<59 家政学598 家庭衛生使い捨て懐炉

使い捨てカイロ

使い捨て懐炉とは

ポケット付スリッパー

  1975年アメリカ陸軍が使用していたフットウォーマーを元に、旭化成工業が九州でのみ「アッタカサン」を販売。それを原型にして、日本バイオニクスが1978年に開発、ロッテ電子工業が「ホカロン」の商品名で使い捨てカイロを全国発売し、これがヒット商品となって一般に普及した。以後このタイプのカイロは急速にシェアを伸ばし、カイロ灰専業の桐灰化学やマイコール、白元、大日本除蟲菊、フマキラーなどの家庭日用品メーカーが追随した。このタイプはハクキンカイロに代わって現在主流の方式となっている。シール付きの使い捨てカイロ、いわば貼るタイプのカイロが発売されたのは1988年であり、マイコールが業界に先駆けて販売し、成功を収めた。現在ではミニサイズ、靴下用、肩用、座布団サイズ、等々色々なバリエーションが発売されており、冬場商品の定番となっている。

  これは不織布や紙の袋に空気中で酸化発熱する鉄粉を入れたものが一般的であり、通常触媒として鉄の酸化を速める塩、酸素を取り込むための活性炭、鉄の錆びを促進する水、水を保水するためのバーミキュライトが入れられている。

概要

  朝晩の冷え込みが厳しくなると、重宝するのが使い捨てカイロ。スーパーなどの売り場にはすでに、従来の手足を温める定番商品から、首、肩、腰、目元専用など消費者ニーズに合わせて多彩な商品が勢ぞろいしている。今年は、日本生まれのこの便利な保温具が誕生して30年。冬の必需品として進化を続けている。
 日本カイロ工業会の調べでは、平成19年度の販売総数は約16億2000万枚。1人10枚以上使う計算だ。最近は防寒用に加え、エアコンの普及により、夏の冷え対策や生理痛の緩和目的で年間を通して使う女性も少なくない。地球温暖化という逆風の中でも、潜在的な需要は大きいとみる。

    業界大手の白元(東京)の調査では、カイロの使用目的として最も多いのは「レジャー」(93.1%)や「外出」(77.4%)だが、「痛みの緩和」「疲労回復」「リラックス」を挙げる人も多い。
 多様化する需要に合わせ、メーカー側はさまざまな新商品を開発。現在、市場に出回るカイロは150種類以上に上る。手足を温める定番商品に加え、最近は首、肩、腰、ひざなど部位に特化した商品が相次いで発売されている。
 桐灰(きりばい)化学(大阪)が今年発売した「血流改善 肌にはるコリほぐシート」(医療機器)は、患部に直接はるタイプ。腰用は45℃、肩用は47℃度と、血流改善に最適な温度を6時間持続させ、患部のコリをほぐし、痛みを和らげる。
  白元も、体の湾曲した部分にぴったりと密着させ、温感を高める立体形状の商品を販売している。「ホッカイロひざ用」は、ひざの曲げ伸ばしがしやすいようプリーツ加工を施したサポータータイプ。「足全体用」は1枚で足裏からつま先の上まで包んで温め、足先のつらい冷えを解消する。目元専用「ホッカイロ アイピロー」は読書や勉強、運転の休憩時に便利。アイマスク型の立体形状で疲れた目元をじんわりと温めるとともに、ラベンダーの香りのアロマシートでリラックスや癒やし効果も。

  桐灰化学マーケティング部の中村聖一郎さんは「カイロは防寒から、温熱による治療系、健康系へと確実に進化している」と話す。
  消費者の環境意識が高まる中、21年1月にはリサイクル商品も登場する。業界初の取り組みとして注目を集めそうだ。
  使い捨てカイロは、鉄粉が空気中の酸素と反応して酸化するときの熱を利用。その酸化反応を促進させるために使われるのが活性炭だ。今回、日本コカ・コーラ(東京)と白元が始めたプロジェクトでは、缶コーヒー「ジョージア」の製造工程で排出されたコーヒーかすを活性炭の原料に再利用し、白元の「ホッカイロ」の原材料の一部として使う仕組みだ。
 白元の江原純一さんは「技術的なめどがついたので実用化に踏み切った。今後も付加価値を高め、一歩先をゆく商品を開発していきたい」と意気込んでいるという。

ルーツは温石

    カイロは、一日の最低気温が5度以下になると、売上額が急激に増える。漢字で「懐炉」と書き、そのルーツは石を温めて懐に入れた江戸時代の「温石(おんじゃく)」にさかのぼる。
  明治時代に入ると、麻殻や炭粉を袋に詰めて容器の中で燃やす「懐炉灰」、大正時代にはベンジンの気化ガスと白金の触媒作用で燃焼させる「ベンジンカイロ」が登場した。
  その後、袋から取り出して、振るだけで温かくなる「使い捨てカイロ」が誕生したのは昭和53年。スキーや屋外作業など、どこでも携帯できる利便性から一気に普及し、日本の冬に欠かせない存在になった。

カイロの仕組み

  鉄を濡れたまま放置しておくとサビが出るのは日常よく目にするが、これは鉄の酸化、つまり鉄が空気中の酸素と反応して酸化鉄(水酸化第二鉄)になる化学反応す。
化学反応が起こるときに出る熱を有効利用したものが使い捨てカイロ。日常の生活の中でも、鉄がさびる時には熱を出しているが、普通はゆっくりと反応が進むので熱として感じることはない。



