バイオコークスの研究と未来

バイオコークスとは

 近年、地球温暖化の観点からCO2出の削減が推進されている。特に、製鉄業界に於いて鋳造炉(キュウポラ炉)や高炉などでは、主たる燃料や還元剤に化石燃料である石炭コークスが用いられている。また、ボイラ発電等の燃焼設備においては、燃料として石炭や重油等の化石燃料が用いられることが多い。この化石燃料は、CO2排出の問題から地球温暖化の原因となり、地球環境保全の見地からその使用が規制されつつある。また化石燃料の枯渇化の観点からもこれに代替するエネルギー資源の開発、実用化が求められている。
 そこで、化石燃料の代替として、大気中のCO2量に影響を与えないバイオマスを用いた燃料の利用促進が図られている。バイオマスとは、光合成に起因する有機物であって、木質類、草木類、農作物類、農作物に基づく厨芥類等のバイオマスがある。このバイオマスを燃料化処理することにより、バイオマスをエネルギー源又は工業原料として有効に利用し地球環境保全に貢献することができる。
 バイオマスを燃料化する方法としては、(1)バイオマスを乾燥させて燃料化する方法、(2)加圧して燃料ペレット化する方法、(3)炭化、乾留させて固体及び液体の燃料化する方法、(4)近年石炭コークスの代替として、特許文献3(特許第4088933号公報)に基づくバイオコークス等が知られている。しかし、(1)のバイオマスを乾燥させるのみでは、空隙率が大きくみかけ比重が低くなるため、輸送や貯留が困難であり、長距離輸送や貯留して使用する燃料としては有効とはいえない。
 一方、(2)のバイオマスを燃料ペレット化する方法は、特許文献1(特公昭61−27435号公報)に開示されている。この方法は、細断された有機繊維材料の含水量を16〜28%に調節し、これをダイス内で圧縮して乾燥し燃料ペレットを製造するようにしているが、この方法では、圧縮成形を行うことによりバイオマスを燃料化しているが、生成した燃料ペレットは水分量が多いため発熱量が低く、燃料としては適していない。また、(3)のバイオマスを乾留して燃料化する方法は、特許文献2(特開2003−206490号公報)等に開示されている。この方法は、酸素欠乏雰囲気中において、バイオマスを200〜500℃、好適には250〜400℃で加熱して、バイオマス半炭化圧密燃料前駆体を製造する方法となっているが、乾留によりバイオマスを燃料化する方法では、加工処理を施さないバイオマスに比べると燃料として価値が高いものとなっているが、やはり石炭コークスに比べてみかけ比重が低く、発熱量が低い。さらに、石炭コークスに比べて硬度が低いため、石炭コークスの代替として利用するには不十分である。

 さて、(4)のバイオコークスは、バイオマス原料を加圧、加熱した状態で一定時間保持した後に、加圧を維持した状態で冷却することにより製造される。加圧、加熱条件は、バイオマス細粒体中の主成分であるリグニン、セルロース及びヘミセルロースのうち、ヘミセルロースを熱分解させると共にセルロース及びリグニンの骨格を保持しつつ低温反応させて半炭化或いは半炭化前固形物を得る圧力範囲及び温度範囲に設定する。これにより以下の反応機構が成立し、高硬度で高圧密されたバイオコークスが製造できる。
 その反応機構は、上記した条件で反応を行うことにより、バイオマス細粒体の繊維成分であるヘミセルロースが熱分解し接着効果を発現させ、バイオマス細粒体に含まれる自由水がこの加圧、加熱条件下での作用によりリグニンがその骨格を維持したまま低温で反応し、圧密効果と相乗的に作用することによって、高硬度で高圧密されたバイオコークスが製造できるものである。熱硬化反応は、リグニン等に含まれるフェノール性の高分子間で反応活性点が誘発することにより進行する。
 図7に、バイオコークスの物性値を他の燃料と比較した表を示す。尚、この表は実験的に得られた数値を記載しているのみであり、本発明はこの数値に限定されるものではない。 この表に示されるように、バイオコークスは、みかけ比重1.2〜1.52に高圧密され、最高圧縮強度20〜200MPa、発熱量18〜23MJ/kgの物性値を示す硬度、燃焼性ともに優れた性能を有しており、未加工の木質バイオマスが、みかけ比重約0.4〜0.6、発熱量約17MJ/kg、最高圧縮強度約30MPaであるのと比べると、発熱量及び硬度の点において格段に優れていることが判る。また、石炭コークスの物性値である、みかけ比重約1.85、最高圧縮強度約15MPa、発熱量約29MJ/kgに比しても、バイオコークスは燃焼性、硬度とも遜色ない性能を有する。従って、バイオコークスは石炭コークスの代替として有効な燃料であるとともに、マテリアル素材としての利用価値も高い。




