係るものである。
【0012】また、子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の菌糸をグルコースやマンノースなどの炭水化物を炭素源として含む培地で増殖させ、その後、子実体を生育させ、その子実体を得るようにしたことを特徴とする白トリュフの栽培方法に係るものである




実施の形態

実験例1

培地組成は次の通りである。
ブナ、コナラ等の広葉樹チップを適当に混合したもの600g、米ぬか30g、乾燥酵母(商標名:エビオス)5g、おから30g、尿素1g、ブドウ糖20gの混合物にニンジンの熱水抽出液(ニンジン200gを水1lと混合し、加熱温度約100℃で20〜30分の熱水抽出(水が少なくなったら水を加えて1lに保つ))を混合し、水分約60重量%に調整された培地1を作成する。

この培地1は水酸化ナトリウム(石灰),尿素の混入によりpH6.5〜7.5に調整する。これは、実験の結果見い出した最適のpH値である。
この培地1(約550〜600g)を容量850ccの容体2の中に入れ、殺菌後、種菌として、子のう菌類・セイヨウショウロウタケ科・学名白色西洋ショウロウ(Tuber.magnatum:通称白トリュフ)の菌糸体を接種する。
この菌糸体は、イタリアで採取された生の白トリュフの子実体を空輸し、有限会社農林菌類において単離した菌糸体である(農林菌類 F−5−303菌株)。
尚、生の白トリュフの子実体から菌糸体を得る方法は、公知の組織分離法による。具体的には生のトリュフの子実体から雑菌のない内部の肉片をとり、この肉片を殺菌した試験管に入れる。この試験管には前記組成の培地を寒天で固めたものを充填したおく。この状態で20℃〜25℃で約20日放置すると白トリュフの菌糸体(原種)が生成する。この原種を複数の容器に分譲し、同様の処理で菌糸体を増殖させる。
15〜30日で容体2内が白色を呈し、菌糸体の培養(増殖)が終了する。
次にこの菌糸体の培養が終了した容体2を容量30cm×30cm×30cmの収納体3に入れ、周囲を土4(水分は約50重量%に調整)で囲繞する。
この土4は肥えていない赤土が良い。肥えた土では雑菌が繁殖してしまうからである。また、この土4は通気性を確保する為、粒子が直径2〜10mm程度の荒い土が望ましい。更に、この土4は図2に図示したように距離aを可及的に長くし(aは少なくとも10cm以上)、該土4の乾燥が早くすすまないようにする。
この状態で20〜25℃で2カ月程度放置すると、培地1から塊状の子実体5(白トリュフ)が、5g程度の小塊2〜3個程度、30〜40g程度の大塊が1〜2個程度生成した(図3参照)。
発明者は、この塊を採取し、割ってみたところ、内部に未だ胞子が出来ておらず、この段階では水分が多く、硬過ぎることを確認した。
そこで、発明者は、この塊を更に熟成させる必要があると判断し、次の操作を行った。
この塊を冷乾燥させるべく5〜10℃の冷蔵庫内で1〜4カ月放置した。
その後、この塊を取り出して割ってみたところ、水分はとんでおり、また、内部には十分胞子が生成して白色を呈しており、適度に柔らかくなっていた。
このトリュフをゆであげて食してみたところ、市販されている白トリュフそのものであった。
尚、容体2内での培養が終了した後、容体2内の菌糸体とともに培地1を収納体3にかき出し、同様に土4を入れて栽培しても同様に白トリュフが得られることを確認している。




実験例2

菌糸体として新潟県北魚沼郡入広瀬村大白川新田で採取した白トリュフの子実体から単離したものを用い、実験例1に準じて培養,生育したところ、実験例1と同様のトリュフが得られた。

実験例3

培地1としてP.D.Y.A培地,pH7に設定したP.D.Y.A培地にリン酸水素二カリウム,リン酸二水素アンモニウム及び硫酸マグネシウムを夫々0.09%加えたP.D.Y.M.A平板培地,1N−NaCl及び1N−HClでpH3.0〜8.0に調整したP.D.Y液体培地,並びにP.D.L培地の炭素源であるD−グルコースをD−キシロース,D−マンノース,D−ガラクトース,D−マルトース及びD−シュクロース(いずれも、和光純薬製特級。)に夫々置き換えたものを使用し、実験例1に準じて培養,生育したところ、実験例1と同様のトリュフが得られた。
また、P.D.L培地の炭素源としては、D−マンノースを使用したものが最も菌糸の育成が良好であった。
尚、P.D.Y液体培地のpHは、5.0〜7.0に調整したものが特に菌糸の育成が良好であった。
また、米ぬかやふすまなどの他の炭水化物を含む培地1を使用し、実験例1に準じて培養,生育したところ、実験例1と同様にトリュフが得られた。
従って、白トリュフを培養するときに使用する培地は、炭水化物を炭素源として含むものであれば、どのような培地でもよいのではないかと推察される。

