初歩の太陽光発電経営

 公共産業用太陽光発電のプロジェクトが一気に動き出す2012年。これまでのCSRや省エネ目的から、売電という軸が加わること、そして大規模な事業の際にはファイナンスの必要性からより厳格な事業性が求められることで、求められる過大がが「深化」する。

目 次

投資回収シミュレーションの手法
メンテナンスは「必要不可欠」
塩害、化学物質汚染一土地活用
システム構築で必要な「選択」 
パワーコンディショナーの選び方
拡大する架台の選択肢 
世界のメガソーラー事情
ルーフリース事業、日本でも開始
SBエナジー、発電データ公開
ファイナンスの重要ポイント
初期投資ゼロスキームの活用
天候デリバティブの使い方
補助金・税制を活用



チェックポイント1メガソーラーの収益をIRRで評価

投資回収シミュレーションの手法

 全量買取制度のスタートが7月に迫り、太陽光発電の導入も制度を前提とした投資回収見込みを立てる必要が出てきている。果たしてどの程度の収益が見込めるのか。収益を高めるにはどうすれば良いのか。投資規模も小さい1MW規模で誌上シミュレーションを行う。

 

 シミュレーションでは電柱(6千V)接続でき、必要とする土地面積も少なく、参入しやすい規模である1MWを想定。条件設定については、建設コストは業者ヒアリングや急激に下がるパネルコスト低下などを踏まえ、kWあたり35万円の建設費とした。総工費3億5000万円、維持費用は総費用の1%、土地代は100円/m2年(パネル種類によって必要面積が異なるが200万円/年とした)、借入金利3.5%、借入比率70%、借入期間10年とした。
 発電量は地区の気象条件やパネル種類によって異なるが一般的な数値として設備利用率12.5%(1kW当たり約1100kWh/年)とした。最大の注目は買取価格。従い、ここでは価格をいくつか想定して試算する。
 買取価格は、34、36、38、40円、買取期間は15年、20年とした(現在、家庭用太陽光発電余剰電力買取制度では家庭用42円/kWh、その他40円/kWである)。
 収益性は投資判断指標で使われる内部収益率IRR(税引き前プロジェクトIRR)で算出(図)。

IRR5〜8%以上が安定的

 一般的に電カビジネスでは、低リスクで安定的なビジネスとされるIRRは5〜8%以上。この基準で投資判断されるケースが多い。図を見ると買取期間が20年であれば概ね投資できるレベルと思われる。なお、一般的な企業での設備投資ではIRRは10%以上程度とする企業が多い。ただ、大きな収益性がでるビジネスにはなりにくい。
 IRR自体は馴染みのない人には分かりにくいものだが、ある種の投資利回りのようなものと考える。

メガソーラーの投資回収をIRRで評価


 なお一見メガソーラーのIRRは低く見えるため、どうしてソフトバンクや三井物産がそれでも参入表明しているのか不思議にも思えてくる。だが、ここにもひとつのからくりがある。それは、発電事業は自己資金ではなく資金の大多数を銀行などからの借入金で賄う。借入金が大きくなるほど少ない手金で高い利回りを出せるのだ。つまり「レバレッジを効かす」ということになる。両社とも発電事業ではプロジェクトファイナンスという方式で借入比率を高くする方法を検討しており、この場合は投資効率が大幅に高まる。このあたりがメガソーラービジネスで収益性を高める胆になるかもしれないのだ。

建設コストの大幅低下でIRR高まる傾向

 の点考えると小規模メガソーラーはビジネス面で寧ろ優位性があるかもしれないのだ。
 メガソーラービジネスは以下の点が特徴であり、これを踏まえてビジネスを考えるとチャンスが広がるかもしれない。参考のため、同じく全量買取制度 で注目が高まる風力発電と比較してみよう。

○全国どこでも発電量に大きな差がで にくい(風力では逆に顕著にでる)○規模のメリットがあまりなく、小さい規模のメガソーラーでも超大規模で  も極端に建設コストが変わることがない(風力では規模が重要となる)
○環境影響が小さいため、地域などとの合意形成ややりやすい(風力では出力7500kW以上では環境アセスメントも必要)
○プロジェクトのリスク要素が少なく、技術的ハードルも低い(風力は大手事業者でも苦戦するところが多く、新規参入ハードルが高い)




脚注及びリンク






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