実施形態

 バイオコークスの原料となるバイオマスは、光合成に起因する有機物であって、木質類、草木類、農作物類、厨芥類等のバイオマスであり、例えば、廃木材、間伐材、剪定枝、植物、農業廃棄物、コーヒー滓や茶滓等の厨芥廃棄物等が挙げられる。必要に応じて所定の含水率になるように水分調整されたバイオマス細粒体を原料としている。バイオマス細粒体は、茶滓やコーヒー滓等のように小粒径のバイオマスをそのまま用いてもよいし、廃木材等の大粒径のバイオマスを予め所定粒径以下まで粉砕したものであってもよい。

バイオコークス製造装置の構成を示す断面図

  上図に示すように、バイオコークス製造装置1はバイオマス細粒体11が投入される円筒形の反応容器2を有している。該反応容器2の上部にはバイオマス細粒体11を受け入れる漏斗状のホッパ3が設けられ、下端には成形されたバイオコークスを排出する排出部5が設けられている。また、反応容器2は、内容物を所定温度まで加熱又は冷却する温度調整手段を備える。さらに、反応容器2の上方には、該シリンダ2内のバイオマス細粒体11を所定圧力まで加圧する加圧手段が設けられている。
 次いで、各装置、部位の詳細な構成を以下に記載する。
この反応容器2の上部に設けられたホッパ3は、該ホッパ3にバイオマス細粒体11を供給する原料供給部を備えている。この原料供給部は、バイオマス細粒体11を定量計量してホッパ3に投入する装置であってもよいし、又はバイオマス細粒体11をホッパ3に連続投入する装置であってもよい。
反応容器2の排出部5は反応容器2の径と同一径の開口からなり、その下方には該排出部5を開閉する排出装置が設けられている。この排出装置は、排出部5を封止する底面蓋部9と、底面蓋部9を水平方向にスライドさせて排出部5の封止、開放を制御する排出用油圧機構10とから構成される。この排出装置は、反応容器2内にて反応工程が終了した後に、油圧機構10を駆動させ底面蓋部9をスライドさせて排出部5を開放し、シリンダ2内のバイオコークスを落下させて排出するようになっている。
 この反応容器2が備える加圧手段は、加圧シリンダ7により駆動されて反応容器2の内周面を上下摺動する加圧ピストン(加圧体)6と、該加圧シリンダ7内の作動油の給排を制御する加圧用油圧機構8とからなる。加圧ピストン6及び加圧シリンダ7は、反応容器2と同軸上に配置される。加圧ピストン6は、反応容器2の底面付近まで下降する加圧ピストン6は、所定時間だけこの加圧状態を保持できる構成となっている。
 この反応容器2が備える温度調整手段は、反応容器2の外周に熱媒又は冷媒(以下、冷熱媒と称する)を通流して内容物を加熱又は冷却する手段とする。
反応容器2は、外周にジャケットが設けられた二重管構造となっており、内筒と外筒の間に冷熱媒通路4が設けられている。冷熱媒通路4には、冷熱媒が通流し、該冷熱媒による伝熱によりシリンダ内筒に充填されたバイオマス細粒体11に熱エネルギの授受を行うようになっている。冷熱媒通路4の下方側には冷熱媒入口4aが設けられ、上方側には冷熱媒出口4bが設けられている。これらの冷熱媒入口4a及び冷熱媒出口4bは、後述する冷熱媒循環ラインに接続されている(下図2参照)。冷熱媒通路4、冷熱媒入口4a、冷熱媒出口4b、冷熱媒循環ラインを含み、冷熱媒の切り替えにより反応容器2の温度制御を行う機構を冷熱媒循環システムと称する。