実験例4

前記容体2の代わりに、ポリプロピレン製袋(2.5kg詰、種菌40g)に培地1を入れ、湿度75%の室内で実験例1に準じて培養,生育したところ、実験例1と同様にトリュフが得られた。

実験例5

実験例4に準じて培養した2個の菌床のポリプロピレン製袋を破り、内部の菌床を屋外の土に植え、2カ月程放置したところ、16〜33mmの子実体が14個(合計重量600g)確認できた。尚、発明者は、子実体の成長に季節が関係しないことも確認している。 また、屋外の土として畑や山の中の土を使用して生育したところ、上記と同様に2カ月程で子実体が収穫可能な大きさ(1cm以上)にまで成長した。 また、ポリプロピレン製袋を破らずに菌床をそのまま放置したところ、子実体がポリプロピレン製袋の内周壁に沿って成長することが確認された。従って、見た目の良い商品性に秀れた白トリュフを栽培するためには、袋を破かなければならないこととなる。

実験例6

実験例1に準じて培養した菌床を室内に入れ、光りを遮断した状態で生育したところ、1カ月程で子実体の生育が確認され、2カ月程で子実体が収穫可能な大きさにまで成長した。また、室内を暗くすれば暗くする程大きな子実体が収穫できた。 これは、白トリュフは通常は土中で生育するため、暗い所程良好に生育されるのではないかと推察される。 また、室内の温度を5〜25℃の範囲で略一定温度に設定し、繰り返して生育状態を確認したところ、いずれの温度でも2カ月程で子実体が収穫可能な大きさにまで成長することが確認された。尚、17℃に設定した場合において、最も子実体が大きく成長していた。また、温度を一定に調節しない場合においても子実体が収穫可能な大きさにまで成長することが確認された。 従って、白トリュフの育成時には温度設定について特に細かい注意をする必要が無いことが確認された。




特開平10-215678 菌根菌の子実体の人工栽培方法

要約

腐葉土を含む培地で菌根菌を培養する工程を含む、菌根菌の子実体の人工栽培方法。菌根菌の子実体を人工栽培する方法、および菌根菌の子実体の人工栽培用培地の提供。

【発明の効果】本発明によって、これまで不可能とされてきた菌根菌の子実体の人工栽培が可能となった。本発明の人工栽培方法は、場所、季節、天候にかかわらず、キノコの子実体を施設栽培することが可能であるため、大量栽培に道が拓けた。これまでのキノコと比較しても大差のない、総栽培日数65〜70日間での栽培も可能である。




特開2002-212588 白トリュフ香気成分の組成物ならびに製造方法

要約

一般式1のジチオアセタール、一般式IIのチオエーテル、一般式IIIのチオール又は一般式IVのジスルフィドを含有する白トリュフ香気組成物及び一般式I〜IVの化合物の1種以上を溶媒中常温常圧下混合させることによる白トリュフ香気成分の製造方法。 一般式1のジチオアセタール、一般式IIのチオエーテル、一般式IIIのチオール又は一般式IVのジスルフィドを含有する白トリュフ香気組成物及び一般式I〜IVの化合物の1種以上を溶媒中常温常圧下混合させることによる白トリュフ香気成分の製造方法。

(R,R1,R2及びR3はアルキル基を示す。但し、一般式IのR1は水素を示すことがある。)

技術背景

トリュフ(truffle)は香りの高いキノコで、欧米では最も珍味とされており、黒トリュフと白トリュフが知られているが、現状では白トリュフの産地は限定され収穫量は極めて少量であるにもかかわらず、収穫量を増加させる手段は発見されていない。白トリュフは、主としてその香気成分によって価値判断されるため、もし白トリュフの香気成分を知ることができ、その香気成分を製造することが可能であるなら、新規の食材を提供できることになる。
そこで、白トリュフの香気成分を分析してみると、下記表Aのようになった。分析方法は、白トリュフ1gをバイアルに詰め密封し、40℃、30分加温時の気相部分をCarboxen/PDMS−固相マイクロファイバーで抽出し、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)を用いて分析を行い、検出された揮発性ピーク成分について解析を行った。

表Aに示した白トリュフの香気成分のうち、ビス(メチルチオ)メタンが白トリュフの香気そのものを特徴づける決定的成分であることを突き止めた。




特開2012-090625|キノコ栽培用培地組成物

要約

おがくずと米糠を含有するキノコ栽培用培地組成物であって、米糠の一部または全部が廃白土で置き換えられていることを特徴とするキノコ栽培用培地組成物。廃白土に含まれる油脂が植物油であることが好ましく、植物油が米油、大豆油、ゴマ油、コーン油、綿実油、パーム油、ココナッツ油、オリーブ油、菜種油、サフラワー油またはヒマワリ油であることがより好ましい。廃白土における白土が酸性白土または活性白土であることが好ましく、廃白土が油脂製造の脱色工程に使用された経歴を有することが好ましい。夏場にキノコの栽培を始めるために、米糠の代替となり、かつ、安定的に供給できるキノコ栽培用培地組成物を提供する。




脚注及び関連項目




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