鉄粉 酸化反応になくてはならないものです。
原料中の半分以上は鉄粉(純鉄)です。
鉄粉がさびる速度を早めます。
塩類 早い話が食塩。酸化の速度を早める役目をします。
バーミキュライト 日本名は「ヒル石」という雲母系の原鉱石から作られる人工用土。一般的には観葉植物の保水土として知られています。
カイロにはかなりの水が含まれているのに、中の粉がさらさらしているのは、バーミキュライトの表面の小さな穴に水分を取り込んで保水剤の役目をしているからです。
活性炭 表面の微孔に空気を取り込んで酸素の供給を促します。
カイロ本体 通常タイプは空気を通さない不織布で、そのままでは空気が入らないので微孔を開けています。また、貼るタイプは空気の透過量をコントロールする特殊な不織布です。
外装 カイロは空気に触れると発熱を開始して最後には使用できなくなります。使用する前からそのような状態にならないため、空気の侵入を遮断できる特殊なフィルムを採用しています。このフィルムはカイロ専用の設計です。


カイロの酸化反応の化学


カイロの外袋に表示してある温度や持続時間は、JIS法に定められた方法によって測定した製品の品質を管理するための数値です。個々の製品を使用した時の体感温度ではないので、使用中にカイロのそばに温度計を入れて測っても、表示内の温度になるとは限らない。



  意味 製品規格
最高温度 やけどの危険性を使用者に知らせる為に、カイロの最高温度を統計的に処理して求めた最高温度であり、実際に全てのカイロが到達する温度ではありません。 最高温度を越えないこと
平均温度 カイロが発熱を開始して40℃を越えたときから40℃を下回るまでの間の温度を平均した数値です。 表示±10%
持続時間 カイロが発熱を開始して40℃を越えたときから40℃を下回るまでの間の時間です。 表示以上であること

カイロを英語で言うと

英語では"HEAT PAD"(ヒートパッド)、もしくは"HAND WARMER"(ハンドウォーマー)、"DISPOSABLEE HEATING PACK"(ディスポーザブル・ヒーティング・パック)と呼ばれる。


カイロのリサイクルは可能か

Battery Heat Pad

  基本的に自然界に存在する殆どの金属は空気中の酸素によって酸化されてる。その方がその物質にとってはエネルギー的に安定(自然界の環境というのは常に)安定になろうとする。ちなみに、砂場の砂鉄は酸化鉄なのでこれが自然に還元することはない。
  酸化鉄は鉄の酸化物の総称で、酸化数に応じて酸化鉄II(FeO)や、酸化鉄III(Fe2O3) など組成が異なるものが知られており、どれも鉄の酸化物であり、水酸化鉄と並んで錆を構成する成分となっている。
  ではどうやって発熱を途中で止めるには、酸素を遮断すれば 反応が止まる。内容物の水も無くなれば反応は止まる。追加すれば反応を延長することができる。それを原料にして使い捨てカイロを作るのは理論上では可能だ。

  それには採取してきた砂鉄から化学的、物理的な不純物を取り除き、純粋な酸化鉄にして、高温で水素還元するなどの方法で還元すれ(発熱反応と逆向きの化学反応)すればいいわけで、その後粒径を均一にしてその他の材料と組み合わせれば、使い捨てカイロの完成です。但しこれは個人ベースではとても無理な作業で、市販の使い捨てカイロを買った方が遥かに安あがりというのが実際的だということになる。


ポータブルソーラー

充電式カイロによる代用

  それでは、リサイクルできるカイロとなる充電式カイロが商品化されている。単3形エネループ使用の「使い捨てないカイロ」。通勤・通学時に、待ち時間に、釣りやゴルフ、ウィンターレジャー等アウトドアなど様々なシーンでぬくもりを持ち運べが可能だ。充電した予備のエネループを持ち歩けば長時間使用できる。ニッケル水素電池エネループ単3形を2個使用。(エネループ専用) 単3形エネループの充電器としてオフシーズンでも使える。海外でも使えるAC100〜240V対応。USBでも充電できるから、オフィスのパソコンで充電することもできる。また、ACアダプターは、100〜240V対応なので、海外旅行や出張にも便利だという。

基本仕様:充電式カイロ(KIR−SL2S

本体寸法 幅46×奥行84×高さ20mm
質量 約50g(電池、アダプター含まず)
入力 AC100〜240V 50-60Hz/DC5V/500mA(USB対応)
充電時間の目安※2 約4.5時間(ACアダプター使用時)
約12時間(USB電源使用時)
連続使用時間の目安※3 強・約90〜150分/弱・約100〜180分(周囲温度10℃)
強:約60〜120分/弱:約70〜150分(周囲温度0℃)
平均温度の目安※4 強・約40℃/弱・約37℃(周囲温度10℃)
強・約38℃/弱・約35℃(周囲温度0℃)
使用電池 単3形ニッケル水素電池「eneloop」×2個(セット同梱)
セット内容 本体×1台、単3形ニッケル水素電池 「eneloop」×2個、ACアダプター×1個、USBプラグ変換アダプター×1個、充電用USBコード×1本、キャリングケース×1枚


脚注及びリンク


1)「新立教大学院・21世紀:危機管理研究会のプログ



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