図2 冷熱媒循環ラインを備えたバイオコークス製造装置のシステム構成図

 上記した加圧用油圧機構8、排出用油圧機構10及び冷熱媒循環システムは、制御装置100により制御される。該制御装置100は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。さらに、制御装置100は、加圧用油圧機構8の加圧ピストン6の充填回数等をカウントするカウンタ101、所定の制御における継続時間を計測するタイマ102を備えている。
 ここで、冷熱媒循環システムの具体的構成につき、図2を参照して以下に説明する。図2は、本発明の実施形態に係る冷熱媒循環ラインを備えたバイオコークス製造装置のシステム構成図である。
本実施形態では、反応容器2の温度制御に用いられる冷熱媒循環システム30において、熱媒、冷媒の独立した循環ラインを夫々形成するとともに、循環ライン上流側の圧力安定手段と、各反応容器の冷熱媒出口に流量制御手段と、を設けた構成としている。
 バイオコークス製造装置1は複数設けられ、各バイオコークス製造装置1の原料供給部14は、円環状に配設された搬送コンベア28に接続されている。該搬送コンベア28には、サイロ21、22からバイオマス細粒体11が供給される。該搬送コンベア28上を搬送されるバイオマス細粒体11は、原料供給部14を介してバイオコークス製造装置1のホッパ3から反応容器2に投入される。このとき、供給量調整手段23によって、ホッパ3に投入されるバイオマス細粒体11の供給量が調整される。一方、バイオコークス製造装置1から排出されたバイオコークス19は、ベルトコンベア25により搬送される。
 バイオコークス製造装置1が備える反応容器2は複数設けられ、複数の反応容器2の冷熱媒通路4が直列に接続されている。この冷熱媒通路4が直列に接続された複数の反応容器2と、これらの付随する原料供給部14、搬送コンベア28、後述する各バルブ、流量制御弁51等を反応容器セットと呼ぶ。
 また、バイオコークス製造装置1の冷熱媒通路4には、熱媒循環ライン31と、冷媒循環ライン36が接続されている。熱媒循環ライン31と冷媒循環ライン36は夫々独立した回路を形成している。熱媒循環ライン31は、反応容器2へ熱媒を供給する上流母管31aと、反応容器2を通過して排出される熱媒を回収する下流母管31bとが接続された構成となっている。同様に、冷媒循環ライン36は、反応容器2へ冷媒を供給する上流母管36aと、反応容器2を通過して排出される冷媒を回収する下流母管36bとが接続された構成となっている。そして、熱媒循環ライン31と冷媒循環ライン36の夫々には、上記した反応容器セット200、300、・・・が並列に複数接続されている。
 熱媒循環ライン31上には、熱媒を加熱する加熱手段32が設けられるとともに、第1反応容器セット200の冷熱媒入口に接続された熱媒循環ライン31の上流母管31aの熱媒圧力を一定にする圧力制御バルブ34が設けられている。該圧力制御バルブ34は、熱媒循環ライン31の上流母管31aの熱媒圧力を検出し、所定の圧力になるようにバルブ開度を制御する。同様に、冷媒循環ライン36上には、冷媒を冷却する冷却手段37が設けられるとともに、第1反応容器セット200の冷熱媒入口に接続された冷媒循環ライン36の上流母管36aの冷媒圧力を一定にする圧力制御バルブ38が設けられている。該圧力制御バルブ38は、冷媒循環ライン36の上流母管36aの冷媒圧力を検出し、所定の圧力になるようにバルブ開度を制御する。 熱媒循環ライン31又は冷媒循環ライン36と冷熱媒通路4の入口側接続部には、夫々切替バルブ41、42が設けられており、反応容器2の加熱、冷却の切り替えに応じて切替バルブ41、42が開閉制御される。 【0030】 複数のバイオコークス製造装置1において、冷熱媒通路4は直列に接続されている。即ち、一のバイオコークス製造装置1の冷熱媒通路4を通過した冷熱媒は、次のバイオコークス製造装置1の冷熱媒通路4に送給される。 全ての冷熱媒通路4を通過して排出された冷熱媒は、流量制御手段に送られる。該流量制御手段は、冷熱媒通路4の出口側における冷熱媒流量を一定にするもので、冷熱媒流量を調整する流量制御弁51と、流量を検出する流量計52とを備えている。また、冷熱媒通路4から熱媒循環ライン31に接続される通路上には切替バルブ53が設けられ、冷熱媒通路6から冷媒循環ライン36に接続される通路上には切替バルブ54が設けられており、上記した冷熱媒通路4の入口側に設けられた切替バルブ41、42と連動して開閉制御される。
