507.2 工業所有権特許研究室

知的財産と特許法と工業所有権


知財戦略の進め

知的財産権(Intellectual Property Right)は、有体物に対して個別に認められる財産権とは異なり、無形のもの、特に思索による成果・業績を認め、その表現や技術などの功績と権益を保証するために与えられる財産権のことである。知的所有権とも呼ばれる。知的財産とは、知的財産権を含むより広い概念であり、その性質から、「知的創作物(産業上の創作・文化的な創作・生物資源における創作)」と「営業上の標識(商標・商号等の識別情報・イメージ等を含む商品形態)」および、「それ以外の営業上・技術上のノウハウなど、有用な情報」の三つに大別される。

  これに対して、特許法、発明をした者に特別の権利(特許権)を与える代わりに、発明を公開させることにより産業の発展を促進させる目的で各国で設けられる法律の総称であり、特許法の目的は、第1条に謳われているように、「産業の発達」である。この目的を達成するための手段として、発明の保護と利用を制度として定めることが、この法律の存在意義といえる。

  さらに、工業所有権とは、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの総称であり、知的財産権(あるいは無体財産権)の領域のひとつであり、主として企業活動に関するものを含む。現在では後記する理由から、産業財産権と呼ばれることが多い。



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  昔にはなかった新しい発明や著作物がたくさんあり子ども時代には、インターネットや携帯電話はもちろん、パソコンなどの発明はなかった。また、の音楽や本、アニメーションなども、昔のものとはちがう新しいものがある。現代社会の生活は、いままでにない発明がつくり出されることで便利になり、さまざまな音楽や本などがあることによって楽しく豊かになって来た。知的財産は、ビジネスだけでなく、社会を豊かにするために大切である。
<   ところで、早く特許出願をするべき理由として、日本の特許制度では「先願主義」を採用していることが挙げられます。この「先願主義」とは、「複数の人が同じ発明をしたとしても、一番早く出願をした人のみが特許権を得られる制度」と解釈してください。この制度の下では、他者よりも早い段階でアイデアに思い至り,開発を進めていたとしても、他者の方が早く出願してしまった場合は、他者のみが特許権を取得できることになる。現実には特許庁に出願書類が提出された日を基準に「誰が一番早いのか」ということが判断になる。

  進歩性がないと判断された発明は,特許として認められない。いくら新規性も,従来の技術に基づいて当業者が容易に発明できるようなものであれば、出願しても拒絶されてしまう。通常の技術者が容易に思い付くような発明に特許権を付与することは,技術進歩に役立たないばかりか,かえってその妨げになるので、そのような発明を特許付与の対象から排除する。ちなみに,出願した発明が拒絶される理由としては、この「進歩性なし」が圧倒的多数を占める。

進歩性がある場合,ない場合

 

  それでは、どのような場合において「進歩性がある」または「進歩性がない」といえるだろうか。まず「進歩性がない」発明の例としては,

   ・単純な設計変更による発明
   ・公知の材料の中から最適な材料を選択したことによる発明
   ・公知の技術を単に寄せ集めた発明

  などが挙げられる。例えば、単に部品の配置を変えただけというもの、構造の強度を上げるために単純な補強材を設けたもの、似たような技術分野において普通に用いられている構成を単に転用したものは、進歩性がないと思われる。
  一方、予想を上回る有利な効果が得られる場合や,公知技術の組み合わせに加えて当業者が容易には思い付かないような一工夫がある場合は、進歩性が認められることがある。
  ただし,進歩性があるか否かは、基本的に"ケースバイケース"としかいいようがある。一言で「こういうものなら進歩性があります」と言い切るのは非常に困難。また,ある程度の実務的な経験がないと、進歩性の有無を判断するのは難しい。

判断できることよりも大切なのものは

  発明に進歩性があるかどうかを判断したり、進歩性を主張できるようなポイントを見つけたりするために、知財部や弁理士が出願業務をサポートされている場合が多い。発明者自身は進歩性がないだろうと思っていても、よくよく検討したら進歩性があったという事例は少なくない。しかし、発明者からの提案がなければ,そもそも進歩性を検討する機会すらなくなる。

「出願するほどのものではない」と考えていたら

  実際には前述通り、発明者自身も気づいていないようなところに、進歩性に関する意外なポイントが存在するということはよくあるといわれる。若手技術者には,三日三晩考え抜いた末に思い付いたアイデアや,上司や先輩があっと驚くような発明でなければ特許にならないなのでは、というイメージを持っている方もいるかもしれない。しかし,日々の試行錯誤の中で生まれた一見地味に思える発明でも、十分に進歩性を主張できる場合がある。逆に、これは絶対いけるだろうと考えていた発明でも、よくよく検討してみると進歩性を主張するのが難しい場合がある。このように、進歩性の有無は自分の主観だけでは判断が難しい。もちろん、会社によって事情が異なるので、自分の意思だけでは勝手に相談できない場合もある。また、誰が見ても明らかに単なる設計変更にすぎないようなものまですべて持っていってしまうと、さすがに知財部や弁理士も困る。とはいえ、新たな構造を開発したときには、まずは知財部や弁理士に相談してみようという気持ちが大切。  


