6 産業61 農業613 肥料>特集|油糟



特集|油糟

 油粕(あぶらかす、油糟)は、アブラナなどの農作物から油を搾り取った残渣である。 主に肥料として、一部は家畜の飼料として使われる。
 日本で流通している油粕は菜種から油を採った菜種粕(なたねかす)が多い。他に綿の種から油を採った綿実粕(めんじつかす)、茶実から油を採った茶実粕(ちゃじつかす)、大豆の実から油を採った大豆粕などがある。
 菜種油粕の肥料成分は窒素5%程度、リン酸2%程度、カリ1%程度を含有しており、良質な肥料として使用されている。但し、肥料としての効果は分解されてから効果を発揮するため、効果の発現はゆっくりである。また、分解過程で炭酸ガスや有機酸等が放出されるため、植物に悪影響がある場合がある。菜種かすを施肥してすぐに植物を移植した場合は、約7日間ほどは生育が抑制される。このため他の有機質肥料と混ぜて発酵させてから用いたり、水を加えて発酵させてから液肥にすることも多い。市販の配合肥料の原料にもされる。
 有機栽培農産物のJAS規格に適合する肥料として油粕があるが、採油に化学物質を使用していないなどの条件がある。また、肥料として調理で使用したてんぷらなどの揚げ油の使わないものを土に撒いて利用することもある。

菜種油

 菜種油(なたねゆ、なたねあぶら、英: rapeseed oil)とは、主にセイヨウアブラナから採取した植物油脂の一種。食用及び食品加工用に使われる。かつては灯火の燃料としても利用された。キャノーラ油 (英: canola oil) は、菜種油のうち、品種改良によってエルカ酸とグルコシノレートを含まないキャノーラ品種から採油されたものである。カナダで開発されたためこの名が付けられた。したがって、菜種油とキャノーラ油は厳密には同じものではない。一方、日本の食用向けの国産油は主に有害なエルシン酸を含まない無エルシン酸品種から搾油されているため、菜種油の呼称が一般的である。

特徴

 菜種油は天ぷらに使うと独特の風味があり、日本をはじめ東アジアで古来より食用とされてきた。 一方、アメリカでは食用が禁止され、認可されたのはキャノーラが流通しだした1985年である。これは、従来品種から採取した菜種油には、過剰摂取により心臓障害を誘引するおそれがある不飽和脂肪酸(エルカ酸、またはエルシン酸)残基が40%程度含まれているためである。 中でもエルカ酸は全脂肪酸残基の40%以上に達し、油を多用するアメリカ型食生活ではリスクが高かった。

 そこで、主要生産国であるカナダで品種改良された結果、エルカ酸を含まずグルコシノレート含量も削減された(この特性は "double low" と呼ばれる)「キャノーラ品種」が開発された。キャノーラの不飽和脂肪酸は、オレイン酸が約60%と最も多く、以下リノール酸21%?32%、α-リノレン酸9%〜15%、パルミチン酸約5%、ステアリン酸約2%であり、エルカ酸は1%未満である。 また、搾油後の油かす(菜種ミール)には甲状腺障害に関与する含硫化合物の一種であるイソチオシアネート前駆体のグルコシノレートが多く含まれているが、無エルカ酸品種であれば、種子中にグルコシノレートは含まれていても、搾油された菜種油中にはグルコシノレートは含まれない。 さらに伝統的な交配育種法による品質改良により、オレイン酸比率が80%を超える高オレイン酸種も開発されている。最近では、遺伝子組換え技術を利用したラウンドアップレディー(ラウンドアップ耐性)品種が主力であり、カナダを中心に生産され、遺伝子組換え食品として、大量に日本に輸出されている。エルカ酸を含む種類の組成は、エルカ酸25%〜48%、オレイン酸13%〜51%、リノール酸20%〜27%、リノレン酸8%〜16%、ほかパルミチン酸、ステアリン酸数%である。

用途

 菜種油やその他の植物油脂から作られるサラダ油は、ドレッシングなどの食品の原材料に使われる。白絞油は油揚げの揚げ油としてよく使われる他、天ぷらや炒め物用の油として使われる。
 鹿児島県の一部では原料菜種を焙煎して搾油し、植物灰で処理したものを「赤湯(あかゆ)」と称し、食用に用いている。精製していないため、独特の青臭さと焙煎臭が強いものである。
 かつては非精製油は行灯などの光源燃料としても使用された。
 日本でも食品加工廃油をアルカリ処理し燃料油とする試みがあり、使い古した菜種油をバスの燃料にするなどして利用されている。これはバイオディーゼルと呼ばれ、リサイクルとして進められてきた。一方、ヨーロッパ諸国では、小麦の転作作物としてバイオ燃料用菜種が栽培され、安定した品質のバージン油が用いられている。近年のバイオ燃料ブームのため、トウモロコシ同様に食用油相場の影響を被っている。

名称

 大手製油会社は、エルシン酸を含まない、グルコシノレート含量の低いキャノーラ品種由来の菜種油の意味として「キャノーラ油」「カノーラ油」という名称を用いている。「キャノーラ」は、カナダカノーラ会議が採用した「カナダのオイル」を意味するブランドであったが、現在は北米はもちろんヨーロッパでもキャノーラ品種から搾油されたという意味でキャノーラオイルが一般的に用いられている。一方、国内地場の小規模製油会社においてはキャノーラ品種ではない国産ナタネを原料としているため、菜種油の呼称が一般的である。



脚注


※1
※2:

WEEF

Copyright (C) WINDOFWEEF All Rights Reserved.
inserted by FC2 system