 このようなシステムにおいて、反応容器2を加熱する時は、制御装置100(図1参照)により冷熱媒通路4入口側の熱媒切替バルブ41を開、冷媒切替バルブ42を閉に制御するとともに、冷熱媒通路4出口側の熱媒切替バルブ53を開、冷媒切替バルブ54を閉に制御し、加熱手段32で所定の温度範囲まで加熱されるとともに、圧力制御バルブ34により圧力が一定に維持された熱媒を、熱媒循環ライン31の上流母管31aから各反応容器セット200、300、・・・の冷熱媒通路4に供給する。最上流に位置する反応容器2の冷熱媒通路4を通流した熱媒は、直列に接続された次の反応容器2の冷熱媒通路4を通流し、最後尾の反応容器4を通流した熱媒は、熱媒循環ライン31の下流母管31bに戻される。このとき、流量制御手段により熱媒流量が一定に維持され、これにより各反応容器2の温度変化が安定する。
  反応容器2を加熱から冷却に切り替える時は、制御装置100により冷熱媒通路4入口側の熱媒切替バルブ41を閉、冷媒切替バルブ42を開に制御するとともに、冷熱媒通路4出口側の熱媒切替バルブ53を閉、冷媒切替バルブ54を開に制御し、冷却手段37で冷却されるとともに、圧力制御バルブ38により圧力が一定に維持された冷媒を、冷媒循環ライン36の上流母管36aから反応容器2の冷熱媒通路4に供給する。直列に配置される冷熱媒通路4を通過した後、流量制御手段により冷媒流量が一定となるよう制御され冷媒循環ライン36の下流母管36bに戻される。
 この反応容器2内を加熱又は冷却する温度調整手段として、反応容器外周に形成された冷熱媒通路4に熱媒又は冷媒を通流させる手段とすることにより、バイオマス細粒体11の加熱又は冷却を迅速に行え、また加熱から冷却、冷却から加熱への切替が円滑に行える。
また、夫々独立した熱媒循環ライン31と冷媒循環ライン36を設けて、熱媒循環ライン31の上流母管31aと下流母管31bの間、及び冷媒循環ライン36の上流母管36aと下流母管36bの間に冷熱媒圧力を一定にする圧力制御弁34、38を設置し、また各反応容器セット200、300、・・・の最も下流側に位置する反応容器出口側に冷熱媒流量を一定にする流量制御弁51を設置することにより、安定した冷熱媒循環システムを形成することができ、反応容器2内を安定的に温度調整することが可能となる。
 さらに、複数の反応容器セット200、300、・・・では、反応容器2を直列に連結することにより切替バルブや配管等の装置構成を簡素化できる。また、複数の反応容器セット200、300、・・・を熱媒循環ライン31及び冷媒循環ライン36に並列に接続することにより、処理能力の向上が可能となる。このとき、複数の反応容器セット200、300、・・・を並列に接続することで冷熱媒の流量や圧力が不均一になる惧れがあるが、本実施形態では圧力制御弁34、38が上流母管31a、36aの冷熱媒の圧力を安定化させ、各反応容器セット200、300、・・・の冷熱媒出口の流量制御弁51が流量を安定化させる構成となっているため、複数の反応容器セット200、300、・・・及び各セットの反応容器2を略均一な条件に温度調整することが可能となる。
 また、複数の反応容器セット200、300、・・・のうち、一部の反応容器セットを熱媒循環ライン31に接続すると同時に他の反応容器セットを前記冷媒循環ライン36に接続することにより、熱媒と冷媒が常時循環することとなり、熱効率を向上させることが可能となる。
さらにまた、複数の反応容器2の冷熱媒通路4の全てに通流する冷熱媒の1/3以上が熱媒循環ライン31又は冷媒循環ライン36に残留するように冷熱媒循環量を設定することが好ましく、これにより、熱媒循環ライン31又は冷媒循環ライン36上流側の温度を安定させることが可能となる。