わたしたちの知財戦略

登山かハイキングかいや開山

ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズ

 特許制度が整備されたなかでは知財戦略は組織戦となり、ゲームでいえば野球に例えるとわかりやすいだろう。特許出願するものにとっては三振もありホームランもある。そして、業界やタイミングで同じホームランでも満塁ホームランもあり得る。相手のミスでは四球、エラーで得点することも可能だ。ビル・ゲイツがIBMのOS開発を請け負い、MS-DOSからWindowsの開発が'敵失'による功を得た経緯などをみると知財戦略が大切であるかを物語っている。この様に、準備も十分整いさらに、登山条件があらかじめ明確にされた知財戦略を'登山型'と呼ぶことにしよう。
 また、特許手続きの費用も馬鹿にならず、手続きだけでも20万円程度かかるといわれ、大手では一桁上の200万円程度の経費をかけも有効な特許の案件を絞り込みして申請するとも言われる中、それを上回るような特許を取得することは、個人的には難しいと思われる。思われるが、決して大組織に負けない知財戦略となれば、この方法は採れないだろう。

  といって、主婦感覚つまりは、アマチュア的な特許や実用新案の取得での'新規性'を備えたビックな事例は少ない。これを'ハイキング型'と呼ぶことにする。これに対し私たちが考える知財戦略とは、これらのことを踏まえいかにビックな発明を実現るのかということになるが、これも登山に準えるとするならば、'開山型'となろうか。この戦略特徴は、装備も不十分な徒手空挙(としゅくうけん)で、想定敵というものが強く意識されていないし、'ゼロ・サム'思考も最初からない。いかに短時間に問題解決を完璧に行うための'深耕思考'を実行できるかということにある。そのためには持てる力を百l発揮できるかに腐心するといのがわたしたちの立ち位置だ。今後これを'WEEF思考'と呼ぶことにする。  




『目 録』

No.101〜150

No.ItemDate
101特集|半導体結晶を通過するX線が2方向に分岐する現象を発見 2013.02.02
102特集|マイクロ分光素子を用いたイメージセンサ2013.02.04
103特集|ノーズマスク2013.02.06;
104特集|プルシアンブルー類似体ナトリウムイオン電池2013.02.08;
105特集|鉄−ニッケル系触媒燃料電池2013.02.08
106特開2012-016318|集魚装置2013.02.11
107特開2011-074485|球状ナノ粒子の製造方法及び同製造方法によって得られた球状ナノ粒子2013.02.11
108特開2013-026496|量子ドット構造体の製造方法、量子ドット構造体、半導体デバイス及び量子ドット構造体の製造装置2013.02.15
109特集|集光板2013.0216
110特集|熱電発電2013.0217
111特開2012-216535|金属ナノワイヤー含有透明導電膜及びその塗布液2013.0218
112特集|湯けむり発電2013.0218
112_01特集|地熱発電2015.03.02
113特集|有機薄膜太陽電池の劣化の分子レベル解明2013.0228
114特開2012-248529|ハイブリッド水素燃料電池2013.03.01
115特集|鉄道車両用融雪装置2013.03.05
116特集|建屋内遠隔除染技術(高圧水式)2013.03.12
117特開2012-041336|糖アルコールの製造方法2013.03.16
118特集|グルコース燃料電池2013.03.18
119特集|オールドライプロセスによるCIGS太陽電池の量産化2013.03.19
121特集|ポストメガソーラ技術2013.03.21
121特開2012-201912|成膜装置及び成膜方法成膜装置及び成膜方法 2013.03.25
122特集|好適環境水 魚工場2013.03.28
123特集|リチウムイオンの"見える化"技術2013.03.28
124特集|ソーラーパネル清掃ロボット2013.03.31
125特集|量子ドット時代の位置決め制御技術2013.04.02
126特集|ニンニク栽培の知財2013.04.03
127特集|有機エレクトロ・ルミネッセンス素子成膜方法及び装置2013.04.03
128US 20130015257 A1|Systems and Methods for Electro-hydrodynamic Wind Energy Conversion 2013.04.06
129特集|ナノ二酸化ケイ素の人工水晶を用いた太陽電池2013.04.07
130特集|光ピンセット2013.04.10
131特開2011-086895|基板の移載方法および基板移載装置2013.04.17
132特開2013-065667|量子ドット太陽電池およびその製造方法 2013.04.18
133特開2013-056412|量子ドット層製造方法及び量子ドット層を含む量子ドット光電子素子2013.04.21
134特表2012-507377|真空掃除機2013.04.21
135特集|「逆転プロセス」で砂糖減らさずエタノール生産2013.04.22
136特集|水素製造2013.04.22
137特集|プラスチックリニアファスナー ジップロップ2013.04.23
138特集|多接合型化合物(量子ドット)型太陽電池2013.04.26
139特開2011-095052|感染症の疾患マーカー 国立大学法人 東京大学2013.04.27
140特集|太陽電池製造システム 島津製作所2013.05.01
141特集|ニンニクとダイズの粉体化2013.05.06
142特集|ダイズ工場2013.05.06
143特集|遺伝子検査・遺伝子診断2013.05.09
144特集|ハイテン=高張力鋼2013.05.17
145特集|有機太陽電池製造法2013.05.19
146最新|太陽電池製造法2013.05.21
147特開2011-225421|単結晶3C-SiC基板の製造方法およびそれによって得られた単結晶3C-SiC基板2013.05.22
148特集|微弱水流で振動発電するシステム2013.05.24
149特集|人工クモ繊維2013.05.24
150特集|地震予知2013.05.30




脚注及び関連項目


1.「審査基準 第U部 第2章 新規性・進歩性」(pp.12-22)
2.「Fタームテーマコード一般情報



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