図3 バイオコークス製造方法を示すフローチャート

 次に、上図3を参照して、バイオコークス製造方法の全工程のフローを説明する。 まず、充填工程において、制御装置100により充填操作を起動させる(S1)。これは、加圧用油圧機構8や排出用油圧機構10を含む各油圧機構、及び冷熱媒循環システムを起動させ(S2)、カウンタ101の充填回数をリセットする(S3)。即ち、充填回数をX(回)とすると、X0=0に設定する。このとき、下図4(i)に示すように、加圧ピストン6は反応容器2上部の初期位置H0に設定しておく。
そして、原料であるバイオマス細粒体11をホッパ3より反応容器2内に投入する(S4)。バイオマス細粒体11を投入後、図4(ii)に示すように、加圧用油圧機構8により加圧シリンダ7を低圧で下降側に駆動して加圧ピストン6を下降させる(S5)。低圧下降時の圧力は、後述する反応工程の圧力より低い第1の圧力段階P1とする。この時、カウンタ101の充填回数を+1増加させて、X0=X0+1とする(S6)。低圧下降時に制御装置100では、加圧シリンダ7の油圧Pが予め設定された所定圧力P1より大きいか否かを監視する(S7)。加圧シリンダ7の油圧Pが所定圧力P1以下の状態にて、タイマ102にて計測される加圧時間が予め設定された所定時間以上経過した場合は、S5に戻り再度加圧シリンダ7を下降側に駆動する。好適には、充填時加圧を行う第1段階の圧力P1は14MPaとし、所定時間は10秒とする。
 一方、加圧シリンダ7の油圧Pが所定圧力P1より大きい状態で所定時間以上経過した場合は、次いで反応容器2内のバイオマス細粒体11の充填量を検出する。これは、バイオコークスを目的とする大きさに成型するために行われる。
 バイオマス細粒体11の充填量検出は以下のように行う。
図4(ii)に示すように、位置センサ20により下降時の加圧ピストン6の高さ方向位置Hを検出する。そして、検出された高さ方向位置Hが、目的とする高さ設定値H1以上であるか否か(H≧H1)を判断する(S8)。
また、バイオマス細粒体11の充填量検出の別の方法として、加圧ピストン6が初期位置H0から加圧時の高さ方向位置Hまで下降する下降時間Tをタイマ102により検出して充填量を推定するようにしてもよい。この場合、予め初期位置H0から目的とする高さ設定値H1までの加圧ピストン6の下降時間を取得しておき、これを指定時間T1とする。そして検出された下降時間Tが指定時間T1以下であるか否か(T≦T1)を判断する(S8)。
このように、位置センサ20又は加圧ピストン6の下降時間Tを用いることにより、簡単にバイオマス細粒体11の充填量を検出することが可能となる。特に、位置センサ20を用いる場合は精度の高い検出が可能となり、下降時間Tを用いる場合は装置を安価にできる。
反応容器2内の充填位置Hが充填目的位置H1に到達していない場合(H<H1)、若しくは加圧シリンダ7の下降時間Tが指定時間T1より長い場合(T>T1)は、充填量が不足していると判断し、加圧シリンダ7を上昇側に駆動し(S11)、加圧シリンダ7の油圧Pが所定圧力P1より大きいか否かを判断し(S12)、大きい場合にはS11に戻りさらに加圧シリンダ7を上昇側に駆動し、小さい場合には図4(iii)に示すように再度バイオマス細粒体11を投入して(S4)、S4以降の加圧シリンダ7の充填工程を繰り返し行う。この操作は、図4(iv)に示すように、加圧シリンダ7の油圧Pが所定圧力P1より大きく、且つバイオマス細粒体11の充填量が予め設定された充填量設定値H1以上となったら終了する。 上記したように充填工程を行うことにより、反応容器2にバイオマス細粒体11を投入する際に予め計量する必要がなく、一定の大きさのバイオコークスを得ることが可能となる。また、バイオマスは細粒体状で反応容器2に投入されるため嵩密度が低く、そのままの状態だと反応容器2の容積を大きくしなければならないが、充填工程にて加圧ピストン6により低圧で充填時加圧を行うことで、より多くのバイオマス細粒体11を投入することが可能となり、反応容器2の小型化が可能となる。
S8にて反応容器2内のバイオマス細粒体11が目的とする充填量に達していると検出された場合には、カウンタ101にてカウントされる充填回数X0が所定の充填回数Xa未満であるか否かを判断し(S9)、充填回数X0が所定の充填回数Xa未満である場合には、加圧ピストン6が反応容器2の入口付近に引っかかるなどの異常が発生した事により加圧ピストン6が適切に下降しなかったものと推測し、装置を停止する(S10)。充填回数X0が所定の充填回数Xa以上である場合には、反応工程に移行する。このように、カウンタ101にて充填回数X0をカウントすることにより、充填時加圧における異常を簡単に且つリアルタイムで把握することが可能となる。


図4 充填工程の動作を説明する図



図5 反応工程の動作を説明する図 反応工程では、図5に示すように、加圧シリンダ7を高圧にて下降側に駆動して加圧ピストン6を下降させ(S13)、バイオマス細粒体11を反応させるために必要とされる所定の圧力範囲P2(第2の圧力段階)で該バイオマス細粒体11を加圧する。また、熱媒を反応容器2の冷熱媒通路4に循環させ所定の温度範囲でバイオマス細粒体11を加熱する(S14)。所定の圧力範囲P2は、上記したようにバイオマス細粒体中のヘミセルロース、リグニンの熱分解又は熱硬化反応を誘起する圧力範囲及び温度範囲とする。好適には、圧力範囲P2を8〜25MPa、温度範囲を115〜230℃とする。反応容器2内のバイオマス細粒体11は、上記した加圧、加熱状態を一定時間保持する。例えば、シリンダ径が50mmの場合、保持時間は10〜20分間で、150mmの場合は30〜60分間とする。
 そして、タイマ102にて熱媒循環時間が終了したか否かを判断し(S15)、終了したら冷熱媒循環システムを熱媒から冷媒に切り替えて、冷熱媒通路4への冷媒循環を開始する(S16)。同様にタイマ102にて冷媒循環時間が終了したか否かを判断し(S17)、終了したら冷媒循環を停止し、排出工程に移行する。
 排出工程では、図6 排出工程の動作を説明する図に示すように、加圧シリンダ7の高圧を抜き(S18)排出用油圧機構10を駆動して底面蓋部9をスライドして排出部5を開放する(S19)。次いで、図6(ii)に示すように加圧シリンダ7を低圧で下降側に駆動させ、反応容器2内に製造されたバイオコークス19を加圧ピストン6により押出し排出する(S20)。これにより、反応容器2内に圧密して形成されたバイオコークス19を容易に排出可能となる。
このとき、位置センサ20により検出される加圧ピストン6の位置が下降端位置まで到達したか否かを判断し(S21)、到達した場合には底面蓋部9を閉鎖するとともに(S22)、加圧シリンダ7を低圧で上昇側に駆動させ加圧ピストン6を上昇端まで移動させる(S23)。そして、制御装置100に通常運転停止命令が入力された場合には(S24)、運転を終了する(S25)。停止命令が入力されていない場合には(S24)、S3まで戻り、充填回数をリセットした後、原料投入(S4)移行のステップを繰り返し行う。
  上記したように本実施形態では、充填工程にて、先ず加圧ピストン6を低圧の第1の圧力段階で作動させてバイオマス細粒体11の充填時加圧を行い、次いで反応工程で加圧ピストン6の圧力を上昇させるとともにこれに連動させて冷熱媒通路4に熱媒を通流させ、反応容器2内でバイオマス細粒体11を略密閉状態にて半炭化或いは半炭化前固形物を得る温度範囲及び圧力範囲(第2の圧力段階)で加圧しながら加熱し、所定時間保持した後に、加圧状態は保持したまま冷熱媒通路4を熱媒から冷媒に切り替えて冷却を行い、バイオコークス成形体19を製造するようにしている。このように、制御装置100により加圧用油圧機構8、排出用油圧機構10及び冷熱媒循環システムを連動させて制御することにより、短時間で且つ効率的にバイオコークスを製造することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
 このバイオコークス製造装置を用いることにより、石炭コークスの代替として利用可能な高硬度で高密度のバイオコークスを効率的に製造することが可能となる。また、本実施形態にて製造されたバイオコークスは、鋳物製造或いは製鉄において、キュポラ炉、高炉等における熱源・還元剤等として利用可能であり、また発電用ボイラー燃料、消石灰等の焼成燃料等の燃料需要にも利用可能であり、更に高い圧縮強度等の特性を活かして、マテリアル素材としての使用も可能である。




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